聖の読み方はいっぱいある!当て字・名付けも含めた内容を一挙公開
漢字の「聖(せい)」には、深い意味と幅広い使われ方があります。
「聖人」「聖書」「聖地」など、宗教的・道徳的な文脈でよく目にするこの漢字ですが、実はそれだけではありません。
音読み・訓読みはもちろん、人名や地名においては、驚くほど多彩な読み方がされているのです。
実際の読み方は本文に任せますが、難読の当て字も多数存在します。
この記事では、まず、基本的な読み方を丁寧に紹介した上で、名付けに使われる読みや珍しい当て字まで、幅広く取り上げていきます。
読み方の多さに驚き、意味の深さに触れることで、「聖」という字の魅力を再発見していただけるはずです。
それでは、どうか、最後まで、ご一緒にご覧ください。
聖の読み方
それでは、聖という漢字の基本情報からご覧ください。
画数 | 13画 |
部首 | 耳 |
音読み | セイ、ショウ |
訓読み | ひじり |
意味 | ①理解力が速くて賢い ②ひじり。賢くて徳の優れた人 ③おかしがたく厳かなさま ④その道で最高に優れた人 ⑤天子のこと ⑥姓の一つ。 |
日本語だけ | ①ひじり。優れた僧 ②キリスト教で功績を認められた人につける言葉 |
部首は「耳」で、「口」でも「王」でもありません。
この漢字は、賢い人を表していますが、耳から入って来る情報を処理する能力が重要であることを示しているのでしょう。
他にも、聡明の「聡」も耳へんの漢字です。
読み方に関しては、音読み「セイ」「ショウ」、訓読み「ひじり」の一つずつです。
意味は6つあります。
それぞれの意味で使われる言葉には、②で「聖賢」「亜聖」、③で「神聖」「聖域」、④で「書聖」「詩聖」、⑤で「今聖」「聖論」があります。
日本語だけの意味で見ると、①で「日蓮聖人(にちれんしょうにん)」「高野聖(こうやひじり)」、②で「聖フランシスコ」ですね。
この②の意は、英語のSaintの音写からです。
※漢字自体は簡単でも読み方の難しい漢字は多々あります。「聖」を含め、それらの漢字をクイズ形式にしてみました。
「聖」の成り立ち
古人は「聖は声なり、通なり」と語源を捉えています。
この漢字は、「声」「聴」と同源で、「まっすぐ通る」というコアイメージがあるのです。
即ち、全てに精進し、理解することが「聖」なのです。
これは、漢字の構成を見るとはっきりします。
「聖」=「壬(まっすぐ)」+「口(こえ・ことば)」+「耳(みみ)」
ここから、「聖」は声(言葉)がまっすぐ耳に通って、物事を素早く捉える状況を示す語となるのです。
そこから賢い人を示すようになったわけです。
名付けで使われる読み方
「聖」は常用漢字ですので、名付けに使えます。
この漢字は、名前に用いることで、清らかさや高潔さ、精神的な深みといった印象を与えます。
そして、誰もが驚くのが、「聖」の持っている名付けの読み方の多さです。
あきら、きよ、きよし、さと、さとし、さとる、たかし、たから、とし、ひじり、まさ
先程、音読み、訓読みで紹介した「せい」「しょう」「ひじり」以外にも、名付けでは、上記のようなバリエーション豊かな読み方があるのです。
これらの読み方を使えば、様々な願いを名前に載せられます。
たとえば、「さとし」という読み方では、「知恵」や「賢さ」を連想させることができますし、「あきら」と読ませれば、「明るさ」「透明感」といったイメージが添えられます。
「きよし」と読む場合は、漢字が本来持つ「清らか」や「尊い」といった意味ともマッチしやすく、仏教的・宗教的な意味合いを重視する家庭にもピッタリです。
具体的な名付けとしての例を見てみましょう。
「聖(ひじり)」という単独の名前からは、古風で格調高い印象が漂いますし、「聖也(せいや)」「聖菜(せな)」「聖斗(まさと)」など、ほかの漢字と組み合わせることで、現代的で親しみやすい響きにも変化します。
男女問わず使いやすく、柔らかくも芯のある印象を与える点が、この漢字の大きな魅力です。
最後に1点だけ注意点を。
これだけの読み方がありますので、「聖」に関して自分流の読み方を作るのは止めましょう。
「聖」(いえす)などというふざけた読み方は、キラキラネームになっちゃうので……。
※漢字一文字での読み方の漢字は、次の記事しかないですね。
⇒ 怯むとは何か?その意味から読み方・類語・例文までまとめて総特集
名前に聖のある有名人
名前に聖のある有名人を一覧にしました。
有名人 | 読み | 職業 |
---|---|---|
網代聖人 | あじろせいと | モデル |
小幡晃聖 | おばたこうせい | 俳優 |
木浪聖也 | きなみせいや | 野球選手(阪神) |
島袋聖南 | しまぶくろせいな | モデル |
藤巻聖夜 | ふじまきいぶ | タレント |
前聖良 | まえせいら | モデル |
松田聖子 | まつだせいこ | 歌手 |
森聖二 | もりせいじ | 俳優 |
「せい」と読ませる有名人が7名、残った一人が「聖夜」を「きいぷ」と読ませてます。
何で「聖夜」が「キープ」になるのかわからんですな。
この中で、一番有名なのは聖子ちゃんでしょう。
まあ、60爺も年なので……。
当て字としての使われ方
最後に「聖」を当て字として用いた例をクイズにしたので、ご覧ください。
さて、次の「聖」を用いた言葉は何と読むのでしょうか?
言葉 | ヒント |
---|---|
白布聖 | 胃液の中にある酵素の一つ |
聖林 | アメリカの映画の都市 |
聖闘士 | 車田正美のコミックの題名にあります |
聖園 | 学校名や地名など、様々な場所で使われる言葉 |
聖代橋 | 日本の名字で、全国におよそ70人 |
いくつ、読めましたか?
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白布聖
「ペプシン」と読みます。
AIに聞いたら、次のように答えてくれましたが、真偽のほどは不明です。
明治時代などに見られた外来語の漢字化の一例。
消化酵素である「ペプシン(pepsin)」を日本語に訳す際に、「白い布」や「清らかさ」を想起させる「白布」と、「聖」を組み合わせて作られたものです。
聖林
「ハリウッド」です。
これは、「ハリウッド(Hollywood)」の訳語で、「Holly」⇒「聖」、「wood」⇒「林」を当てたと思われます。
「wood」が「木」でなく「林」を当てた意味が謎ですが。
聖闘士星矢
「セイント」ですね。
コミック好きの人であれば、パッと読めたのでしゃないでしょうか。
車田正美原作のコミックで、アニメにもなっています。
「聖闘士」は“セイント”の音になり「聖なる戦士」の意!
聖園
「みその」と読みます。
検索すると、学校名が多く表れます。
聖代橋
「きりんどばし」
日本の名字です。
【名字】聖代橋
【読み】せいたいばし,みよはし,せいだいばし,きりんどばし
【全国順位】 37,121位
【全国人数】 およそ70人
参考 聖代橋|名字由来net
読みが、複数あるうちの一つです。
この「きりんどばし」は伝統的な名字だそうですが、難読に当たりますね。
知らなければ、絶対に読めない言葉だと思います。
最後に
「聖」は、音読みで「セイ」「ショウ」、訓読みでは「ひじり」などの基本的な読みがありました。
驚のは、名付けで使える読み方が、「あきら」「さとし」「きよし」など11種類もあり、様々な願いを載せることが出来ました。
さらに、「聖林(ハリウッド)」「白布聖(ペプシン)」のような当て字としても活躍しています。
こんな聖について一挙公開しましたが楽しめましたでしょうか?
参考
上級漢和辞典 漢字源
当て字の辞典
※気づけば「言い方・呼び方・読み方」の記事も増えてきました
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