鹿肉の別名を何という?「もみじ」と呼ばれる理由を歴史や文化から解説
鹿肉の別名は「もみじ」です。
現在でも「もみじ鍋」という料理名が残っているため、聞いたことがある人もいるでしょう。
ただ、なぜ鹿肉を「もみじ」と呼ぶのかまでは、意外と知られていません。
実は、この呼び名には、古典文学、花札、江戸時代の隠語文化など、日本独特の歴史や文化が関係していると考えられています。
この記事では、鹿肉が「もみじ」と呼ばれる理由について、文化的な背景も含めてわかりやすく解説します。
鹿肉の別名は「もみじ」
鹿肉の別名は「もみじ」です。
特に、「もみじ鍋」という呼び名は現在でもよく知られており、鹿肉料理の代表的な名前として使われています。
現在では、「ジビエ」という言葉も広まりましたが、日本では古くから鹿肉を「もみじ」と表現してきました。
これは単なる愛称ではなく、日本独特の食文化や言葉の表現文化とも関係しています。
なぜ鹿肉を「もみじ」と呼ぶの?
鹿肉を「もみじ」と呼ぶ理由には諸説あります。
特に有名なのが、次のような文化的背景です。
- 鹿と紅葉が古典文学で結び付いていた
- 花札の「鹿に紅葉」が広く知られていた
これらが重なり、「鹿肉=もみじ」という呼び方が定着したと考えられています。
鹿と紅葉は昔から結び付いていた
鹿と紅葉の組み合わせは、花札より前から日本文化の中で親しまれていました。
古典文学や和歌では、鹿は秋を象徴する動物として扱われることが多く、紅葉した山や秋の景色とともに描かれることも少なくありませんでした。
実際、百人一首や古今和歌集などでも、鹿の鳴き声や秋の山の情景がたびたび登場します。
こうした文化背景から、「鹿」と「紅葉」は日本人の中で強く結び付いていったと考えられています。
花札の「鹿に紅葉」も影響したと考えられる

鹿と紅葉の組み合わせを現在まで広く印象付けたものの一つが、花札です。
花札には、10月札として、上図に示す「鹿に紅葉」という絵柄があります。
この図柄は現在でも有名で、「猪に牡丹」と並んでよく知られています。
そのため、もともと存在していた「鹿=秋・紅葉」というイメージが、花札によってさらに広く定着したとも考えられています。
ただし、「花札だけが由来」と断定できるわけではなく、古典文化や当時の食文化も関係していると見るのが自然でしょう。
なぜ肉に植物の名前を付けたの?
鹿肉だけでなく、日本では昔から肉に植物の名前を付ける文化がありました。
これには、江戸時代の肉食事情が関係しています。
当時の日本では、仏教の影響などから、表向きには肉食を避ける風潮がありました。
さらに、江戸時代には、生類憐みの令などの影響もあり、肉食を表立って扱いにくい風潮が強まります。
そこで、人々は肉を直接的な名前で呼ばず、植物名を使って表現するようになりました。
つまり、隠語として使われていたわけです。
代表的なものには、次のような呼び名があります。
| 肉の種類 | 別名 |
|---|---|
| 鹿肉 | もみじ |
| 猪肉 | ぼたん |
| 馬肉 | さくら |
| 鶏肉 | かしわ |
特に「ぼたん鍋」や「さくら肉」は、現在でも広く使われています。
肉を直接言わず、季節の植物名で表現する感覚には、日本人独特の美意識や遠回しな表現文化も感じられます。
猪の肉は、「山くじら」とも呼ばれ、浮世絵にも残っていますね。

歌川広重「名所江戸百景 びくにはし雪中」
山くじらというと、熊肉を連想する方もいらっしゃるかもしれません。
「もみじ鍋」とは?
「もみじ鍋」は、鹿肉を使った鍋料理です。
味噌仕立てや醤油仕立てで食べることが多く、山間地域では昔から親しまれてきました。
近年では、ジビエ料理の人気が高まったことで、鹿肉を扱う店も増えています。
鹿肉には、次のような特徴があります。
- 高たんぱく
- 低脂肪
- 鉄分が豊富
健康志向の食材として注目されることもあり、「もみじ」という昔ながらの呼び名も現在まで受け継がれています。
「もみじ鍋」という名前が今も残っていることからも、「もみじ」という呼び名が単なる隠語ではなく、日本の食文化の一部として定着していることがわかります。
まとめ
鹿肉の別名は「もみじ」です。
この呼び名には、古典文学、花札、江戸時代の隠語文化など、日本独特の歴史や美意識が関係していると考えられています。
単なる別名に見えても、その背景を知ると、日本文化との深いつながりが見えてきます。
今後、「もみじ鍋」などの言葉を見かけた時は、ぜひその由来も思い出してみてください。
■実は、「鹿の別名」も記事にしています。こちらは、9つも別名があるんですよ。
参考資料
もみじ鍋の由来|国立国会図書館 レファレンス協同データベース
※気づけば「別名」の記事も増えてきました










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