「女」の漢字は突き抜ける?正しい書き方とフォントの違い

「女」という漢字を書くとき、2画目の「ノ」の部分を、3画目の横画より上に突き出すのか、それとも突き出さないのか、迷ったことはありませんか。

60爺は突き出さない形を見慣れていたため、突き出す形を見たときに、どちらが正しいのだろうと気になりました。

実際には、「女」は突き抜ける形でも突き抜けない形でも誤りではありません。

ただし、現在の小学校では、2画目を3画目の横画より少し上に出す形が使われています。

また、パソコンやスマートフォンでは、同じ「女」でもフォントによって字形が異なります。

この記事では、文化庁の指針をもとに、「女」の正しい書き方や学校で習う形、フォントによる違いについて分かりやすく解説します。

「女」の漢字は突き抜ける?突き抜けない?

「女」の漢字は、2画目が3画目の横画より上に突き抜ける形でも、突き抜けない形でも誤りではありません。
ここで「突き抜ける」といわれるのは、3画目の横画ではなく、右上から左下へ払う2画目の「ノ」の部分です。

突き抜ける女、突き抜けない女

二つの形を比べると、次のような違いがあります。

字形2画目と3画目の関係正誤
突き抜ける形2画目が3画目より少し上に出る誤りではない
突き抜けない形2画目が3画目より上に出ない誤りではない

この違いによって、別の漢字になったり、「女」と読めなくなったりすることはありません。
そのため、突き抜ける形と突き抜けない形の一方だけを、正しい書き方と考える必要はありません。

文化庁ではどちらも正しいとしている

文化庁の「常用漢字表の字体・字形に関する指針」では、「女」の2画目と3画目の接し方について、次のように説明しています。

どちらで書いても誤りではありません。

ここでいう「どちら」とは、2画目が3画目の横画より上に出る形と、上に出ない形のことです。

女の「一」と「ノ」の接し方

さらに文化庁は、2画目と3画目がわずかに接していない形についても、誤りであるとはいえないとしています。

それぞれの違いによって、ほかの漢字に見えたり、文字として読み取れなくなったりするわけではありません。
そのため、「女」の2画目がどこまで出るか、3画目とどのように接するかは、漢字の正誤を決める基準にはならないという考え方です。

ただし、現在の小学校で示される形や、女偏として使う場合の書き方については、少し事情が異なります。
これらは、後の章で詳しく見ていきます。

参考資料:文化庁「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」Q43

学校では突き抜ける形と突き抜けない形のどちらを習う?

現在の小学校では、「女」の2画目の「ノ」を、3画目の横画より少し上に出す形を習います。
文化庁の資料によると、現在の小学校の国語教科書には、すべて突き抜ける形が示されています。

昔の教科書には両方の形があった

文化庁は、小学校の国語教科書に使われた教科書体を、戦後すぐまでさかのぼって調べています。

その結果、昭和50年代半ば頃までは、2画目が突き抜ける形と突き抜けない形の両方が使われていたことが確認されています。

昭和20年~50年代までの女の図形
昭和20年代から昭和50年代までの教科書に見られる「女」の字形。突き抜ける形と突き抜けない形の両方が使われていました。

現在の小学校では突き抜ける形に統一されていますが、以前は教科書によって字形が異なっていました。

この変化が、「突き抜けると習った人」と「突き抜けないと習った人」がいる理由です。

親子や世代によって覚えている形が違っていても、どちらかの記憶が間違っているわけではありません。

学校や漢字テストではどう書く?

文化庁の指針では、突き抜ける形と突き抜けない形のどちらも誤りではないとされています。

本来は、2画目が3画目より上に出ているかどうかだけで、漢字の正誤を判断するものではありません。

ただし、現在の教科書に示されているのは、2画目を少し上に出す形です。

学校の漢字練習やテストでは、教科書に合わせて、突き抜ける形で書くのが分かりやすいでしょう。

フォントによって「女」の形はどう変わる?

パソコンやスマートフォンで表示される「女」は、使用するフォントによって、2画目が突き抜ける形になったり、突き抜けない形になったりします。

一般に、明朝体やゴシック体などの印刷文字では、2画目が3画目の横画より上に出ない形が多く見られます。

一方、手書き文字を意識して作られた教科書体や楷書体では、2画目が少し上に出る形が多く使われています。

実際に、Windows 11でいくつかのフォントを使って「女」を表示し、形の違いを比較しました。

フォントによる女の字形の違い

上記の図の赤枠には「突き抜けない」女、緑枠には「突き抜ける」女をフォント名と共に表示しました。

確認した結果は、次の表にまとめます。

フォントの種類「女」に見られる一般的な傾向
明朝体突き抜けない形が多い
ゴシック体突き抜けない形が多い
教科書体突き抜ける形が多い
楷書体突き抜ける形が多い

ただし、明朝体なら必ず突き抜けない、教科書体なら必ず突き抜けると決まっているわけではありません。

同じ種類の書体でも、フォントの設計によって細かな字形が異なります。

また、表示に使うOSやアプリ、フォントのバージョンによっても、見え方が変わることがあります。

そのため、特定の形を使いたい場合は、実際に「女」を入力して、2画目と3画目の接し方を確認する必要があります。

このような違いは、どちらかのフォントが誤っているために生じるものではありません。

印刷文字と手書き文字をもとにしたフォントでは、それぞれ異なる字形が採用されているためです。

フォントによって同じ漢字の形が変わる例は、「女」だけではありません。

草冠も、フォントによって中央がつながる形と離れる形で表示されることがあります。詳しくは「草冠が離れている漢字の出し方」で紹介しています。

突き抜ける「女」をパソコンで出す方法

突き抜ける形の「女」は、「おんな」と入力して変換候補から探しても出てきません。

突き抜ける形と突き抜けない形は別の漢字ではなく、同じ「女」の字形の違いだからです。

パソコンで突き抜ける形を表示するには、通常の「女」を入力したあと、突き抜ける字形を採用しているフォントに変更します。

LibreOffice Writerでフォントを変更する

無料で利用できるLibreOffice Writerで、フォント変更の手順をお見せます。

「女」入力
「おんな」と入力し、「女」に変換します。
女入力
「女」選択
入力した「女」を選択します。
「女」選択
フォント選択
切り替えるフォントを選択します。
今回は、UDデジタル教科書体Nを選びました。
フォント選択
突き抜けた「女」表示
「ノ」が横棒から突き抜けた「女」が表示されました。
突き抜けた「女」表示

教科書体や楷書体には突き抜ける形が多く見られますが、同じ種類の書体でも字形が異なる場合があります。

コピーしても形が保たれるとは限らない

突き抜ける「女」をコピーしても、貼り付け先で突き抜けない形に変わることがあります。

コピーされるのは「女」という文字の情報であり、見た目の形そのものではないためです。

貼り付け先で別のフォントが指定されると、そのフォントが採用している字形で表示されます。

LibreOffice Writerで突き抜ける形にした「女」を、メールやウェブサイトへ貼り付けた場合も、相手の環境では異なる形に見える可能性があります。

なお、「邦」のように、フォントの変更だけでなく異体字セレクタによって別の字形を表示できる漢字もあります。詳しくは「邦の突き抜けない字の出し方」をご覧ください。

突き抜ける形をそのまま見せる方法

突き抜ける形を確実に相手へ見せたい場合は、文字を画像にする方法が確実です。

画像であれば、閲覧する端末やフォントの違いによって字形が変わりません。

文書として渡す場合は、LibreOffice Writerで作成した文書をPDF形式で保存する方法もあります。

PDFに変換したあと、突き抜ける形が正しく表示されているかを確認してください。

このように、突き抜ける「女」を表示するための専用の変換候補や文字コードがあるわけではありません。

通常の「女」を入力し、目的の字形を表示できるフォントに変更するのが基本的な方法です。

女偏も突き抜けてよい?

「好」「姉」「妹」などに使われる女偏も、2画目の「ノ」が3画目より上に突き抜けても、突き抜けなくても誤りではありません。

文化庁の「常用漢字表の字体・字形に関する指針」でも、単独の「女」と同じように考えられると説明されています。

したがって、女偏だから2画目を突き抜けてはいけないという決まりはありません。

「好」「姉」「妹」なども、突き抜ける形と突き抜けない形のどちらで書いても問題ありません。

まとめ

「女」の2画目の「ノ」は、3画目の横画より上に突き抜けても、突き抜けなくても誤りではありません。

文化庁も、どちらの形で書いてよいとしています。

現在の小学校では突き抜ける形を習いますが、以前の教科書には両方の形が使われていました。

世代によって正しいと思う形が異なるのは、このためです。

また、パソコンでは、同じ「女」でもフォントによって形が変わります。

突き抜ける形を表示したい場合は、教科書体や楷書体など、目的の字形を採用しているフォントを選びましょう。

女偏についても同様に、2画目が突き抜けるかどうかだけで誤りにはなりません。

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺