毛が3つの漢字「毳」!読み方から意味・言葉・姓名等まとめて総特集
漢字には、一目見ただけでインパクトを与えるものが数多く存在しますが、その中でも特に異彩を放つのが「毳」という字です。
しかし、よくよく観察してみると、見覚えのある「毛」というパーツが三つ重なっていることに気づくでしょう。
では、いったいこの「毳」はどんな読み方をするのでしょうか?
どんな意味を持ち、どのような場面で使われるのでしょう?
また、姓名や言葉の中でどのように活かされているのでしょうか?
本記事では、「毳」という字にまつわる読み方や意味、使われ方、そして意外なエピソードまで、幅広くご紹介していきます。
見た目のインパクトに負けない、奥深い世界をどうぞお楽しみください!
毛が3つの漢字「毳」
始めに、毛が3つの漢字「毳」の基本情報からみていきましょう。
画数 | 12 |
音読み | ゼイ、セツ |
訓読み | にこげ(日本語だけ)けば、むくげ |
意味 | 音読み「ゼイ」 ①にこげ。細くてやわらかい毛。けば。また、特に羊の毛 ②毛織物 ③細くてもろい。切れやすい 音読み「セツ」 泥道を歩くために用いた舟形の履き物 |
音読みには「ゼイ」「セツ」、訓読みは「にこげ」です。
日本語だけの訓読みに「けば、むくげ」があります。
意味は「ゼイ」で3つ、「セツ」でひとつあります。
「ゼイ」の①「にこげ」ですが「和毛」と書くようです。
ここにあるように、国語辞典をみると「わたげ、うぶげ」などの意味が載っています。
平安時代中期に作られた辞書である「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」にも載っているそうです。
「ゼイ」の②は、イコール「フェルト」のことです。
「ゼイ」③の意は、「漢書・丙吉」の中に表れるようです。
「セツ」の意味ですが、今回の題材である「毳」に木へんを付けた「橇(セイ・キョウ)」に当てた用法なんです。
上述したように、橇は「昔、中国で泥の上を行くのに用いた乗り物」とあります。
60爺のイメージでは、「雪や氷の上をすべらせて物を運ぶ乗り物」ですね。
※木へんに毛3つの橇について、上記内容が載っています。
日本語のみの読みの「けば」ですが「毛羽」とも書けますね。
毳の書き順も見ておきましょう。

毛を3つ書けば出来上がりですから問題ありませんね!
※虫、水、七が三つの漢字でも記事を書いています。
⇒ 虫虫虫の漢字「蟲」!その意味から虫との違い・名字について総特集
⇒ 水水水で構成される漢字「淼」!読み方と各機器での入力方法をご紹介
⇒ 七が三つの「㐂」の入力をスマホ・パソコンでする為の最適解をご紹介
名字としての毳
この「毳」という漢字ですが、常用漢字でも人名用漢字でもありません。
そのため、名付けには使用できないのです。
では、名字には存在するのでしょうか?
漢字源を見る限り、中国では「毳」という姓がありますが、日本にも「毳」という姓はあるのでしょうか?
日本では、「毳」のつく名字は存在しないようです!
一文字の「毳」を「名字由来net」で検索しましたが登録されていませんでした。残念!
では、「毳」に違う漢字をつけた名字があるかネット検索しましたが、なんと、こちらもヒットしないのです。
そこで、「姓名・苗字・名前一覧 – 漢字検索」で表示された下記の5つの名字?で、先程の「名字由来net」で検索しましたが、全部存在しませんでした。
- 毳々 けばけば kebakeba
- 毳毳 けばけば kebakeba
- 毳山 かもやま kamoyama
- 毳毛 うぶげ ubuge
- 毳立 けばだ kebada
以上から、「毳」のつく名字は存在しないと結論付けました。
「毳」がつく言葉
この章では、「毳」がつく言葉を集めてみたので、ご覧ください。
毳 | けば | 紙や布などの表面がこすれたりしてできる、細かい毛のようなもの |
毳毳 | けばけば | ①けば②どぎつく派手なさま |
毳立つ | けばだつ | 細かい毛が起こり立つ。そそける |
毳焼き | けばやき | 表面を滑らかにするため、その表面のけばを焼き取ること |
「けば」は、「毳」という漢字より「毛羽」を使うのが現代風ですかね。
「けばけば」は「けば」の代りに使うこともできますが、どちらかというと②の意味で使います。
「けばだつ」という表現は聞いたことがあり、漢字表記は上記の通りです。
「けばやき」なんて表現もあるんですね。
紡績の整理工程のひとつなので、その辺りに詳しい方はピンとくるのでしょう。
各機器での「毳」の出し方
最後に、パソコン、スマホ、テプラで「毳」を出せるか見ておきましょう。
パソコン
「ぜい」と入れて文字変換することで「毳」を出すことができます。
変換キーを何度か押すと、変換候補に「単漢字」が出てくるので、クリックし、新たに表示された変換候補に「毳」が表れるのでクリックします。

=⇒

「毳」が入力できました。

パソコンでは、Unicode変換でも「毳」の入力ができます。
また、次の数字を日本語で入れてF5キーを押すと変換候補の中に「毳」がありますのでクリックしましょう。
6BF3
入力の手順です。
- 日本語で「6BF3」と入力
- 日本語で「6BF3」と入力します。
右のように「6bf3」となりますが問題ありません。

- F5キー押下
- F5キーを押します。
候補が表示されるので、「毳」をクリックします。

- 「毳」入力完了
- 「毳」が入力できました。

スマホ
スマホでもパソコンと同じ「ぜい」と入れて変換することで「毳」を出すことができます。
「ぜい」と入れた変換候補を見てみましょう。

「毳」が出てきました。

タップすれば完了です!
テプラ
テプラPRO SR300で「ぜい」で文字変換しましたが「毳」は候補にありません。
そこで、取扱説明書で「毳」を検索しましたが、こちらもヒットしません。
こうなってしまうと、この機器では「毳」を入力できません。
パソコンあるいはスマホに接続できる機器であれば「毳」を印刷できるでしょう。
パソコン及びスマホで文字変換から「毳」の入力が可能でした。
残念ながらテプラ(PRO SR300)では登録されていないため、入力できませんでした。
最後に
「毛」というパーツが三つ重なっている「毳」の読み方を始めとして、いろいろな情報を見てきました。
意味には、「細くてやわらかい毛」「毛織物」「細くてもろい」「泥道を歩くための履き物」という4つの意味がありましたね。
名付けには使えず、名字について調べましたが一つも見つけられませんでした。
そもそも、馴染みのない漢字で、熟語についても見慣れないモノが多かったですね。
参考
上級漢和辞典 漢字源 学研
※「その他の漢字」も大所帯になってきました
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