読書の部屋、今日読む本はこれ!遠乃物語 藤崎慎吾/著

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『遠野物語』(とおのものがたり)とは、柳田國男が明治43年(1910年)に発表した岩手県遠野地方に伝わる逸話、伝承などを記した説話集である。 ウィキペディア
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伊能嘉矩(いのう かのり):日本の人類学者・民俗学者。 明治時代においていち早く人類学を学び、特に台湾原住民の研究では膨大な成果を残した。郷里岩手県遠野地方の歴史・民俗・方言の研究にも取り組み、遠野民俗学の先駆者と言われた。梅陰という筆名での著作も多数ある。 ウィキペディア

佐々木喜善(ささき きぜん):日本の民俗学者、作家、文学者、文学研究者、民話・伝説・習俗・口承文学の収集家、研究家。一般には学者として扱われるが佐々木自身は、資料収集者であり学者ではないと述べている。 ウィキペディア
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伊能嘉矩、佐々木喜善、この二人が主人公です。遠野出身の二人が、「遠野」ならぬ「遠乃」に迷い込んでしまい、ここを脱出するまでの約1年間の記録が冒険譚となっています。

本作において二人が巻き込まれる5つの事件ですが、「サムトの婆」「デンデラ野」「郭公と時鳥」「河童淵」「オシラサマ」と、『遠野物語』に関わりのあるものだと思います。『遠野物語』の表題を調べてみたんですが、「オシラサマ」は、そのものずばりと『遠野物語』の表題にありますね。川童(遠乃では河童になっています)と言う表題もあり、他の事件も関わりがあるのだと思われます。
その他、『遠野物語』の表題には、天狗、山の神、山女、マヨイガ、蝦夷の跡など、遠乃物語の中で実際に登場しているキャラクターや名称が、多々あります。

遠乃物語

遠乃の自宅にいる自分の妻にも違和感を覚える伊能嘉矩、その妻がイタコになって仕え、大事なところで彼ら二人を救い出すように見える怪行者「良厳院」、さらに、佐々木喜善の母だという山女。そして、昔ながらの話をしない佐々木喜善の家族、どうしても外に抜け出すことのできない遠乃の地。そして、飛ぶように過ぎていく時間。

たくさんの謎をかかえながら、伊能嘉矩、佐々木喜善は、いろいろな場所を調べたり、昔話を思い出したりしながら、脱出の糸口を見つけ出していきます。そして、正体を現す遠乃の守り神。

大きな推理小説になっているんですね。

遠乃物語【電子書籍】[ 藤崎慎吾 ]

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感想(0件)

最後は遠野へ帰り着き、1年の間迷い込んでいた「遠乃」は、現代の時間では・・であったというその結末は、どこか他の物語でも見たような気がします。彼ら二人は、この体験を話さなかったことになっていて、さらに、柳田國男が、遠野物語を記述するのに力となったと記されています。

非常に面白い小説でした。
是非、ご一読ください。

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