読書の部屋 今日の本はこれ!玉村警部補の巡礼/海堂尊 著

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1.チームバチスタスピンアウト作品

「チームバチスタの栄光」で、第4回「このミステリーがすごい!」の大賞を受賞した海堂尊が贈る「チーム・バチスタ」シリーズのスピンアウト作品です?

警察の凸凹(でこぼこ)コンビ、加納警視正と玉村警部補が四国巡礼の旅に出ています。というより、玉村警部補が巡礼に出た後に、加納警視正が無理やりくっついてきて、主導権を握ってしまうという設定ですかね。

かわいそうな玉村警部補は、警察庁刑事局刑事企画課電子網監視室室長(ふー、肩書が長い!)デジタル・ハウンド・ドックの異名を持つ加納警視正に、本編と同じく、ぼこぼこにされちゃいます。この関係は、スピンアウトした作品でも変えるわけにはいかないのでしょう。

googleブックスの内容紹介です。

四国であがる犯罪者たちの水死体。加納警視正は謎を追い、リフレッシュ休暇で遍路に出た玉村警部補に無理やり同行する。そんな二人の行く先々には、いつも不可解な事件が…。

加納警視正と玉村警部補の二人が、連れ添って四国八十八ヶ所のお遍路に出かけます。この二人ですから、当然のごとく珍道中を繰り広げます。そして、遍路先で起こる事件をあっさり、実にあっさりと解決していきます。

うーん、昔、どうしても解けなかった謎が、加納警視正にかかると魔法のように、至極簡単に溶けて行ってしまいますね。当時の捜査陣は何をやっていたんだと叱られても仕方のないような鮮やかさを見ることが出来ますよ。

2.概要です!

四国のお遍路を題材にしたのには、作者の思う所があったのでしょうか?海堂尊の文章ですから、ユーモアにあふれ、さらに、歯切れもよくて非常に読みやすいです。すいすい読んでいくことが出来ます。

しかし、加納警視正のような正論を、論理的にズバッと言ってくる上司が上にいたら大変だなと思います。しかも、心にずんと来るようなことを言われ続けていたら、60爺は心の病になる前に、きっと切れてしまうと思います。

この小説は、お遍路の薀蓄が満載です。歩き遍路を実行したい玉村警部補に対して、車を使った弾丸遍路なんてものも出てきて、それを題材に漫才のような掛け合いがあるのも楽しいです。玉村警部補は、加納警視正に絶対に勝てないんですけどね。

玉村警部補の巡礼

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本当にあったら大変なことになっちゃうと思うんですが、ご朱印のお寺の名前にいたずらする書き手の話なんて非常に面白かったですね。

自分の見立てにより、「大」の字を「犬」や「天」に変えて悪びれない所がすごいです。実際に、そのお寺で、ご朱印をもらってみたくなりますね。

玉村警部補も、加納警視正のペースに巻き込まれないようにしていくのですが、その辺をよく心得ている加納警視正に、交通費支給などの甘言に載せられてしまいます。宮仕えの悲しさが、ほのかに香ります。

3.収録作品

5編の物語が収録されています。

  •  阿波 発心のアリバイ
  •  土佐 修行のハーフ・ムーン
  •  伊予 菩提のヘレシー
  •  讃岐 涅槃のアクアリウム
  •  高野 結願は遠く果てしなく

いずれの物語も楽しく読めると思います。讃岐の物語は、出だしが他のお話と少し異なります!最後の「高野」のお話は書き下ろしです。

是非、ご一読を。

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