「朝っぱら」とは?語源や漢字表記・方言から使い方まで全部総特集
「朝っぱら」という言葉、耳にしたことはあっても、その内容について深く考えたことはないですよね。
日常の中で自然に使われる一方で、改めて意味や成り立ちを問われると、ふと戸惑ってしまうかもしれません。
「朝っぱら」を漢字で書くとどうなるのか、そもそも正しい日本語なのか、あるいは地域限定の方言なのか・・・。
さらに、その響きに込められたニュアンスや、使われる場面の微妙な空気感も気になるところです。
本記事では、「朝っぱら」という言葉にまつわる謎を、語源、漢字表記、地域差などさまざまな視点からひも解きます。
誰もがなんとなく使っているこの一語に、どれほど豊かな背景が潜んでいるのか、じっくり探っていきましょう。
それでは、どうか最後まで、ご一緒にご確認ください。
「朝っぱら」とは?
この言葉、多分、一度は耳にされているかと思います。
意味は、「極めて早い朝」から来た「朝早く」「早朝」を指すと辞書には出ています。
使い方としては、早朝にふさわしくない行いを非難するような場合に用いられます。
語源は?漢字表記は?
「朝っぱら」の語源は「あさはら」が促音化したものです。
この「あさはら」、朝食前の「空きっ腹(すきっぱら)」をいう語です。
なんと、中世から使われており、「天草本伊曽保物語」にも出てくるワードです。
上述したように、「あさはら」が促音化して「あきっぱら」になり、朝食前という意から「朝早く」「早朝」という意味で用いるようになったのです。
この「あさはら」の漢字表記は「朝腹」です。
そのまんまですね。
上述のように、朝の腹は「空きっ腹(すきっぱら)」ですよね。
「あさはら」には上記の意味の他に、「極めて容易なこと、朝飯前」の意味もあります。
こちらは、歌舞伎の「鬼一法眼三略巻」の中に使われているようです。
※カテゴリ「言葉の意味」の記事群を一覧にまとめた記事を新たに作成しました。
「朝っぱら」は方言か
「朝っぱら」は方言だというXの投稿があります。
この投稿に対し、全国から続々と反響というか反論が寄せられています。
北海道、青森、岩手、福島、石川、東京、神奈川、千葉、群馬、栃木、茨城、静岡、愛知、大阪、島根、福岡等々、全国から使うぞとの声が出ていますね!
語源で述べた通り、中世から使われていたワードであり、方言ということはないでしょう。
「朝っぱら」の使い方
この言葉は、既に述べたように「こんな朝早くに、といった意味合い」が含まれています。
「朝っぱら」の使い方の例をいくつか挙げておきます。
- 朝っぱらから何の用だ
- こんな朝っぱらから面倒なこと言わないでくれ
- 朝っぱらから、つまらないミスをしてしまいスミマセン
- 朝っぱら大きな音をたてちゃ困るね
朝っぱらからお邪魔をします
岡本綺堂『半七捕物帳 槍突き』
上記に上げた例、全てに、「こんな朝早くに」といった非難めいたニュアンスが含まれています。
最後に
「朝っぱら」という、誰でも一度は耳にした言葉について、広範囲にみてきました。
その意味は、「極めて早い朝」から来た「朝早く」「早朝」を指すと辞書には出ています。
ニュアンスは、早朝にふさわしくない行いを非難するような場合に用いられるようです。
漢字表記「朝腹」で、空きっ腹の意味も包含しています。
方言というよりも全国的に広く使われている日本語表現の一つであることも確認できました。
参考
新明解語源辞典 三省堂
広辞苑
バラ肉のバラって何? 講談社文庫
※気づけば、「言葉の意味」の記事も増えてきています
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