浜の旧字は「濱」!「濵」との違い・点の有無や出し方を解説
「浜」の旧字を調べると、「濱」と「濵」というよく似た漢字が出てきます。
どちらが旧字なのか、点の有無によって何が違うのか迷う方も多いでしょう。
「浜」の旧字は「濱」で、「濵」は「浜(濱)」の異体字です。
この記事では、「浜・濱・濵」の違いや「濱」の成り立ち、名前や苗字での使用、パソコン・スマホ・テプラでの出し方を解説します。
浜の旧字「濱」の読み方と意味
「浜」の旧字は、さんずいに「賓」に似た形を書く「濱」です。
「濱」の基本情報を、次の表にまとめました。
濱
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 水部(さんずい) |
| 画数 | 17画 |
| 音読み | ヒン・ホウ |
| 訓読み | はま |
| 意味 | 水際、波打ち際、水と陸が接する所 |
| 漢字の種類 | 「浜」の旧字体・常用漢字でも人名用漢字でもない漢字 |
「濱」の一般的な読み方は、音読みの「ヒン」と訓読みの「はま」です。
「海濱」を現在の字体で「海浜(かいひん)」と書くように、「濱」と「浜」の読み方は基本的に変わりません。
音読みの「ホウ」は漢和辞典に掲載されている読みですが、現在の日本語で目にする機会はほとんどありません。
「濱」は、水が陸地と接する場所である「はま」「水際」「波打ち際」を表す漢字です。
現在の一般的な文章では、常用漢字の「浜」に置き換えて表記します。
「濱」の書き順
「浜」は10画の漢字ですが、旧字の「濱」は17画あります。

「濱」は、左側のさんずいを先に書き、その後に右側を上から順に書いていきます。
書くときに注意したいのが、「宀」の下にある「少」に似た部分です。
旧字体「濱」の標準的な字形には、「少」にある右側の点がありません。
下部の「貝」をやや細めに収め、さんずいと右側の高さをそろえると、全体のバランスを取りやすくなります。
この「濱」ですが、ノスタルジックな漢字なので、いくつかのお店の名前に使用されているようです。

旧字があるかどうかをチェックした一覧があります。
⇒ 旧字体一覧|旧字があるかないかを調べてみた
「濱」の成り立ち
「濱」は、水を表すさんずいと、音を表す「賓」を組み合わせた形声文字です。
濱=「賓(そばに近づく、接する)」+「水(みず)」
『漢字源』によると、「賓」には「そばに近づく」「接する」というイメージがあります。
そこに水を表すさんずいを加え、水と陸とがすれすれに接する場所を表したのが「濱」です。
ここから、「はま」「水際」「波打ち際」という意味で使われるようになりました。
「浜」は、もともと「濱」とは別に存在していた漢字ですが、俗に「濱」の意味で使われていました。
戦後、「濱」に代わる当用漢字の字体として採用され、現在の標準的な字体となっています。
「浜」「濱」「濵」の違い
「はま」と読む漢字には、「浜」「濱」「濵」があります。
読み方と基本的な意味は同じですが、それぞれ字体の位置づけが異なります。
3文字の違いを、次の表にまとめました。
| 漢字 | 位置づけ | 画数 | 主な使われ方 |
|---|---|---|---|
| 浜 | 現在の標準字体・常用漢字 | 10画 | 一般的な文章や地名など |
| 濱 | 「浜」の旧字体 | 17画 | 苗字や屋号、古い文献など |
| 濵 | 「浜(濱)」の異体字 | 17画 | 主に苗字など |
特に間違えやすい「濱」と「濵」の字形の違いを、詳しく見ていきましょう。
「濱」と「濵」はどこが違う?
「濱」と「濵」は、さんずいの右側にある上部の形が異なります。
濱 濵
「濱」の右側は「賓」に似た形ですが、「濵」は「宀」の下が「眉」のような形になっています。
そのため、「濵」は一般に「まゆはま」と呼ばれることがあります。
「濱」と「濵」は別の字体であるため、苗字などでは一方を他方に置き換えないよう注意が必要です。
「濱」の中は「少」?点がある字体との違い
「濱」の中央部分は「少」のように見えますが、伝統的な字形では「少」と同じではありません。
「少」には右側に点がありますが、17画の「濱」にはその点がありません。
濱
「濱」の中を「少」と考えて右側に点を加えると、合計は18画になります。
実際に点を加えた字体も俗字として使われた例がありますが、旧字体「濱」の標準的な画数は17画です。
パソコンやスマホでは、フォントによって点の有無や線の形が違って見えることがあるため、画面上の見た目だけで別の文字と判断しないよう注意しましょう。
なお、点のある「濱」と「濵」は同じものではありません。
「濵」は点を一つ加えた「濱」ではなく、さんずいの右側の構成が異なる字体です。
旧字も異体字のある漢字で次の記事を書いています。
⇒ 覚の旧字 はこちら
「濱・濵」は名前や苗字に使える?
「浜」の旧字「濱」と異体字「濵」は、どちらも常用漢字にも人名用漢字にも含まれていません。
そのため、現在、子どもの名前に新しく使用することはできません。
子どもの名前に「はま」という漢字を使う場合は、常用漢字の「浜」を使用します。
一方、「濱」と「濵」は、「濱田」「濵田」「濱崎」「濵崎」などの苗字に使われています。
苗字は子どもの名に使用できる漢字の制限とは扱いが異なるため、戸籍に登録されている字体をそのまま使用できます。
ただし、「濱」と「濵」は別の字体です。
苗字を書くときは本人の戸籍上の表記を確認し、一方を他方に置き換えないよう注意しましょう。
「浜」の旧字「濱」の出し方
「浜」の旧字「濱」と異体字「濵」は、次の文字をコピーして使用できます。
濱
濵
パソコン、スマホ及びテプラ等、各機器での「濱」「濵」の打ち方を確認します。
パソコンでの「濱」「濵」の打ち方
上述しましたが、この「濱」は常用漢字でも人名用漢字でもないですが、文字変換で出すことができます。
「はま」と入力して変換ボタンを押すと変換候補に「濱」が表れますのでクリックしてください。
異体字の「濵」も、同じ手順で出せます。
Unicodeであれば、「濱」は、日本語で6FF1と入力してF5キーを押せば出てきます。
ちなみに、「濵」は、日本語で6FF5と入力してF5キー押下で出せます。
もし、出ない場合は、この章の冒頭に用意したコピーを使用してください。
スマホでの「濱」「濵」の打ち方
「浜」の旧字「濱」は、スマホ(Android)でも文字変換で出すことができます。
こちらも、パソコンと同じ「はま」です。
変換候補に、「濱」が出て参りますのでタップしましょう。
「濵」も同じやり方です。
ただし、iPhoneでは、「濱」は出ましたが「濵」が出てきませんでした!
もし、出ない場合は、この章の冒頭に用意したコピーを使用してください。
テプラでの「濱」「濵」の打ち方
ここでは、テプラ(TEPRA PRO SR300)で「濱」が打てるでしょうか。
試したところ、テプラでも、パソコン・スマホと同様、文字変換で「濱」を打つことができます。
「はま」と入力して変換ボタンを押します。
変換候補に「浜」「濱」「濵」が表示されるので、望みの漢字を選択してください。
下位機種のSR300で登録されているので、上位機種でも当然登録されていますね。
※テプラで文字変換のできない難しい漢字を入力する方法を紹介した記事があります。
⇒ テプラで難しい漢字の出し方!誰でもできる手順をわかりやすくご紹介
まとめ
「浜」の旧字体は「濱」で、「濵」は「浜(濱)」の異体字です。
いずれも「はま」と読みますが、「濱」と「濵」は字形が異なるため、苗字では戸籍上の表記を正確に確認する必要があります。
「濱」と「濵」は子どもの名前には使用できませんが、パソコンやスマホなどでは文字変換やコピーによって入力できます。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。









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