銀閣寺はなぜ銀じゃないのか?その理由と銀箔使用時の費用を計算した

2022年11月30日

前回の記事では、銀閣寺は正式名称ではなく、東山慈照寺の別名だったことを報告しました。

今回は、前回の記事でも触れましたが、何故、銀閣と呼ばれるのに銀箔が貼っていないのかを、もう一度見てみたいと思います。

そもそも、銀閣と呼ばれたのは建設当時ではなく、ずっと時代が下った後だということもわかっていますので、その辺りからも事情が推測出来ればいいなと思います。

ついでに、銀箔で覆った場合の費用がどのくらいなのかも勝手に計算しちゃいますよ。

是非、お立ち寄りになってくださいね。

スポンサーリンク

銀閣寺はなぜ銀じゃないのか

銀閣は、金閣を見習って建てたのに、何故、質素なたたずまいなのでしょうか?「銀閣寺はなぜ銀じゃないのか」の理由は何なのでしょうか?

銀閣寺はなぜ銀じゃないのか

諸説あってはっきりしない!

ええええー-っ!ここまで引っ張って答えはそれなのかい。

60爺

でも事実なので仕方ないでしょう。

では、その諸説とやらを見ていただきましょう。

  1. 当初は名前のとおり銀箔を貼る予定だったが、幕府の財政事情のためにできなかった
  2. 銀箔を貼る予定であったが、その前に義政が他界してしまった
  3. 外壁の漆が日光の加減で銀色に輝いて見えたから
  4. 当初は銀で覆われていたが、剥がれ落ちてしまった
  5. 銀閣と呼ばれたのは江戸時代からであり、最初から貼る気がなかった

なお、この部分は次の記事にも掲載していますよ。

これらの説をちょっと解説しましょう。

幕府の財政事情でできなかった

銀閣を建てたのは、足利幕府5代将軍の足利義政でした。彼は、偉大な祖父である足利義満に倣って、即ち、義満の建築した金閣を模して銀閣を建てたようです。

そして、この銀閣を作り上げることで、政界に返り咲こうとしていたのではないかとの説があるんですよ。

しかし、義満の時代(足利幕府最盛期)のような力は幕府にはなく、応仁の乱等の内乱により幕府は深刻な財政難に陥っていました。

ですから、銀箔を貼るような余力が幕府にはなく諦めたのではないかというのです。

義政が他界してしまった

義政は、文明14年(1482年)から、銀閣と呼ばれるようになる東山山荘(東山殿)の造営を始めました。

そして、ここには、会所、常御所、釣秋亭、竜背橋、泉殿、西指庵、漱せん亭、超然亭などの大規模な建物が建ったんです。

しかし、義政は、工事の終わる1年前頃に死去してしまうんです。

こうなると、先程述べた財政難説も相まって、銀閣寺建設に回すお金もないし、当人(義政)もいないし、銀箔なんか貼らなくてもいいんじゃないのってことになったというお話です。

外壁の漆が日光の加減で銀色に輝いて見えたから

もともと銀箔なんか貼るつもりはなく、表記の理由で銀色に輝いたのだよという説でございます。

何とか理由をこじつけなきゃならんので、そうだ!光の反射で、ここに立てば銀に見えるぞってことにしたんですね!

当初は銀で覆われていたが、剥がれ落ちてしまった

貼ってたんだけど、経年のため、剝がれちゃったんだよという説です。

うーん、この説は、言われてみるとなんとなく納得しそうですよね。

しかし、この説は、現在、キッパリと否定されています!

2007年(平成19年)1月5日に行われた科学的調査により、創建当時から銀箔が貼られていなかったことが明らかになったんです。

最初から貼る気がなかった

金閣になぞらえて、慈照寺観音殿が銀閣と呼ばれるようになったのは江戸時代以降のことだそうです。万治元年(1658年)に刊行された『洛陽名所集』などの文献に「銀閣寺」の名前が見られます。

ということは、元々、銀箔を貼る予定などなかったという説です。

十分ありそうではないですか?

銀箔使用時の費用を計算

さて、理由を5つほど解説しました。まあ、一つは完全に否定されてますけどね。

この章では、銀閣を銀箔で覆った場合の費用がどのくらいなのかを勝手に計算しちゃいますよ。

ただ、なんも基準がないと計算しようがないので、金閣寺を例にとってやってみましょう。

金閣寺の建設にかかった費用のうち、金箔部分は金が20kgかかったそうなのです!

1955年に再建された金閣寺は、その後1980年代のバブル期に改修されました。この時代には潤沢な資金があったことから、壁面に20kgという膨大な金箔を貼って仕上げることができたのです。
その後の改修では、金箔を0.5マイクロメートルという厚さにし、二重に貼りつけて強度を出したといいます。直近の改修でも、0.5マイクロメートルという厚さの金箔が採用されました。

引用 金箔はなぜ人気の金閣寺に貼られたのか!費用について

本日現在1g、金8,484円、銀97円です。

銀閣にも同様の重さの銀が使われたとして計算すると以下のようになりますな!

金閣、銀閣寺にかかった費用は

金閣 169,680,000円
銀閣  1,940,000円

金閣は1億越えの1億6968万円もかかります。銀閣は、2ケタ落ちの194万円。金閣に比べると、「ウ-ン、リーズナブル!」といえましょうが、そこそこの金額ですね。

ただ、金閣ほどビックリする金額でもない?でしょうか。

最後に

銀閣寺はなぜ銀じゃないのかを追ってきました。

銀閣寺に銀箔が貼られなかった理由は諸説あってはっきりしませんが、やはり、足利幕府の財政が相当ひっ迫していたんじゃないでしょうか?

戦国時代へ向かうかと記でもありましたし、その後の足利幕府の弱体化を見ているとそう感じますね。

また、説の最後に述べた銀箔なんか貼る予定はないのに、後から銀閣とか呼ばれて、一生懸命銀箔が貼られなかった理由を探しているのはバカみたいだな説も有力ではないでしょうか?

最後に銀箔を貼った時の費用を計算してみました。金閣でかかった費用を基にしてみましたが、思ったほどの費用ではなかったです!

スポンサーリンク
この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

雑談の部屋

Posted by 60爺