2020年2月の将棋界|A級順位戦終了。叡王戦挑戦者は豊島竜王・名人、棋王戦は1勝1敗、王将戦は2勝2敗のタイ

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1.竜王戦

第33期の竜王戦ランキング戦はどうなっているでしょうか。

(1) 1組

1回戦の残り二局が指され以下の結果となりました。

  • ●三浦弘行九段-〇山崎隆之八段
  • 〇佐藤天彦九段-●広瀬章人八段

1回戦で敗れた棋士は、1組5位を目指し戦いますが、その1回戦で敗れると2組降級となってしまいます。厳しい!

これでベスト8が決定しました。 ベスト8の棋士は1組残留を決めています。

引き続き、2回戦が行われています。初戦は、久保九段が永瀬二冠を破りました。

  • 〇久保利明九段-●永瀬拓也二冠
  • 〇斎藤慎太郎八段-●屋敷伸之九段
  • 〇佐藤和俊七段-●山崎隆之八段

A級降級の久保九段ですが、巻き返しを始めているようです。

佐藤和俊六段は、初めての1組で2勝を挙げ、準決勝進出を決めました。

勝った棋士はベスト4となり、次の準決勝が勝つと決勝進出とともに本選進出が決まる大一番となります。上記の敗れた棋士は、4位通過を目指して戦います。

(2) 2組

1回戦最終戦の結果は丸山九段勝利です。順位戦もB級1組への復帰を決め好調ですね。

  • 〇丸山忠久九段-●八代弥七段

これでベスト8が決定しました。同時に、ベスト8の8名の棋士は2組残留を決めています。引き続き、2回戦が行われています。

初戦は松尾八段、2戦目は佐々木勇気七段がベスト4を決めています。

  • ●阿久津主税八段-〇松尾歩八段
  • 〇佐々木勇気七段-●郷田真隆九段

1回戦で敗れた棋士は、1組復帰となる2組3位を目指して戦いますが、その1回戦で敗れると3組降級となってしまいます。

こちらも、厳しい戦いが続きます。

(3) 3組

1回戦最終戦の結果は行方九段勝利です。

〇行方尚史九段-●高見泰地七段

3組もベスト8が決定しました。1,2組と同じく、ベスト8の8名の棋士は3組残留を決めています。

ここで敗れた棋士は、2組復帰となる3組3位を目指して戦いますが、こちらも、1回戦で敗れると4組降級となってしまいます。

(4) 4、5、6組

4組は、2回戦が行われており、ベスト8へ7名が勝ち上がりました。

5組も、同様に2回戦が行われており、ベスト8へ5名が勝ち上がっています。さらに、梶浦宏孝五段が山本真也六段を破って、ベスト4へ初名乗りを挙げました。

大所帯(65名参加)の6組では、ベスト16が決定しました。この中には、奨励会三段の唯一の女性である西山朋佳三段も勝ち上がっています。さらに、豊川孝弘七段と池永天志四段さらに星野良生四段がベスト8へ勝ち名乗りを挙げています。

ランキング戦各組のトーナメント表です。

2.名人戦・順位戦

順位戦が終盤を迎え、昇級者、降級者が絞られてきています。

(1) A級

「将棋界の1番長い日」と呼ばれるA級順位戦最終局は、2月27日静岡で一斉に指されました。

  • ○佐藤天彦九段-●稲葉陽八段
  • ●羽生善治九段-○佐藤康光九段
  • ●広瀬章人八段-○木村一基王位
  • ○糸谷哲郎八段-●久保利明九段
  • ●三浦弘行九段-○渡辺明三冠

この結果は・・・。( )内は順位です。

  1. 9勝0敗 渡辺明三冠(9)☆名人挑戦
  2. 5勝4敗 広瀬章人八段(3)、佐藤康光九段(5)
  3. 4勝5敗 佐藤天彦九段(1)、羽生善治九段(2)、糸谷哲郎八段(4)、三浦弘行九段(7)、稲葉陽八段(8)、木村一基王位(10)
  4. 2勝7敗 久保利明九段(6)

既に名人挑戦を決めていた渡辺三冠が9戦全勝としました。A級全勝は、中原誠16世名人、森内俊之九段、羽生善治九段に続いて史上4人目の快挙です。

また、順位戦連勝記録を史上2位タイの21連勝に伸ばしています。

降級が決まっていた久保利明九段に続き、木村一基王位の降級が決まりました。木村王位は4勝を挙げましたが、順位の差で涙をのみました。

(2) B級1組

12回戦まで終了しました。このクラスは、13回戦(1回抜け番)闘った結果で昇級2名 降級2名を決定します。

12回戦の結果は次の通りです。

●深浦康市九段 VS ○松尾歩八段
●阿久津主税八段 VS ○斎藤慎太郎七段
●行方尚史九段 VS ○屋敷伸之九段
●山崎隆之八段 VS ○永瀬拓矢二冠
○郷田真隆九段 VS ●畠山鎮八段
○菅井竜也七段 VS ●千田翔太七段

戦績による順位は次のようになります。

  1. 11勝1敗:菅井竜也七段
  2. 8勝3敗:斉藤慎太郎七段(3)
  3. 7勝4敗行方尚史九段(4)、永瀬拓矢二冠(12)、千田翔太七段(13)
  4. 6勝5敗:深浦康市九段(1)、郷田真隆九段(8)
  5. 4勝7敗:阿久津主税八段(2)、屋敷伸之九段(5)、松尾歩八段(10)
  6. 3勝8敗:山崎隆之八段(6)、畠山鎮八段(11)
  7. 2勝9敗:谷川浩司九段(7)

この結果、前回の菅井七段に続いて、斎藤七段がA級への昇級を決め、同時に八段に昇段しました。

永瀬二冠は激しく追い上げましたが、開幕直後の3連敗が大きく響いて昇級を逃しました。

降級者ですが、谷川九段が決定、残るは、山崎八段、畠山八段のいずれかです。山崎八段は勝てば残留です。畠山八段は勝って山崎八段の結果待ちです。

最終戦は3月12日です。

(3) B級2組

10回戦が終了しました。このクラスは、11回戦(1回抜け番)闘った結果で昇級2名 降級点5名を決定します。

始めに昇級争いです。

丸山九段が中川大輔八段に勝ち、見事8連勝として、2戦を残し、来期B級1組への昇級を決めました。

7勝1敗だった横山泰明七段(3)に土がつき、近藤誠也六段(21)が相星で並びましたが、依然、順位の差で横山七段が地力を残しています。

6勝3敗は、村山慈明七段(4)、澤田真吾六段(12)、戸辺誠七段(18)、中田宏樹八段(20)、鈴木大介九段(24)ですが、中田八段までに、わずかながら昇級の目が残ります。

降級点争いです。

最下位は1勝7敗の野月浩貴八段です。

2勝7敗に窪田義行七段(11)、3勝6敗に飯島栄治七段(25)、畠山成幸八段(19)、田村康介七段(16)、北浜健介八段(14)、中川大輔八段(13)、中村太地七段(5)です。

4勝6敗が阿部隆八段(17)です。

飯島七段、田村七段は既に降級点を持っており、順位も低いので最終戦は勝って結果待ちを狙います。

最終戦は3月11日です。

(4) C級1組

9回戦まで終了しました。このクラスは、10回戦闘った結果で昇級2名 降級点7名を決定します。

昇級争いは、藤井聡太七段が又もや勝って9連勝で昇級を決めました。8勝1敗に、佐々木勇気七段(14)、及川拓馬六段(32)、石井健太郎五段(34)の3名が続いています。

残る昇級枠は1枚で、この三名から昇級者が決定します。

なお、7勝2敗としたものの都成竜馬六段は残念ですが今期の昇級はありません。

降級点の方は、降級決定となった堀口一史座七段が9連敗となりました。

1勝8敗は青野照市九段で降級点決定です。

2勝7敗が、門倉啓太五段(31)、小林裕士七段(24)、豊川孝弘七段(12)、森下卓九段(9)の4名で苦しいところです。

3勝6敗に、順位下位か塚田泰明九段(26)、高橋道雄九段(11)、真田圭一八段(8)となっており、ここまでが降級点の対象となりそうです。塚田九段は降級点を持っていますので、最終戦は何としても勝たなくてはなりません。

最終戦は3月3日です。

(5) C級2組

こちらも、C級1組と同様に9回戦まで終了しました。このクラスは、10回戦闘った結果で昇級3名 降級点10名を決定します。

昇級争いは、高見泰地七段が、ただ一人9連勝をマークして昇級を決めました。

8勝1敗が三枚堂達也七段(9)、牧野光則五段(25)、古森悠太四段(37)の3名です。三枚堂七段、牧野五段は最終戦に勝てば昇級が決まります。

7勝2敗に、佐々木大地5段(5)、西田拓也四段(7)、大橋貴洸六段(10)、佐藤紳哉七段(21)の4名が続いており、わずかですが昇級の可能性を残しています。

最終戦は3月3日です。

降級点の方は、福崎文吾九段が9連敗となりました。

1勝8敗は、桐山清澄九段、大平武洋六段、中座真七段、神谷広志八段、矢倉規広七段の5名です。ここまでの棋士は降級点確定です。大平六段、中座七段、神谷八段の3名は2度目の降級点になります。

2勝7敗は、富岡英作八段(3)、田中寅彦九段(2)の2名が続きます。

3勝6敗が出口若武四段(51)、島本亮五段(45)、藤森哲也五段(35)、上村亘五段(33)、伊藤真吾五段(24)、渡辺大夢五段(16)、黒沢怜生五段(11)、近藤正和六段(1)の8名です。ここまでの棋士に降級点の可能性があります。

島本五段は降級点2つで順位も低いので、フリークラス転落の危機です。厳しい戦いが続きます。最終戦は3月5日です。

3.叡王戦

現在、第五期の挑戦者決定三番勝負が行われています。

  • 第一局 〇渡辺三冠-●豊島竜王・名人:2月6日106手
  • 第二局 ●渡辺三冠-〇豊島竜王・名人:2月13日88手
  • 第三局 ●渡辺三冠-〇豊島竜王・名人:2月24日123手

現在の将棋界最高峰の闘いは、2勝1敗で豊島竜王・名人が逆転で挑戦権を掴み取りました。

4.王位戦

第60期王位戦は、挑戦者決定リーグが始まりました。

紅白リーグとも2戦が行われています。

また、紅白リーグのメンバ及び対戦順が決定しました。

紅組

  • 〇豊島将之竜王・名人-●本田奎四段
  • 〇佐々木大地五段-●佐藤秀司七段
  • 〇永瀬拓也二冠-●鈴木大介九段

白組

  • ●羽生善治九段-〇藤井聡太七段
  • 〇稲葉陽八段-●阿部健治郎七段
  • 〇菅井竜也七段-●上村 亘五段

豊島将之竜王・名人は順調な滑り出しを見せました。白組では、藤井七段が、またもや羽生九段に勝ち白星スタートです。

5.王座戦

先月、お知らせした1次予選の残る一枚は、森下卓九段 vs 増田康宏六段の勝者です。

2次予選は、10の切符(予選通過)を5名ないし6名で争う(53名で10枚)ものです。

  • 1 三浦九段、藤井猛九段の決勝進出で三浦九段の勝ちを予想します。
  • 2 木村王位と渡辺大五段の決勝戦を木村王位が制します。
  • 3 順当なら、郷田、森内の両九段の決勝戦で、森内勝ちですかね。
  • 4 稲葉八段と西田四段の決勝で、西田四段の勢いに賭けます。
  • 5 藤井聡七段と大橋六段が勝ち上がり、藤井七段の予選通過と予想します。
  • 6 屋敷九段と丸山九段が決勝を戦い、好調の丸山九段が制するのではないでしょうか。⇒ 丸山九段1回戦突破です。
  • 7  阿久津八段、鈴木九段が勝ち残り、鈴木九段が勝ち抜くと考えます。⇒ 外れです。阿久津八段負けです。鈴木九段は2回戦も突破しました。
  • 8  菅井七段と糸谷八段の争いを菅井七段が制します。
  • 9 橋本八段と近藤誠六段の戦いを近藤六段が制するのではないでしょうか。⇒ 近藤六段1回戦突破です。
  • 10 千田七段と深浦九段が決勝でまみえ、深浦九段が勝ちそうです。⇒ 外れです。千田七段と飯島七段の決勝に決まりました。

6.棋王戦

先月もお伝えしましたが、第45期の棋王挑戦者は、挑戦者決定二番勝負を2勝1敗で制した本田奎五段(同日、タイトル挑戦権獲得時の昇段規定によって、四段⇒五段に昇段)です。

第45期棋王戦は、2020年2月1日に開幕しました。

第一局 〇渡辺明三冠-●本田奎五段
第二局 ●渡辺明三冠-〇本田奎五段

第一局は、渡辺三冠が快勝し3連勝で防衛もあるかと思わせましたが、第二局では、本田五段が見事な指し回しで雪辱し、1勝1敗のタイに戻しました。第三局は3月1日です。

■第46期予選

第46期の棋王戦予選が既に開幕しています。挑戦者決定トーナメントへの8枚の切符を目指し、熱戦が続いています。そして、今期の棋王がわからないうちに、2/29の時 点で何と80名の棋士が予選敗退で姿を消しました。

7.大坂王将杯王将戦

第69期の挑戦者は広瀬章人八段です。

予想は、やはり好調な渡辺三冠の4勝2敗防衛です。

1月の時点で、第一局、第二局と先手の棋士が制し、1勝1敗でした。

  • 第一局 〇渡辺明三冠-●広瀬八段「掛川城 二の丸茶室」103手
  • 第二局 ●渡辺明三冠-〇広瀬八段「山水館」117手

第3局は2月8・9日に栃木県大田原市「ホテル花月」で行われ、先手の渡辺三冠が145手で勝ち、対戦成績を2勝1敗としました。

第4局は2月20・21日に神奈川県足柄下郡箱根町「ホテル花月園」で行われ、先手の広瀬が129手で勝ち、対戦成績を2勝2敗の五分に戻しした。

この結果、七番勝負は3番勝負となりました。第5局は3月5、6日(木、金)、大阪府大阪市「KKRホテル大阪」で行われます。

■第70期一次予選

第70期の大阪王将敗王将戦一次予選が既に開幕しています。

二次予選への切符は10枚です。こちらも熱戦が続いています。そして、今期の王将がわからないうちに、2/28の時 点で47名の棋士が一次予選を敗退しています。

8.ヒューリック杯棋聖戦

第91期棋聖戦の第二次予選が始まっています。8つの予選通過枠を58名の棋士で争います。

シードになった一次予選通過者は2勝で二次予選を通過できます。そうでない棋士は3勝が必要です。

二次予選の予想をしてみました。

  • 1 中村七段と高野四段の決勝を高野四段が制するでしょうか。⇒ 外れました。決勝は中村七段が制し、決勝トーナメントに駒を進めました。
  • 2 好調の本田四段が八代七段を下し、二次予選を通過します。⇒ 外れました。佐藤康九段が決勝進出です。
  • 3 屋敷九段が行方八段を制して本戦にコマを進めます。⇒ 外れました。屋敷九段1回戦敗退です。行方八段が決勝で藤井猛九段を倒し、決勝トーナメントに進出しました。
  • 4 三浦九段が森内九段を制するのではないでしょうか。⇒ 三浦九段は決勝進出しましたが、森内九段は2回戦敗退です。
  • 5 ここは永瀬二冠が近藤六段を制して決勝に行かなければダメでしょう。⇒ 予想的中です。永瀬二冠が近藤六段に勝ち、決勝トーナメント進出です。
  • 6 藤井聡七段が澤田六段を下すと思います。⇒ 予想的中です。藤井七段が決勝トーナメント進出です。
  • 7 谷川九段が船江六段に意地を見せ、予選通過と見ます。⇒ 外れました。糸谷八段、船江六段の決勝で、船江六段が勝利し、決勝トーナメント進出です。
  • 8 羽生九段が順当に山崎八段を制して本戦に進むと見ます。⇒ 外れました。戸部七段と山崎八段の決勝で、山崎八段が予選を突破しました。

2月29日決勝トーナメントが開幕しました。このトーナメントは、4回勝利すれば棋聖戦の挑戦者となることが出来ます。

初戦は、藤井聡太七段-斎藤慎太郎八段戦です。藤井七段は斎藤八段を93手で破りました。準々決勝は行方尚史九段-菅井竜也八段(27)の勝者と対戦します。

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