「ヶ」は何の漢字?実はカタカナ「ケ」ではない理由を解説
「1ヶ月」「3ヶ所」「霞ヶ関」などで見かける「ヶ」。
多くの人は「小さいカタカナのケ」だと思っていますが、実はそうではありません。
「ヶ」は数量や地名などで使われる文字で、その由来には「箇」の略字「个」に由来する説や、「箇」の竹冠の一部を採ったとする説があります。
この記事では、「ヶ」は何の漢字なのか、カタカナ「ケ」との違い、由来や使い方まで分かりやすく解説します。
「ヶ」は何の漢字?
「ヶ」は何を表す文字なのか、まず結論から見ていきましょう。
次の3点を知っておくと、「ヶ」の正体が分かります。
- 「ヶ」はカタカナの「ケ」ではありません。
- 「箇」に由来する符号として使われています。
- 数量や地名で広く使われています。
それぞれ見ていきましょう。
NHK放送文化研究所では、「ヶ」はカタカナの「ケ」ではなく、「箇(カ)」の略体である「个」、または「箇」の竹冠の一部を採ったものが符号的に用いられてきたものと説明しています。
また、光村図書でも、「ヶ」は「箇」の略字「个」の変形、または「箇」の竹冠の一部が変形したものと紹介されています。
このように、「ヶ」はカタカナではなく、「箇」に由来する符号として現在も使われています。
「〆」も由来を知らずに使われる文字です。
⇒ 「〆」 とは何の字?意味や由来、「締」との関係を解説
なぜ「ヶ」の形をしているの?
「ヶ」が現在のような形になった理由には、主に次の2つの説があります。
- 「个(箇の略字)」に由来する説
- 「箇」の竹冠の一部を採ったとする説
それぞれ見ていきましょう。

日本には、このように漢字を簡略化して使われる文字がほかにもあります。
⇒ 「第」の略字「㐧」とは?意味や使われ方を解説
「个(箇の略字)」に由来する説
有力とされているのが、「个」に由来するという説です。
漢字源では、「个」は一本の竹を描いた象形文字で、「箇」が本字、「个」は漢代以後に使われるようになった略字と説明しています。
また、NHK放送文化研究所でも、「ヶ」は「箇」の略体である「个」が符号的に用いられてきたものと紹介しています。
そのため、「一ヶ所」「三ヶ月」などの「ヶ」は、「箇」を簡略化した表記として使われるようになったと考えられています。
「箇」の竹冠に由来する説
もう一つの説は、「箇」の竹冠の片方を採ったというものです。
漢字文化資料館では、「ヶ」は「箇」の竹冠の片方を採ったものとする考え方も紹介されています。
現在では、「个」に由来する説とあわせて説明されることが多く、どちらか一方だけで断定できるものではありません。
「ヶ」と「ケ」の違いは?
「ヶ」と「ケ」は見た目がよく似ていますが、同じ文字ではありません。
まずは違いを表で確認しましょう。
| 項目 | ヶ | ケ |
|---|---|---|
| 種類 | 「箇」に由来する符号 | カタカナ |
| 由来 | 「个」または「箇」の竹冠 | 五十音 |
| 主な用途 | 数量・地名 | 外来語・固有名詞・五十音 |
このように、「ヶ」は数量や地名などに使われる文字であり、カタカナの「ケ」とは成り立ちが異なります。
見た目は似ていますが、用途も役割も異なる文字です。
「か月」「ヶ月」「ヵ月」はどれが正しい?
「1か月」「1ヶ月」「1ヵ月」など、さまざまな表記を見かけます。
現在よく使われる表記を整理すると、次のようになります。
- 公用文や教科書では「か月」
- 「ヶ月」は一般の文章でも広く使われている
- 「ヵ月」を採用する出版社や企業もある
それぞれ見ていきましょう。
公用文や教科書では「か月」
NHK放送文化研究所では、放送では「か月」を採用しています。
また、光村図書でも、公用文での慣例に合わせ、教科書では「か月」を使うことで統一していると説明しています。
そのため、学校教育や公的な文章では、「1か月」が標準的な表記と考えてよいでしょう。
「ヶ月」は間違いではない
一方で、「1ヶ月」という表記も新聞、雑誌、Web記事などで広く使われています。
NHK放送文化研究所でも、「ヶ」は数量を表すために使われてきた文字であることを紹介しています。
そのため、「ヶ月」が誤りというわけではありません。
用途や媒体によって表記が使い分けられているのが実情です。
地名の「ヶ」はどう読む?
「ヶ」は数量だけでなく、地名にも使われています。
代表的な例を見てみましょう。
- 霞ヶ関(かすみがせき)
- 駒ヶ岳(こまがたけ)
- 槍ヶ岳(やりがたけ)
このように、「ヶ」は「か」と読まれる場合もあれば、「が」と読まれる場合もあります。
固有名詞では、それぞれの正式な読み方に従う必要があります。
また、NHK放送文化研究所でも、固有名詞については本来の表記を尊重するとしています。
そのため、「霞が関」と書き換えるのではなく、「霞ヶ関」という正式な表記を用いるのが適切です。
パソコンやスマホで入力できる?
「ヶ」は、一般的なパソコンやスマホで入力できます。
主な入力方法は次のとおりです。
- 「け」と入力して変換する
- 「かげつ」「かしょ」などの言葉で変換する
- unicode(30F6)で変換する
WindowsのMicrosoft IMEでは、「け」と入力すると変換候補に「ヶ」が表示されます。

スマートフォンでも、60爺のAndroidスマホ「OPPO A3 5G」では、「け」で変換候補に表示されました。

また、iPhoneでも、同様に「け」で変換候補に表示されました。

なお、「ヶ」とよく似た文字に「ヵ」があります。
「ヶ」は「箇」に由来する符号ですが、「ヵ」は小書きのカタカナ「カ」です。
見た目は似ていますが、由来が異なるため、Unicodeでも別の文字として登録されています。
「ヶ」は入力できますが、「間」の略字のような手書き略字は入力できません。
⇒ 「間」の略字とは?門構えが簡略化される理由を解説
まとめ
「ヶ」は小さいカタカナの「ケ」ではありません。
「箇」の略字である「个」、または「箇」の竹冠の一部に由来する符号として使われています。
また、「1か月」「1ヶ月」「1ヵ月」など複数の表記がありますが、公用文や教科書では「か月」が標準です。
一方、「ヶ月」も一般の文章では広く使われており、誤りではありません。
さらに、「ヶ」は数量だけでなく、「霞ヶ関」「駒ヶ岳」のような固有名詞にも使われています。
普段何気なく使っている文字ですが、その成り立ちを知ることで、日本語の表記をより深く理解できるでしょう。
漢字には、「ヶ」のように由来を知らずに使われている文字がほかにもあります。
参考資料
「か」「ケ」の使い分け|漢字文化資料館
「…か月」「…ケ月」|NHK放送文化研究所
教科書では、「ヶ」を使わないの?|光村図書
漢字源(学研)※「个」「箇」の項目





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