邊の点一つの漢字!パソコン等の機器で出せるかチャレンジした
邊という漢字、ちょっと難しいんですが、名字(渡邊:わたなべ)で見かけることがあります。
この邊という漢字の部首は「しんにょう」ですが、点が二つなんです。

部首「しんにょう」は、いろいろあって、点一つと点二つが混在してます
この漢字、本文にあるように、「辺」の旧字なんですが、「辺」は点一つの「しんにょう」なんです。
さて、この邊ですが、点一つの漢字をパソコン等で出せるのでしょうか。
本記事では、「辺」の旧字である「邊」について、点一つの漢字を出せるのか、パソコン・スマホ・テプラそれぞれでチャレンジしてみました。
その結果をシェアしますので、どうか、ご一緒に、最後までお付き合いください。
漢字「邊」について
まず、漢字「邊」の読み方や全体像をチェックしましょう。
| 画数 | 19画 |
| 音読み | ヘン |
| 訓読み | はし、は・て、へり、ふち、へ、ほとり 日本語音訓:ヘン、あたり、べ |
| 意味 | ①はし。は・て。行きついた所 ②国のはて。国境に近い地。辺境 ③はしを接する。境と境とが接する ④へり。ふち。へ ⑤ほとり。近くの所。そば。あたり ⑥数学で多角形の外側の線 ⑦・・・のほう。 ⑧姓の一つ |
| 意味(日本語のみ) | 数学の等式で、等号の左右にある式 |
この内容は、標準字体である「辺」と同じで、「邊」は「辺」の旧字です。
この漢字のコアイメージは「中心から外側に張り出る」というモノです。
初義は、「ある地域や範囲の周辺部(端・果て)」を示します。
邊は、「臱(両側に張り出る)」+「辵(進む)」で構成されます。
そして、臱は、「自(鼻の形)」+「丙(左右にピンと張り出す)」+「方(両側に外側に張り出す)」で構成されることで、「中心から両側に張り出る」ことを示すのです。
ここに、「辵」が付加されることで、邊は、中心の地域や範囲から四方(左右・上下)に進んで行って、行き尽くした末端を暗示させるのです。
なお、標準字体の「辺」は近世中国の「边(Unicode:8FB9)」を少し変えた日本の略字です。
※点一つの漢字については「辻󠄀」「樋」で記事をアップしています。
⇒ 辻は点一つでも間違いじゃない!その理由から出し方まで大特集
⇒ 樋の点一つの漢字は出せる?パソコン・スマホ・テプラで試してみた
邊の点一つの漢字の出し方(パソコン)
さて、ここからは、この「邊」の「しんにょう」の点一つの漢字が出せるのか、パソコン・スマホ及びテプラで追いかけていきましょう。
始めはパソコンから見ていきます。
早々ですが、結論から述べますね。
フォントを変えない限り出すことは出来ません!
「邊」の字形は、2点しんにょうが正式であるため、フォントを変えない限り点一つの「邊」は出せません。
このため、たとえば、「樋」の点一つの漢字を出す、「文字変換」、「IME パッドから異体字を挿入」、『別サイトでコピーした「樋󠄀」を貼り付ける』という方法では、「邊」の点一つの漢字は出せないのです。
それではどうするか、その答えは、フォントを変えて、見た目、「邊」の点一つの漢字を表示するのです。
さっそく見ていただきましょう。
以下に示す「邊」は、Libre Office Writerで実施した内容です。
「邊」のUnicodeは「908A」ですので、これで「邊」を出しました!




上記のように、同じ「邊」を出しても、フォント「Note Serif JP」では点二つの「邊」が、フォント「HG正楷書体-PRO」では、点一つの「邊」が表示されます。
ほとんどのフォントでは、点二つの「邊」が表示されますが、上記のフォントの他に「AR P祥南真筆行書体M」でも、点一つの「邊」が表示されました。
また、上記「HG正楷書体-PRO」で表示した上記の点一つの「邊」を、ここ(游ゴシック)にコピーしても「邊」となってしまいます。
なお、しんにょうの点が一つか二つかについては、どちらでも良いと、お上(文化庁)が述べていますよ。
常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について p109
いっぱい文言があって、読むのが大変ですが、手書きにおいては、全ての漢字を「一点しんにょう」で書いても、「二点しんにょう」で書いても間違いではないということです。
また、下記のような「しんにょうの形」についても、どちらでも問題はないと述べています。




※こちらは、線が一本足りない漢字との違いを追求しました。
⇒ 「達」は一本少ない漢字が正しい?間違いやすい表記の正体を総特集
邊の点一つの漢字の出し方(スマホ)
次に、スマホで邊の点一つの漢字の出し方を見ていきます。
こちらも、結論から述べますね。
スマホで、邊の点一つの漢字を出すことはできない!
どうやら、スマホには「邊」の点一つの文字が用意されていないと思われます。
ちなみに、60爺のスマホは、オウガジャパン(oppo)のA3 5Gです。
※コピー&貼り付け及び単語登録の詳細な手順については、次の記事を参照してください。
邊の点一つの漢字の出し方(テプラ)
今度は、テプラで邊の点一つの漢字の出し方を見ていきます。
結論は次の通りです。
テプラで、邊の点一つの漢字を出すことはできない!
60爺の所持する「TEPRA PRO SR300」では、「わたなべ」の文字変換で「渡邊」が表示されますが、「邊」は点二つです。
そこで、取扱説明書で「邊(点二つ)」を検索しました。




ご覧のように、テプラでは「邊」は点二つの漢字しか用意されていません。
どうしても、「邊」の点一つの漢字を出したい場合は、パソコンと接続できる機器を使うしかなさそうです。
辺の異体字について
さて、辺の旧字「邊」について、点一つの漢字を出せるか見てきましたが、ここでは、辺の異体字について確認します。
漢字源では、次の異体字がありました。
邉
この異体字のUnicodeは「9089」です。
この漢字の点一つの漢字表示も、旧字「邊」と全く同じで、フォントを変えてやるしかありません。




ご覧のように、点一つの「邉」を表示できます。
最後に
「邊」の点一つの漢字について見てきました。
最初に、「邊」の基本情報、成立ちを見てきましたが、この漢字の基本は二点しんにょうでした。
その後、それぞれの機器で、点一つの「邊」を出せるか見てきましたが、パソコンのみ何とか表示できましたが、スマホ、テプラでは不可能でした。
漢字は山ほどあるので、全てに対応するのは難しいんだなと思いました。
参考
上級漢和辞典 漢字源 学研
※思えば「打ち方・出し方」の記事も増えてきました














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