蝶の数え方に正式なものがある!それが使われている場所を探してみた
蝶(ちょう)は、美しく優雅な姿で多くの人々に親しまれる昆虫ですが、その正式な数え方については意外と知られていません。
えっ、「匹」じゃないのと思われる方が多いかと多いかと推測しますが、実は、蝶には実は正式な数え方が存在します。
とはいえ、この正式な数え方が日常的に使われている場面はほとんど見かけません。
一体なぜなのでしょうか。
また、どのような場面でその正式な数え方が使われるのでしょう。
この記事では、蝶の数え方に関する知識を深掘りし、その由来や文化的背景、そしてその数え方が使われている場所を探していきたいと思います。
それでは、蝶の数え方に隠された意外な一面を発見してみましょう!
蝶の正式な数え方
蝶の正式な数え方ですが、クイズなどで出てきているのでご存知の方も多いかもしれません。
「頭(とう)」で数えるのが正式なんですって。
元々英語から来たらしいです。
動物園で飼育される動物は「頭」で数えるということです。
動物園は、種類に関係なく「head」で数えるようになり、昆虫学者が論文などで蝶の個体を「head」で数えたそうです。
それを20世紀初頭に日本語に直訳(head⇒頭⇒とう)したのが定着したんですって。
これ、私は知らんかったです!蝶は「匹」でしょ。
明治22年の「動物学雑誌」にチョウの数え方として、疋、品、個を使っているが、翌年から頭、匹が加わり、18年後の明治40年の「動物学雑誌」には、頭のみが残されている。この間に学術専門用語として頭が定着したものと推測できる。
『絵でみるモノの数え方辞典』 山川正光/著 誠文堂新光社 2004年
あくまで「学術専門用語として頭が定着した」と思っていればいいのですね。
資料によると、慣性的、専門的に蝶を数える以外は、昆虫との一種として「匹」で数えるのが一般的だそうです。アーー、良かった!
NHKことばのハンドブック第2版をみても「匹」です。専門家は「頭(とう)」を使うが放送では使わないとなっていました。
どこで「頭」に巡り会えるか?
さて、蝶を慣性的、専門的に蝶を数える場合は「頭(とう)」を使うということでしたが、どこで巡り会えるのでしょうか?
動物園や昆虫館、果ては論文などに、それが出ているのでしょうか。
まずは、手軽にネットで探してみます。
学術的には、頭 ( とう ) で統一されています。ハエ1頭、チョウ1頭、ノミ1頭といった具合です。では匹 ( ひき ) などが間違いかといえば、習慣的に使う場合は別にダメということではありません。
楽しい虫さがし体験 昆虫なんでもQ&A|名和昆虫博物館
名和昆虫学物館のQ&Aには、上述のように、「学術的には、頭(とう)で統一されている」と言っています。
既に述べたように、学術的でない普段の数え方は「匹(ひき)」でいいんですね!
こんな動画がありました。裏を取ってるわけではないですけどね。
この中で、「頭」を使った論文なんか見たことないなんて言ってるし……。
次に「昆虫館 昆虫の数」で検索して結果を一覧にします。
カウント | 昆虫館 |
---|---|
頭(とう) | ・橿原市昆虫館 ・森林公園昆虫館 ・石川県ふれあい昆虫館 |
その他 | ・伊丹市昆虫館(匹) ・箕面公園昆虫館(なし) ・多摩動物公園昆虫生態園(種類) |
それでは、それぞれの中身を、ちょっと見ておきます。
「頭」でカウント
トップは、奈良県にある「橿原市昆虫館」です。
昆虫館の放温室内では、年間を通して常に約10種500頭以上のチョウを飛ばしています。令和6年11月4日現在
温室に飛んでいるチョウの数|橿原市昆虫館
おおー!「頭」でカウントしている昆虫館がありました。
年鑑を通して、10種500頭以上の蝶を飛ばしているんですね~!すごいな。
次は、広島県広島市にある森林公園昆虫館です。
昆虫の飼育・展示
広島市森林公園昆虫館
約100種2,000頭以上の昆虫を飼育・展示しています。
こちらも、蝶だけではありませんが、「頭」でカウントしていますね。
最後は、石川県の「ふれあい昆虫館」です。
ドアをあけるとそこは一年中、常夏のチョウの楽園です。この「チョウの園」には、沖縄などの南国のチョウたちが、約10種類、およそ1000頭飛んでいます。
チョウの園|石川県ふれあい昆虫館
「10種1000頭」飛んでいますと、「頭」で数えていますね。
3つの昆虫館で「頭(とう)」を使用していました。
その他カウント
兵庫県にある伊丹市昆虫館です。
一年中、約14種1000匹のチョウが放されています。
チョウ温室|伊丹市昆虫館
ここでは、「匹」を使っています。
1000匹もチョウがいると凄い景色でしょうね。60爺の子供たちは虫嫌いなので、中にいられないと思います。
次は、大阪府箕面市にある箕面公園昆虫館の情報です。
放蝶園
箕面公園昆虫館
箕面周辺に生息している種から亜熱帯の種まで、一年中たくさんの蝶が飛び交っています。
残念!こちらは、「たくさんの蝶」ということで、数え方については触れられていません。
最後は、東京都多摩市の昆虫生態園大温室です。
多摩動物公園の昆虫生態園大温室では、1年を通して20種類前後のチョウを展示できるように飼育しています。
チョウの楽園を楽しむには……|東京ズーネット
多摩動物公園昆虫生態園は、一年を通して色とりどりの蝶約2000頭が舞うとの情報を得たのですが、公式サイトでは種類としか述べられていませんでした。
この他に、蝶に関する学会があったので、現在、数え方について質問しています。
- 日本蝶類学会
- 日本鱗翅学会
ご回答いただけました。
・蝶の専門家は、蝶を数えるのに「頭(とう)」を使うと聞いたのですが、これが本当なのか知りたいです。
日本蝶類学会 久保田瑛子様
→そのとおりです。また、カミキリムシなども頭で数えます。
・また、蝶の専門家は「匹」では数えないのでしょうか。
→匹では数えません。その昔、海外の書物を最初に翻訳した邦人が誤訳したため頭になったそうです。(ソースまで示せず残念ですが、調べれば出てくるかと思われます。)
ご覧のように、蝶の専門家は、蝶を数えるのに「頭(とう)」で数えるんですね。追加の情報として、カミキリムシなども頭で数えるんです。
ですから、専門家は「匹」は使わないんですね。
回答をいただけたら、その内容を追記したいと思います。
最後に
蝶の数え方について追いかけてみました。
蝶は「匹」で数える物とばかり思っていましたが、正式な数え方というか、学術的な数え方があって、クイズなどにも良く取り上げられるようです。
その数え方は、「頭(とう)」でした。色々見てみると、蝶だけでなく、動物園などでは、そう数えられるのが普通なんて書いてあります。
今回、蝶について、「頭(とう)」で数えている場面がどのくらいあるのかをネットを中心に調査し、披露しました。確かに、この数え方をしているサイトも複数ありますが、知っていないと見落としそうですね。
参考
- 日本の助数詞に親しむ-数える言葉の奥深さ-(東邦出版)
- 国語の授業では教わらない数え方辞典(幻冬舎)
- 数え方の辞典(小学館)
※思えば、「数え方」の記事も増えてきています。
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