割分厘毛…数字の単位一覧表!由来・覚え方までガッツリ特集しちゃう
数の単位ですが、前回は大きな世界を紹介しました。今回は、その逆で小さな世界、そう小数点を限りなく増やした世界へ誘います。
0.1,0.001,0.0001…とどんどん小さくなる単位を見ていきましょう。
割、分、厘までは、野球の打率なんかで知っていますが、この下は何でしたっけ?
そこで、この記事では、それ以下の数字の単位を一覧化して含めて調べ尽くそうと考えました。大きな単位と同じように由来・覚え方までガッツリ特集します。
数字を嫌いな方でも、単位の名前には面白そうなものもあるので、雑学としては最高ですよ。
是非、最後までご覧になってください。
小さい単位を伝える
それでは、早々に、割分厘の次をご紹介しましょう。
小さい単位の一覧
小さい単位も、単位の数がすごくたくさんありますよ。
単位 | 読み | 10x |
---|---|---|
分 | ぶ | 10-1 |
厘 | りん | 10-2 |
毛 | もう | 10-3 |
糸 | し | 10-4 |
忽 | こつ | 10-5 |
微 | び | 10-6 |
繊 | せん | 10-7 |
沙 | しゃ | 10-8 |
塵 | じん | 10-9 |
埃 | あい | 10-10 |
渺 | びょう | 10-11 |
漠 | ばく | 10-12 |
模糊 | もこ | 10-13 |
逡巡 | しゅんじゅん | 10-14 |
須臾 | しゅゆ | 10-15 |
瞬息 | しゅんそく | 10-16 |
弾指 | だんし | 10-17 |
刹那 | せつな | 10-18 |
六徳 | りっとく | 10-19 |
虚空 | きょくう(こくう) | 10-20 |
清浄 | せいじょう | 10-21 |
上記単位なんですが、一文字の単位である「分」から「漠」までは、何らかの国語辞典に載っておりました。
1627年(寛永4年)の『塵劫記』では、埃以上のみが紹介されているそうです。
「塵」以下の「埃」・「渺」…「虚空」・「清浄」までの小数の名は「算学啓蒙」(元の朱世傑)に載っています。
さらに、ここに示した単位ですが、書物によって相違があります。
一例は、上記の表の下二つの「虚空」「清浄」を「虚」「空」「清」「浄」と分ける時、「虚」10−20「空」10−21「清」10−22「浄」10−23となります。
上記の表にはありませんが、さらに小さい数として、「阿頼耶」「阿摩羅」「涅槃寂静」という記載がネット上で見受けられます。
ところが、現時点ではそれを裏付ける文献資料は存在しないようです。
※「Wiki 命数法」には、この単位が出典が存在しないものとして載っていませんね。
「10のx乗」とは
大きな数の単位を紹介した記事でも言っておるのですが、上記一覧表にある10xは「10のx乗」と読みます。
今回はxがマイナスですが、これは「xの数だけ0がついた小数」のことを示しています。これだけだと、何のこっちゃとなっちゃいますので、以下に例を出します。
- 厘:10-2 ⇒1の前に0が2 ⇒ 0.01
- 沙:10-8 ⇒1の前に0が8 ⇒ 0.00000001
- 漠:10-12 ⇒1の前に0が12 ⇒ 0.000000000001
例を見ると、上述の意味がよく分かりますよね。小数に入る前の0も含んでいるんですよ!
ですから、清浄は、数字で表わすと1の前に0が21個ついた次の数字のことです。
【清浄】10-21
0.000000000000000000001
桁数名の雑学
桁数名ですが、「漠(10-12)」までは漢字一文字ですが、これより小さくなると漢字二文字に変わります。
単 位 | 読み | 意味 |
---|---|---|
模糊 | もこ | ぼんやりしているさま。はっきりしないさま。 |
逡巡 | しゅんじゅん | 決心がつかなくてぐずぐずとためらうこと。しりごみすること。 |
須臾 | しゅゆ | しばらくの間。すこしのひま。数の単位の一つ。非常に小さい数の単位で、10‐15 にあたる。 |
瞬息 | しゅんそく | わずかの間。瞬間。 |
弾指 | だんし | 〔仏〕 きわめて短い時間。二十瞬に相当する。 |
刹那 | せつな | 仏語。時間の最小単位。一回指を弾く間に六〇あるいは六五の刹那があるとされる。 |
六徳 | りっとく | 知・仁・聖・義・忠・和。または、礼・仁・信・義・勇・知。 |
虚空 | きょくう (こくう) | 仏語。一切のものの存在する場所としての空間。 |
清浄 | せいじょう | 煩悩や悪行が無く、心身が清らかであること。 |
それぞれの単位を見てみると、とても数を表す単位に見えません。
「模糊」は「曖昧模糊」の後ろ二文字で、「ぼんやりしたさま」ですし、「逡巡」も「ぐずぐずとためらうこと。しりごみすること。」です。
後半になってくると仏教用語が入ってきます。こちらは、大きい数の単位で見た「阿僧祇」「那由他」に似ていますよね。
〇割〇分〇厘について
冒頭で述べた内容と、今回の説明について矛盾に気が付いたので、そこの部分を解説します。
冒頭で「割、分、厘までは、野球の打率なんかで知っていますが、この下は何でしたっけ?」って言ってます。しかし、最初にお見せした一覧には「割」が入っていません。
野球だと打率3割2分4厘などといいますが、これだと「割」が「0.1(10-1)」、「分」が「0.01(10-2)」、「厘」が「0.001(10-3)」だと取られてしまいます。
上記の一覧で示した値とずれていますよね!
今までずっとそう思ってました!
この「3割2分4厘」って「3割」+「0.2割=2分」+「0.04割=4厘」ってことなんですよ。
即ち、「割」というのは歩合の単位なんです。
「分」は、この「割」の1/10(10-1)を表す単位なんです。ですから、それに準じて、「厘」は、この「割」の1/100(10-2)を表すわけですね。
ここから、上記の打率「3割2分4厘」は次のようになります。
「割」はそもそも1/10を表しますので、「3割2分4厘」は「0.324」となります。
この場合の「分」は「1/10である割の1/10」、「厘」は「1/10である割の1/100」という意味になります。
次のように覚えておきましょう!
■割:歩合の単位。10分の1の率
■分:基本単位の10分の1
■厘:基本単位の100分の1
九分九厘(くぶくりん)という言葉を聞いたことがあると思いますが、以上のように、九分九厘とは「0.99」のことであり、「ほとんど完全に近いこと」を表す言葉なんです。
上記のように、誤解していると九分九厘=0.099となってしまい、全然完全ではなくなってしまいます。
小さな数の単位の覚え方
さて、大きい数の単位の時にも触れましたが、小さな数の単位の覚え方についてみていきましょう。
小さな数の単位も味気ない言葉が並んでいますので、「分厘毛糸…」とやりながら覚えてもいいですが、なかなか覚えられないですよね。
そこで、こちらの場合も、大きい数の単位でやったように、歌やリズムにのせて覚えていくのが一番かなと。
大きな数の単位程数はありませんでしたが、こんなのがありました。
- 【算数】♪小さい数の単位のうた「♪いち、ぶ、りん、もう、し、こつ、び〜ねはんじゃくじょう」
- 一より小さい数
- 小数の桁を一分から一涅槃寂静までゆっくり歌わせてみた
まずは、こちらから聞いてください。見てください。
「うさぎとかめ」の替え歌ですね。
短くて簡単です。
太鼓の音と共に、単位を謳ってくれます。覚えやすいぞ!掛け声と2回やってくれるのもいいね!
最後はこれです。
うーむ、自分で挙げといてあれだけど、リズムで覚えるものではないですね。
覚えにくいかも。
最後に
割分厘…の続きは何だっけから始まって、小さな数字の単位一覧表を突っ込んで調べてみました。
10のマイナス21乗まで、それぞれ個性的な名称が付いていましたね。10のマイナス13乗からは、一文字から二文字の漢字となり、大きな数と同様、仏教に由来する名称も登場しました。
割分厘についても考え方が間違ってたことに気づかされて勉強になりましたねエ~!
大きな数と同様、この単位を覚えるにはどうしたらいいかと探して、歌を使って覚える方法も紹介しました。
※冒頭で「数の単位ですが、前回は大きな世界を紹介しました。」と述べましたが、無量大数(1068)なぞという、とんでもない数の解説をしています。次の記事をご覧ください。
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