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  • 2019年12月31日
  • 2019年12月30日
  • 将棋

1.竜王戦

(1) 第32期七番勝負

12月6,7日に行われた第五局で決着がつきました。挑戦者豊島将之名人が4勝1敗で竜王位を奪取しました。

名人が3連勝して、叡王戦、名人戦、王座戦に続いて、挑戦者がストレートの奪取かと思いましたが、竜王が踏ん張って初勝利を挙げました。

しかし、続く第五局を名人が勝ち、令和初の竜王名人になりました。

竜王名人は2013年の森内俊之以来、関西所属の棋士では1997年の谷川浩司以来となり、史上4人目(森内、谷川の他に羽生善治が達成しています)となります。

豊島竜王・名人は、名人、棋聖、王位の三冠の後、棋聖及び王位の防衛失敗後、竜王を奪取しての二冠復帰となりました。

これで、第32期の竜王戦は幕を閉じました。

(2) 第33期の竜王戦ランキング戦

組み合わせ表が出来上がっています。3組までの組み合わせを載せておきます。

ビッグニュースです。

1組のランキング初戦渡辺明三冠と佐藤和俊七段で、渡辺三冠が黒星となりました。ここまで28勝4敗、しかも負けは豊島二冠にしか喫していない渡辺三冠が1回戦で敗退となりました。

斎藤慎太郎七段と永瀬拓矢二冠の好カードは、王座戦に続き、永瀬二冠の勝利となりました。

稲葉陽八段が阿部健次郎七段を下し、二回戦にコマを進めました。

3組では、藤井聡七段の師匠である杉本昌隆八段が村山慈明七段を破って二回戦進出です。

その他、5組6組でも対局が始まっています。4組は、まだ対局がありません。

2.名人戦・順位戦

現在、順位戦が中盤を迎えています。

(1) A級

A級は6回戦が終わりました。

何といっても、渡辺明三冠の好調さが際立ちます。現在6連勝で挑戦争いのトップを快走中です。

この後を、4勝2敗で広瀬章人竜王、三浦弘行九段が追走しています。さらに、3勝3敗で糸谷哲郎八段、佐藤康光九段、稲葉陽八段が続きます。

2勝4敗で、佐藤天彦九段、羽生善治九段、木村一基王位と続き。1勝5敗に久保利明九段が最下位です。

あと、残るは3戦、どんなドラマが待っているでしょうか。

(2) B級1組

10回戦まで終了しました。このクラスは、13回戦(1回抜け番)闘った結果で昇級2名 降級2名を決定します。

昇級争いを見ると、首位が9勝1敗の菅井竜也七段です。残る2戦のうち1勝すれば昇級です。2位が7勝2敗の斉藤慎太郎七段、6勝3敗に行方尚史九段、千田翔太七段と続きます。

斎藤七段は順位が6勝3敗の二人より上ですのでだいぶ有利ですが、さてどうなるでしょうか。

降級争いを見ると大変なことになっています。

谷川九段が2勝8敗と最下位で降級のピンチです。3勝7敗の畠山鎮八段、3勝6敗に順位下位から松尾 歩八段、山崎隆之八段、屋敷伸之九段です。

こちらも別の意味で注目ですね。

(3) B級2組

8回戦まで終了しました。このクラスは、11回戦(1回抜け番)闘った結果で昇級2名 降級点5名を決定します。

始めに昇級争いです。

丸山九段が7連勝と好調です。6勝1敗に、横山泰明七段、近藤誠也六段、鈴木大介九段が続きます。5勝2敗にも2名(橋本崇載八段、大石直嗣七段)つけており、ここまでが昇級候補でしょう。

それぞれ残り3戦で誰が抜け出すでしょうか?

降級点争いです。

下位から飯島栄治七段、窪田義行七段、野月浩貴八段が1勝6敗と苦しいです。飯島七段はすでに降級点を持っていますので、降級のピンチに立たされています。

続いて、阿部隆八段が2勝6敗、田村康介七段、北浜健介八段、中村太地七段が2勝5敗と苦戦中です。田村七段も、このままだと降級となってしまうので奮起が必要です。3勝にも6名の棋士がいるので、彼らもうかうかできません。

(4) C級1組

7回戦まで終了しました。このクラスは、10回戦闘った結果で昇級2名 降級点7名を決定します。

昇級争いは、昨期涙を飲んだ藤井聡太七段が7連勝でトップを快走中です。6勝1敗に、佐々木勇気七段、及川拓馬六段、佐藤和俊七段、石井健太郎五段の4名が続いています。

藤井七段は順位も上位なので有利なのは間違いないですが、昨期と同様、最後まで目が離せない戦いとなりそうです。

なお、5勝2敗にも6名がひしめいており、1敗組も順位が下位なので負けられないところです。

降級点の方は、堀口一史座七段が7連敗で苦しい星勘定です。すでに降級点を持っていますので降級がちらつきます。

1勝6敗は、門倉啓太五段、青野照市九段です。2勝5敗が、村田顕弘六段、平藤眞吾七段、塚田泰明九段、小林裕士七段他合わせて10名います。3勝4敗も5名とここまでが降級点の対象となりそうです。

次回は1月14日、過酷な闘いが待っています。

(5) C級2組

C級1組と同様に7回戦まで終了しました。このクラスは、10回戦闘った結果で昇級3名 降級点10名を決定します。

昇級争いは、高見泰地七段と牧野光則五段が7連勝です。6勝1敗に、三枚堂達也七段、大橋貴洸六段、佐藤紳哉七段、古森悠太四段の4名が続いています。

高見七段は順位が上位なので大分有利です。牧野五段は順位が下位なので1敗すると5位に落ちてしまうので厳しい後半戦となります。

なお、5勝2敗に10名が名を連ねており、1敗組も順位が下位なので負けられないところです。

降級点の方は、桐山清澄九段、矢倉規広七段、福崎文吾九段が7連敗で苦しい星勘定です。桐山清澄九段は降級点を取ると引退となります。

1勝6敗は、大平武洋六段、中座真七段、神谷広志八段、田中寅彦九段の4名です。2勝5敗は、島本亮五段他6名ですが、島本五段は降級点2つなのでフリークラス転落の危機です。厳しい戦いが続きます。頑張ってください。

3.叡王戦

現在、第五期の本戦が進行しています。

本選は、24名の棋士で叡王挑戦者の切符を争いますが、1回戦と2回戦の一部が行われました。

現状の結果は以下のトーナメント表の通りです。

見ておわかりのように、ベスト8(一部ベスト4)が見えてきました。左の島から見ていきましょう。

まず、左の島では、佐藤秀司七段、佐藤康光九段という佐藤姓2名を破って若手の青嶋未来五段が勝ち上がっています。

その隣の島では、今シーズン王座を失いましたが、斉藤慎太郎七段が古森悠太依田、古豪真田圭一八段を破りました。

竜王を失冠した広瀬九段ですが、予選で森内俊之九段を破り、1回戦で行方尚史八段を倒して勝ち上がった古豪塚田泰明九段を下しました。

四つ目の島は、絶好調渡辺明三冠が野月浩貴八段、佐藤天彦九段を退けました。

5番目の島では、若手及川拓馬六段を破った王将失冠、A級で1勝5敗と冴えない久保利明九段を佐々木大地五段が破って勝ち上がっています。

菅井竜也七段は、B級1組第一位の好調さを以って、郷田真隆九段と若手のトップクラスである増田康宏六段に勝利しました。

最後は、九段予選で羽生九段を破った藤井猛九段と、豊島将之竜王・名人がベスト4を賭けて対戦し、好調豊島二冠が勝ち名乗りを上げています。

4.王位戦

第60期王位戦で、木村一基王位が記録ずくめの王位獲得をしたことは記憶に新しいですが、第61期予選が煮詰まって来ています。

紅白王位リーグへの切符は8枚ですが、それぞれのトーナメントのベスト4が決定しています。

  • 1 佐藤秀七段 vs 丸山九段の決勝です。今期の好調さから丸山九段の勝ち上がりを予想します。
  • 2 渡辺三冠 vs 佐々木大五段争いです。60爺は、渡辺三冠を予想します。
  • 3 広瀬九段 vs 阿部健七段の対戦となりました。竜王を失いましたが、広瀬九段が勝ちそうです。
  • 4 上村亘五段が、勝ち上がった高橋九段に勝利しリーグ入りしました。佐藤康九段、森内九段、千田七段が総崩れでダークホースとして勝ち残りました。
  • 5 こちらは山崎八段と稲葉八段でしたが、A級の稲葉八段が、意地を見せて勝ち上りリーグ入りしました。
  • 6 中村亮六段 vs 鈴木大輔九段の決勝となりましたが、鈴木九段が貫録勝ちです。昨年の竜王戦本選でも1勝している好調の鈴木九段がリーグ入りしました。
  • 7 斉藤慎太郎七段と藤井聡七段 の決勝です。藤井七段は、王座戦で斉藤七段に痛い黒星を食らいましたが、今回は雪辱して初のリーグ入りを決めました。
  • 8 こちらも、宮田七段と本田四段の争いです。この枠も有望棋士が崩れた感がありますね。棋王戦で好調の本田四段が制する可能性は高いでしょう。

5.王座戦

昨年、永瀬拓矢叡王が3連勝でタイトル奪取し二冠となった王座戦です。1次予選で6つの切符(予選通過)を争いますが、2つの予選通過者が決定しています。

2次予選は、10の切符(予選通過)を5名ないし6名で争う(53名で10枚)ものです。

  • 1 三浦九段、藤井猛九段の決勝進出で三浦九段の勝ちを予想します。
  • 2 木村王位と1次予選勝ち上がり者の決勝戦を木村王位が制します。
  • 3 順当なら、郷田、森内の両九段の決勝戦で、森内勝ちですかね。
  • 4 稲葉八段と西田四段の決勝で、西田四段の勢いに賭けます。
  • 5 藤井聡七段と大橋六段が勝ち上がり、藤井七段の予選通過と予想します。
  • 6 屋敷九段と丸山九段が決勝を戦い、好調の丸山九段が制するのではないでしょうか。
  • 7 阿久津八段、鈴木九段が勝ち残り、鈴木九段が勝ち抜くと考えます。
  • 8 菅井七段と糸谷八段の争いを菅井七段が制します。
  • 9 橋本八段と近藤誠六段の戦いを近藤六段が制するのではないでしょうか。
  • 10 千田七段と深浦九段が決勝でまみえ、深浦九段が勝ちそうです。

6.棋王戦

第45期の棋王挑戦者は、挑戦者決定二番勝負を2勝1敗で制した本田四段です。

本田四段は、予選5連勝、挑戦者決定トーナメント5連勝の10連勝で決定二番勝負にたどり着きましたが初戦で敗れ、二番目で勝利し挑戦権を獲得しました。

同日、タイトル挑戦権獲得時の昇段規定によって、五段に昇段しました。

本田四段の挑戦権獲得は、以下のような記録づくめとなります。

  • 四段昇段後の棋戦初参加でタイトル挑戦は史上初
  • 四段昇段後452日でのタイトル挑戦権獲得は、屋敷伸之に次ぐ歴代2位
  • 四段の棋士のタイトル挑戦権獲得は、屋敷・郷田真隆に次ぐ史上3人目
  • 順位戦C級2組在籍者のタイトル挑戦は、屋敷・郷田・高見泰地に次ぐ4人目

将棋界に藤井聡七段に次ぐ新しいスターが誕生です。

充実の渡辺三冠に、どこまで本田四段の勢いが通じるでしょうか?60爺は、3勝1敗で渡辺三冠が防衛するのではないかと予想します。大きな壁ではないでしょうか?

第45期棋王戦は、2020年2月1日に開幕します。

第46期の棋王戦予選が既に開幕しています。今期の棋王がわからないうちに、12/26の時 点で20名弱の棋士が予選敗退しています。厳しい世界です。

7.大坂王将杯王将戦

第69期の挑戦者は広瀬九段です。藤井聡七段との決勝戦を薄氷の思いで制し、挑戦者に名乗りを上げました。

広瀬九段にとっては、竜王を奪われ無冠となった直後ですが、昨年の棋王戦のリベンジをする機会です。今期絶好調と言っていい渡辺三冠と見事な勝負を見せてもらいたいものです。

1月12,13日開幕です。

予想ですか?上述はしたものの、やはり好調な渡辺三冠の防衛だろうなア!4勝2敗防衛を予想します。

8.ヒューリック杯棋聖戦

第91期棋聖戦の第二次予選が始まっています。8つの予選通過枠を58名の棋士で争います。

シードになった一次予選通過者は2勝で二次予選を通過できます。そうでない棋士は3勝が必要です。

  • 1 中村七段と高野四段の決勝を高野四段が制するでしょうか。
  • 2 好調の本田四段が八代七段を下し、二次予選を通過します。
  • 3 屋敷九段が行方九段を制して本戦にコマを進めます。
  • 4 三浦九段が森内九段を制するのではないでしょうか。
  • 5 ここは永瀬二冠が近藤六段を制して決勝に行かなければダメでしょう。
  • 6 藤井聡七段が澤田六段を下すと思います。
  • 7 谷川九段が船江六段に意地を見せ、予選通過と見ます。
  • 8 羽生九段が順当に山崎八段を制して本戦に進むと見ます。