キッチンの昔の言い方を片っ端から挙げてみた!記憶にあるのは2つだけ

2024年1月20日

いやいや、この歳になって色々考えると、昔使っていた言葉が随分変わったことに気づきます。

たとえば、今まで記事にした中でも、外套(がいとう)、敷布(しきふ)、背広(せびろ)、匙(さじ)などが消えてしまいました。

今では、コート、シーツ、スーツ、スプーンと言うんですよ。

60爺

いやー、懐かしいな。

で、つらつら考えたんですが、他にもそういう言葉がいくつかあるんですよ。

今回は、現在キッチンと呼ばれている食事を作る場所について、昔の言い方を片っ端から挙げてみることにしましょう。

その辺りも追いかけていますので、ご一緒にご覧になってくださいね。

スポンサーリンク

キッチンの昔の言い方

キッチンの昔の言い方です。

キッチンの昔の言い方は?

60爺が子供の頃は、キッチンなんてしゃれた横文字はありませんでした。

昔の言い方を片っ端から挙げてみましょう!

1.台所(だいどころ)
2.お勝手(おかって)
3.厨(くりや)
4.炊事場
5.だいどこ
6.厨房(ちゅうぼう)
7.庖厨(ほうちゅう)

イヤー、一杯出て来ましたね。

ただ、60爺が使っていたのは、このうちの頭2つだけかな。即ち、「台所」と「お勝手」ですね。

「台所」って言葉は今も使われているんですよね。お勝手はどうなんだろ?

「台所」とは「主に家庭で、食べ物を調理したり、食事の後片づけをしたりする部屋」です。

即ち、煮たきその他、食物を調理したり、食器等を洗い片付ける場所のことですね。

この「台所」、徒然草にも登場している言葉なんですよ!

徒然草
日本古典文学の三大随筆の一つ。他の二つは、枕草子と方丈記です。吉田兼好(1283-1350)が鎌倉時代末期に書いた全243段の短編随筆がおさめられた随筆集。

今、挙げた7つの昔の言い方、以下の国語辞典の「台所」から引っ張ってきたものなんですよ。

国語辞典台所の別名
広辞苑くりや。だいどこ。勝手。厨房(ちゅうぼう)。
大辞林厨(クリヤ)。勝手。炊事場。だいどこ。キッチン。
大辞泉厨(くりや)。勝手。炊事場。だいどこ。
日本国語大辞典炊事場。勝手。くりや。厨房(ちゅうぼう)。庖厨(ほうちゅう)。
学研国語大辞典炊事場。厨房(チュウホ゛ウ)。
明鏡国語辞典炊事場。キッチン。だいどこ。

それでは、この昔の言い方それぞれについて、少し、詳しく掘り下げてみましょう。

台所

「台所」とは「主に家庭で、食べ物を調理したり、食事の後片づけをしたりする部屋」です。

即ち、煮たきその他、食物を調理したり、食器等を洗い片付ける場所のことですね。

それでは、この「台所」、どこから出てきた言葉なんでしょうか。そのルーツは?

台所のルーツ

「台所」は「台盤所(だいばんどころ)」の略です。

「台盤」とは、食物を盛った盤を載せる台を指します。ここから、「台盤所」は調理道具を置く所の意となり、女房の詰所や料理する所を指したのです。

「台所(ダイドコロ)」と省略されたのは中世になってから。さらに近世となって「ダイドコ」ともなったんです!

先程、徒然草に登場したと言いましたが、吾妻鏡にも出てきていますね!

吾妻鏡(あずまかがみ、あづまかがみ)
鎌倉幕府が編纂した歴史書。『東鑑』ともいう。鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝から第6代将軍・宗尊親王まで6代の年代記の体裁で書かれている


お勝手(おかって)

これ、「勝手場」「勝手」のようにも言われますね。

上述したように、子供の頃に台所が「お勝手」と呼ばれていたのを記憶しています。

60爺

懐かしい響きですなあ^^;

「お勝手」は「勝手」を丁寧にいった言葉です。

また、「勝手口」という言葉もあり、台所に通じる出入り口のことを言います。

厨(くりや)

古い言い方で、食べ物を調理する場所即ち台所を指します。

その語源として次の説があります。

  • 煤(すす)けて黒くなった「黒屋」の意
  • 「くり(涅)や(屋)」の意で、煙で黒くなっているところから

また、厨で調理をつかさどる人(料理人)を指す場合もあるようですね。

炊事場

読んで字のごとく「炊事をする場所」のことです。

共同で使う場所を指すようですね。大勢の人間で、大勢(数十~数百人)の食事を作る場所という言い方が出来そうです。

炊事場という言葉自体は知ってますけど、台所のイメージはないなあ!

だいどこ

上述したように、女房の詰所や料理する所を指した「台盤所」が中世になってから「台所(ダイドコロ)」と省略され、さらに近世となって「ダイドコ」となったものです!

うむむ、この言葉も、使っていた記憶はありませんね

厨房(ちゅうぼう)

業務として調理を行う為の場所です。基本、一部屋が調理のために確保されたスペースとなっていて、仕込みから料理の仕上げまでを行うことができる場所ですね。

厨房は、飲食店(喫茶店・レストラン等)、宿泊施設(ホテルや旅館等)、また、スーパーマーケット・病院等の調理施設のことを指します。

この語源ですが、上述の古くは料理を行う場所を厨(くりや)が始まりらしいです。

庖厨(ほうちゅう)

くりや。台所。勝手。また、そこでの仕事や、それをする人を指します。

この言葉にを使った『君子(くんし)は庖厨(ほうちゅう)を遠(とお)ざく』という諺があります。

意味は、「男子たる者は台所に入り込んで、料理・家事のような女子のする仕事に口を出すべきではない」(いま、こんなことを言うと時代錯誤として叱られます!)で使われています。
しかし、本来の意味は、「君子は生あるものを哀れむ気持ちが強いから、生き物を殺す料理場に近づくことは、とうてい忍び得ない」なんだそうです。

記事にした昔の言葉

冒頭で行ったように、次の4つの言葉の昔の言い方を記事にしてます。

今の言葉昔の言い方
コート外套(がいとう)
シーツ敷布(しきふ)
スーツ背広(せびろ)
スプーン匙(さじ)

上記の記事の他に、昔の言葉を一覧にしてたくさん集めています。こちらもご覧ください。

コートの昔の言い方

コートの昔の言い方は「外套」です。おそらく、年輩の方でも余り、この言葉を聞いたことがないのではないでしょうか。

60爺でも、コートを「外套」と読んだ記憶がないんですよ。

そんな外套について追いかけた記事がこちらです。

シーツの昔の言い方

シーツは、ここにあるように、昔の言い方は「敷布」です。子供の頃は、この呼び名が普通でした。

敷布(しきふ)とは、敷きぶとんの上に敷く布のことです。辞書には、シーツという今の呼び方も出ています。

昔の日本人は、貴族でも畳に直接寝ていたんですよ。寝具の歴史についても述べている記事がこちらです。

スーツの昔の言い方

スーツの昔の言い方は「背広」です。

60爺

会社に入社した40数年前は「背広」が当たり前でした。

実は、スーツと背広には大きな違いがあるんです。それを知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。

スプーンの昔の言い方

スプーンの昔の言い方は「匙」です。30年ほど前、子供がスプーンを持つ頃には、既にスプーンと言って「匙」とは言っていませんね。

現在では、「匙」という言葉は、ほとんど使われていないのですね。呼び名は時代と共に変わるんですね。

スプーンの歴史で世界をめぐっていますので、是非、ご覧ください。

最後に

キッチンの昔の言い方を追いかけました。

60爺は「台所」ですね。ガキ、もとい子供の時分はキッチンなんて言葉は、どこを探してもなかったです。

しかし、いつの間にか「キッチン」が主流になってしまいました。

ちょっと悲しいというか郷愁を誘いますが、物の言い方はどんどん変わるので仕方がないんでしょう。

この手の記事は、思いつくたびに挙げていこうと考えます。

※気づけば言い方・呼び方・読み方の漢字の記事も増えてきました

スポンサーリンク
この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら