しめすへんに豊は「禮」!読み方・意味と「礼」との違い
「しめすへんに豊」と書く漢字を探している方は多いようです。
一見すると難しい漢字ですが、これは「禮」と書き、現在使われている「礼」の旧字体に当たります。
「禮」のUnicodeはU+79AE、「礼」のUnicodeはU+793Cで、それぞれ別の文字として登録されています。
「禮」の読み方は「レイ」「ライ」で、儀式や作法、相手を敬う行為などを表す漢字です。
「ネに豊」「ネ豊」「ころもへんに豊」などの言葉で検索されることもありますが、部首は衣部ではなく、神や祭りに関係する示部です。
この記事では、「しめすへんに豊」と書く「禮」の読み方と意味、「礼」との違い、漢字の成り立ちなどを詳しく解説します。
しめすへんに豊の漢字「禮」の読み方と意味
「しめすへんに豊」と書く漢字は「禮」です。
「禮」は、現在一般に使われている「礼」の旧字体で、読み方や意味は「礼」と共通しています。
まずは、「禮」の基本情報を見ていきましょう。
禮
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 示部 |
| 画数 | 18画 |
| 音読み | レイ・ライ |
| 訓読み | あや・いや |
| 意味 | 儀式、作法、社会生活上の慣習、相手を敬う行為、挨拶、贈り物など |
| 漢字の種類 | 「礼」の旧字体・人名用漢字 |
| Unicode | U+79AE |
「禮」は、礼儀や儀式だけでなく、挨拶や贈り物など、敬意を形にして表す行為に広く使われる漢字です。
「禮」の読み方
「禮」の音読みは「レイ」「ライ」です。
「礼儀(れいぎ)」「婚礼(こんれい)」「謝礼(しゃれい)」では「レイ」、「礼拝(らいはい)」では「ライ」と読みます。
「漢字源」では、訓読みとして「あや」「いや」が掲げられています。
「あや」は形よく整えられた作法、「いや」は礼儀正しく敬うことに関係する読みです。
また、日本語独自の読みや用法として「うや」「れい・する」も挙げられています。
ただし、現在の日本語では「禮」を単独で訓読みすることはほとんどなく、一般には「レイ」または「ライ」と読みます。
「禮」の意味
「禮」には、形よく整えられた作法や儀式という意味があります。
祭礼や婚礼のように、一定の形式に従って行われる儀式を表すのが、この漢字の基本的な意味です。
そこから、社会生活を送るうえで守るべき慣習や行動の決まりも表すようになりました。
「礼儀」「礼節」などで使われる「礼」が、この意味に当たります。
また、相手を敬って丁寧に応対すること、挨拶やお辞儀をすることも「禮」が表す意味です。
「礼をする」「礼を尽くす」などの表現に、その意味が残っています。
さらに、感謝や敬意を示すために贈る金品も「礼」といいます。
「謝礼」や「お礼」は、この意味から生まれた言葉です。
古代中国の作法や制度を記した書物を指すこともあり、『周礼』『儀礼』『礼記』は、合わせて「三礼」と呼ばれます。
このほか、「禮」は姓の一つとしても使われます。
「禮」の書き順
「禮」の画数は18画です。

左側の「示」を先に書き、続いて右側の「豊」を書きます。
「示」は上から下へ、「豊」は上部を書いてから、下部の「豆」へ進むのが基本です。
右側の「豊」は画数が多いため、横画の本数や書く順番を間違えないようにしましょう。
なお、「禮」は「礼」の旧字体ですが、二つの漢字では画数が大きく異なります。
新字体の「礼」が5画であるのに対し、旧字体の「禮」は18画です。
また、フォントによって左側が「示」の形や「ネ」に近い形で表示されることがありますが、「禮」の一般的な書き順では、左側の「示」から書き始めます。
「礼(禮)」の由来と漢字の成り立ち
「禮」は、「示」と音を表す「豊」を組み合わせた形声文字です。
左側の「示」は、神を祭るための祭壇を表しています。
右側の「豊」は、現在「豊富」の意味で使われる「豊」と同じ形ですが、「禮」の中では「レイ」という音を表します。
「漢字源」では、「豊」は脚の高い器である豆の上に、供え物を形よく盛りつけた姿を表すと説明しています。
その形態から、「形よく整う」というイメージを示す記号にもなりました。
「示」と「豊」を組み合わせた「禮」は、供え物や作法を形よく整えて行う祭りの儀式を表した漢字です。
「豊」の由来については、別の解釈もあります。
「旧字源」では、「豊(レイ)」を「あまざけ」と解釈しています。
神にあまざけを供えて祈る儀式を表したのが「禮」であり、そこから儀式や礼儀、相手を敬うという意味が生まれたとする説です。
「漢字源」は「豊」を形よく整えた供え物と捉え、「旧字源」は神に供えるあまざけと捉えています。
「豊」の具体的な解釈は異なりますが、神への供え物を整えて行う儀式から「禮」の意味が生まれたとする点は共通しています。
「禮」はもともと、神を祭るために形よく整えられた儀式を表す漢字でした。
そこから、儀式の手順、社会生活上の作法、相手を敬う態度などへ意味が広がりました。
新字体「礼」はどのようにできた?
「礼」は、旧字体「禮」を簡略化して作られた新字体です。
「禮」と「礼」を比べると、左側だけでなく右側も大きく簡略化されています。
「禮」の左側にある「示」は「礻」に、右側の「豊」は「乚」に変わりました。
したがって、「示をネの形に変えただけで礼になった」というわけではありません。
ただし、「礼」のような簡略な字形が近代になって突然作られたわけではありません。
中国漢和辞典の原典の一つである「説文解字」には、「禮」の古文として、現在の「礼」に通じる簡略な字形が掲載されています。
「礼」に似た字形は古くから存在し、後世にも「禮」の略字や俗字として使われてきました。
日本では、戦後の字体整理によって、画数の多い「禮」に代わり、簡略な「礼」が標準的な字体として採用されました。
現在、「礼」は常用漢字として一般に使われ、「禮」はその旧字体として扱われています。
「禮」が18画であるのに対し、「礼」は5画となり、13画も少なくなりました。
なお、「禮」と「礼」は同じ読み方と意味を持ちますが、コンピューター上では別の文字として登録されています。
旧字体「禮」のUnicodeはU+79AE、新字体「礼」のUnicodeはU+793Cです。
そのため、「禮」を入力したあとにフォントを変えても、文字そのものが「礼」に置き換わるわけではありません。
字形と文字コードは分けて考える必要があります。
「禮」とネ豊の違い
「禮」とネ豊は、どちらも「レイ」と読み、「礼」に関係する字体ですが、字の形が異なります。
旧字体の「禮」は、左側を「示」、右側を「豊」と書きます。
UnicodeはU+79AEで、パソコンでは「れい」と入力して変換できます。
一方、ネ豊は「禮」の左側にある「示」を、カタカナの「ネ」に似た「礻」の形で書いた字体です。

右側には旧字体の「豊」が残っているため、新字体の「礼」と旧字体の「禮」の中間のような形をしています。
それぞれの違いを整理すると、次のようになります。
| 字体 | 左側 | 右側 | 位置付け |
|---|---|---|---|
| 礼 | 礻 | 乚 | 現在一般に使われる新字体 |
| 禮 | 示 | 豊 | 「礼」の旧字体 |
| ネ豊 | 礻 | 豊 | 「禮」の示を崩した字体 |
「禮」にはUnicodeがありますが、ネ豊には専用のJISコードやUnicodeがありません。
そのため、ネ豊を通常の文字変換やUnicode変換によって、独立した漢字として入力することはできません。
ただし、「禮」を入力したあとに使用するフォントを変更すると、左側がネに近い形で表示される場合があります。
つまり、ネ豊専用の文字を入力するのではなく、「禮」という文字を目的の字形で表示していることになります。
ネ豊をパソコンで表示する方法や、スマホ・テプラで出せるかについては、次の記事で詳しく検証しています。
ネ豊の出し方は?パソコンでは可能だがスマホ・テプラでは出せません
しめすへんところもへんの違い
「禮」は、「ころもへんに豊」と検索されることもありますが、左側はころもへんではありません。
「禮」は神や祭りに関係する「示」を構成要素に持つ漢字です。
しめすへんの「礻」と、ころもへんの「衤」はよく似ています。
どちらもカタカナの「ネ」に近い形ですが、ころもへんには右側へ向かう点が一つ多くあります。
| 部首 | 字体 | 画数 | 表すもの |
|---|---|---|---|
| しめすへん | 礻 | 4画 | 神、祭り、祈り、儀式など |
| ころもへん | 衤 | 5画 | 衣服、布、装いなど |
しめすへんは「示」が偏になった形です。
「神」「社」「祈」「祝」など、神や祭りに関係する漢字に使われています。
ころもへんは「衣」が偏になった形です。
「袖」「被」「補」「裸」など、衣服や身に着けるものに関係する漢字に使われています。
旧字体の「禮」は、左側を省略せず「示」の形で書きます。
これを手書きで崩したり、特定のフォントで表示したりすると、左側が「礻」となり、ネ豊と呼ばれる形になります。
したがって、「しめすへんに豊」という呼び方から探される漢字は「禮」ですが、「ころもへんに豊」と書く漢字ではありません。
ネ豊の左側も、衣服に関係するころもへんではなく、神や祭りに関係する「しめすへん」です。
「禮」は名前に使える?
旧字体の「禮」は人名用漢字であるため、子供の名前に使えます。
現在一般に使われる「礼」は常用漢字ですが、その旧字体である「禮」も名付けに使用できる文字として認められています。
「禮」は、儀式や作法、相手を敬う態度を表す漢字です。
礼儀正しさや、人を大切にする姿勢を連想できるため、名前にも前向きな意味を込められます。
「禮」は18画あり、新字体の「礼」よりも複雑です。
書類やパソコンなどでは「礼」に置き換えられたり、使用するフォントによって左側の形が変わったりすることがあります。
名前に使用する場合は、「礼」と「禮」のどちらで届け出るかを明確にしておきましょう。
なお、名前に使えるのは「礼」または「禮」であり、上述した左側をネの形にしたネ豊ではありません。
ネ豊は独立したJIS漢字やUnicodeを持たず、人名用漢字表に掲げられた字体でもないため、子供の名前に新たに届け出る文字としては使用できません。
「禮子」の読み方
「禮子」は、一般に「れいこ」と読みます。
新字体で書けば「礼子」です。
「禮子」の「禮」をパソコン・スマホで入力する場合は、「れい」と入力して旧字体の「禮」に変換し、その後に「子」を入力します。
ただし、左側がネの形になるか「示」の形になるかは、使用するフォントによって異なります。
「禮」と「礼」は読み方と意味を共通にしていますが、文字コードは異なります。
氏名を入力するときは、見た目だけでなく、「禮」と「礼」のどちらの文字が使われているかを確認しましょう。
まとめ
しめすへんに豊と書く漢字は「禮」です。
音読みは「レイ」「ライ」で、現在一般に使われている「礼」の旧字体に当たります。
「禮」は、「示」と音を表す「豊」を組み合わせた形声文字です。
もともとは神への供え物や作法を形よく整えて行う儀式を表し、そこから社会生活上の作法、礼儀、相手を敬う態度、挨拶、贈り物などへ意味が広がりました。
旧字体の「禮」は左側を「示」、右側を「豊」と書きます。
また、「禮」は人名用漢字なので、名前に使えます。
「禮子」は一般に「れいこ」と読みますが、パソコンや印刷物では字体が正しく表示されないこともあるため、「礼」「禮」の違いを確認して使用しましょう。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
旧字源 旧漢字でわかる漢字の成り立ち(瀬谷出版)
※「その他の漢字」も大所帯になってきました








60爺



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