さんずいに女と書いて汝!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集

私の幼稚園はキリスト教でした。そうはいっても、ただ、それだけなんですが…。
聖書の中に「汝の敵を愛せよ」でしたっけ。そんなフレーズをあったことも思いだしました。
で、この言葉の意味は置いといて、最初の言葉「汝」に注目です。これ、さんずいに女で汝ですね。
現在のシリーズものである「さんずいに○○」に当てはまるんですよ。
そういったわけで、さんずいに女の汝について、意味・読み方から名前での使い方まで総特集しちゃいます。
是非、ご同道して見てやってくださいませ。
さんずいに女といえば汝!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、汝の意味と読み方を明確にしましょう。
汝の読み方と意味
汝
画数 :6画
音訓:ジョ なんじ(日本語だけ)い いまし うぬ な なれ まし みまし
意味
①川の名。河南省嵩(スウ)県に源を発し、東流して淮水(ワイスイ)に注ぐ。汝水
②なんじ。きみ。おまえ。おまえたち
③姓の一つ
日本語だけの意味・用法
訓読み:い いまし うぬ な なれ まし みまし
名付)な
注意)「なんじ」は「爾」とも書く。
音読みは「ジョ」で、訓読みは「なんじ」ですね。
意味は3つで、「汝水」という川の名と、「あなた。おまえ」を表す「なんじ」と、姓の一つです。
広辞苑で「なんじ」を検索してみると、漢字表記は「汝・爾」となっており、日本語だけの意味・用法にある「爾」もちゃんと載っていました。
「なんじ」は、同等以下の相手を指す言葉なんですね。
それでは、書き順をみてみましょう。

さんずいに女を順に書けばいいので、間違える要素はないかと。
女は、く(4)、ノ(5)を書いて、横線(6)は最後に引くんですよ。
もっと詳しく知ろう!汝の漢字としての由来や成り立ち
まず、字源をみてみましょう。
1.汝=「女(ジョ)」+「水(かわ)」(形声)
2.汝=「女(柔らかい)」+「水(みず)」(形声)
形声:漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
解釈は二つあるのです。
- 「女」を「ジョ」と読ませ「水」は川を表すことで、「汝」は、川の名を表すために作られた
- 「女」の「柔らかい」というイメージを用いることば
1.は、そのものズバリで、汝(ジョ)という川を表しています。
2.は、「女」には、若・爾・而と同源で、「柔らかい」というイメージがあります。
これが、「柔らかい」→「粘り強い」→「ねちねちとくっつく」とイメージが転じ、主体(自分側)と距離的に近く、親しくくっつく相手(なんじ)を「汝」と書くようになったのです。
上記、「若・爾・而と同源」とあるので、これら3つの漢字の字源を確認しておきましょう。
若
若=「叒(ジャク)柔らかい」+「口(くち・ことば)」(形声)
叒はひざまずいた女性が両手で髪を梳かしている姿で、「柔らかい」「しなやか」というイメージを示す記号。
篆文では「艸+右」に字体が変化しました。
若は「柔らかい」というイメージを持つので、汝につながりますね。
爾
爾は上に飾り紐をつけ、下に文字を刻んだはんこを描いた象形文字です。
はんこは布や紙におしつけるもので、「二点間の距離が近づく」「(上から下に押さえて)くっつける、くっつく」というイメージがあります。
こちらは、「くっつく」という意味で、汝につながります。
而
而はふさふさと垂れた髭を描いた象形文字です。
而は「柔らかい」というイメージを示す記号で、「粘り強い」というイメージにも転化しました。
「A而B」のように並べて、AとBを粘っこく結びつけるはたらきがあるのです。
この漢字も、「柔らかい」「くっつく」というイメージを持っています!
※さんずいに〇で構成される漢字を一覧にしました。クイズ形式にしましたので楽しんでください。
汝のつく言葉
汝のつく言葉を紹介します。
汝のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
汝曹 | ジョソウ | {汝輩(ナンシ゛カ゛ハイ)}おまえたち。 |
汝南 | ジョナン | 地名。漢代に設置され、金(キン)代に廃された郡。 今の河南省汝南県地方に当たる。 |
汝のつく言葉は二つしかありませんでした。

汝南は、三国志の中で出てきました。
次は、名前に使われる際のポイントを見にいきましょう~。
名前に使われる際のポイントは
さんずいに女と書く「汝」は、人名用漢字ですので、名付けに使用できる漢字です!
しかし、この漢字、その読みや意味から、名前として使用するには、使いづらいのでしょう。
この漢字を使った名前はほとんどありませんので、名前の例は割愛します。
ですので、方針を変更して「汝」の入った苗字を見てみましょう!
最初に、そのものずばりの「汝」という名字を探したのですが存在しないようです。
また、他の漢字を付けた苗字も見つからないのです。
いろいろ見ていくと、「汝」は漢姓のうちの一つであることがわかりました。
漢姓(かんせい):漢民族の姓およびそれを受け入れた近隣民族の姓である。
そして、この汝(じょ)という姓は、中国でも非常に珍しい姓なのです。
- 中華人民共和国の2020年統計:人数順の上位100姓にはない
- 台湾の2018年統計:727番目に多い姓で、43人
最後に
さんずいに女で汝ですが、この漢字はどこかで見たような記憶があるんですが、さて、いざ読もうとしたら何だっけとなってしまいました。
川の名前だと言われて、そういえば、三国志に出てきたんですが、どのあたりの物語だとかは全く思い出せないんですよね。
汝の字源を見ていったら、「若」や「爾」、「而」と同源だったとあり、それぞれ漢字を見て裏を取りました。
名前を見に行ったところ、名前はおろか苗字まで見つからなかったのは初めてだったです。
何か新たな発見をした漢字でした。
汝は漢姓なので、中国には、この姓を持った方がおられるようですな!
参考
上級漢和辞典 漢字源
※気づけばさんずいの記事も増えてきました
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