さんずいに秋の漢字は「湫」!読み方・意味や地名・苗字での使われ方
「さんずいに秋」と書く漢字は「湫」です。
「湫」は、音読みで「シュウ・ショウ」、訓読みで「いけ」と読み、池や水たまり、低くて狭い土地などを表します。
日本語独自の読みには「くて・くで・ふけ」があり、低くてじめじめした土地や、水草などが生えている湿地を指す言葉として使われてきました。
また、岐阜県瑞浪市の「大湫町(おおくてちょう)」のように、現在も地名に残っています。
この記事では、「湫」の読み方と意味、漢字の成り立ち、地名や苗字での使われ方などを分かりやすく解説します。
さんずいに秋の漢字「湫」の読み方と意味
「さんずいに秋」と書く「湫」は、日常生活ではほとんど見かけない難しい漢字です。
まずは、読み方と意味を基本情報から確認しましょう。
湫
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 水部・さんずい |
| 画数 | 12画 |
| 音読み | シュウ・ショウ |
| 訓読み | いけ |
| 日本語独自の読み | くて・くで・ふけ |
| 意味 | 池、水たまり、低くて狭い土地、憂い悲しむさま、姓の一つ |
| 漢字の種類 | 形声文字 |
読み方と意味について、もう少し詳しく見ていきます。
「湫」の読み方
「湫」の音読みは「シュウ・ショウ」、訓読みは「いけ」です。
また、日本語独自の読みとして「くて・くで・ふけ」があります。
「くて・くで・ふけ」は、低くてじめじめした土地や、湿気が多く水草などが生えている場所を表す読みです。
なお、「湫」の読み方は辞書によって掲載内容が異なります。
ネット上の漢字辞典には、「とどこおる・ひくい・せまい」などを訓読みとして掲載しているものもあります。
この記事では、漢字源の記載に基づき、音読みを「シュウ・ショウ」、訓読みを「いけ」、日本語独自の読みを「くて・くで・ふけ」として紹介します。
「湫」の意味
「湫」には、池や水たまり、とくに水の減った小さな池という意味があります。
また、「湫隘(シュウアイ)」という言葉では、土地が低くて狭いことを表します。
「湫湫(シュウシュウ)」では、憂い悲しむ様子という意味になります。
このほか、「湫」には姓の一つという意味もあります。
日本語独自の意味・用法では、「くて・くで・ふけ」と読み、低くてじめじめした土地を指します。
湿気が多く、沼のように水草などが生えている場所を表す言葉です。
現在の日常語として使われる機会は少ないものの、「大湫(おおくて)」などの地名にその読みと意味が残っています。
「湫」の書き順
「湫」は、全部で12画の漢字です。

左側の「さんずい」を3画で書いた後、右側の「秋」を「禾」「火」の順に書きます。
「禾」と「火」を別々に書くのではなく、「秋」という一つの漢字として正しい筆順で書くことがポイントです。
さんずいと禾と火を順に書くだけです!さすがに、間違えようがないですね。
「湫」の由来と漢字の成り立ち
「湫」は、意味を表す「水」と、音を表す「秋」を組み合わせた形声文字です。
漢字源では、次のように解字されています。
湫=「秋(シュウ・ちぢこまる)」+「水(みず)」(形声)
「秋」は「シュウ」という音を表すとともに、ちぢこまるという意味も含んでいます。
そこに水を表す「さんずい」が加わり、水が減って小さくなった池や水たまりを表す「湫」になりました。
「さんずい」と「秋」の意味をそのまま組み合わせて、「秋の水」を表した漢字ではありません。
さんずいに〇で構成される漢字を一覧にしました。クイズ形式にしましたので楽しんでください。
「湫」は名前に使える?
「湫」は、子どもの名前には使えません。
戸籍に記載する子どもの名前には、原則として常用漢字または人名用漢字を使用しますが、「湫」はそのどちらにも含まれていないためです。
「湫」には、池や水たまり、低くて狭い土地などの意味がありますが、意味の印象が名付けに向かないから使えないのではなく、名前に使用できる漢字として定められていないことが理由です。
一方、苗字には子どもの名前と同じ漢字の制限がないため、「湫」という苗字や、「浅湫」「面湫」「湫田」などの苗字が実在します。
「湫」のつく苗字については、次の章で詳しく紹介します。
次の章では、「湫」のつく言葉を見てみましょう。
■追記 秋について記事を書いています。秋とは何か、その期間はいつなのかを解説しています。
「湫」のつく苗字
「湫」は子どもの名前には使えない漢字ですが、苗字には使われています。
「湫」一文字の苗字のほか、別の漢字と組み合わせた苗字もあります。
代表的な苗字と読み方は、次のとおりです。
| 苗字 | 読み方 |
|---|---|
| 湫 | ぬま |
| 浅湫 | あさぬま・あさしょう |
| 面湫 | おもくて・おもくで |
| 湫田 | すみた |
いずれも珍しい苗字で、文字から読み方を推測するのは簡単ではありません。
「湫」は一般的な訓読みでは「いけ」ですが、苗字では「ぬま」と読まれます。
また、「面湫」の「くて・くで」は、低くてじめじめした土地を表す日本語独自の読みと一致します。
苗字の読み方は地域や家系によって異なる場合があるため、実際の読み方は本人に確認するのが確実です。
「湫」のつく言葉
「湫」は日常的な言葉にはほとんど使われませんが、いくつかの熟語や地名に残っています。
「湫」のつく主な言葉は、次のとおりです。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 湫 | くて | 低くてじめじめした土地。湿気が多く、水草などが生えているところ |
| 湫湫 | シュウシュウ | 憂い悲しむ様子 |
| 湫隘 | シュウアイ | 土地が低くて狭いこと |
「湫湫」と「湫隘」は、現在の日常会話で使われることの少ない言葉です。
一方、「くて」という読み方は、現在も地名の中に残っています。
地名の「大湫」は「おおくて」と読む
岐阜県瑞浪市には、「大湫町」という地名があります。
読み方は「おおくてちょう」です。
大湫町には、江戸時代に中山道の宿場として栄えた「大湫宿(おおくてじゅく)」があります。
瑞浪市の資料では、大湫宿が「大久手宿」とも表記されていたことが確認できます。
「大湫」の「湫」は、日本語独自の読みである「くて」と読まれており、珍しい漢字の読み方が現在の地名に残っている例です。
漢字には、「○○に心」と書く表記が多数存在します。
⇒ 木へんに秋で「楸」の記事はこちら
⇒ 草冠に秋で「萩」の記事はこちら
⇒ 魚へんに秋で「鰍」の記事はこちら
⇒ 金へんに秋で「鍬」の記事はこちら
まとめ
「さんずいに秋」と書く漢字は「湫」です。
音読みは「シュウ・ショウ」、訓読みは「いけ」で、日本語独自の読みとして「くて・くで・ふけ」があります。
池や水たまり、水の減った小さな池、低くて狭い土地などを表す漢字です。
また、「湫湫」では憂い悲しむ様子、「湫隘」では土地が低くて狭いことを表します。
「湫」は、意味を表す「水」と、音を表す「秋」を組み合わせた形声文字です。
子どもの名前に使用できる漢字ではありませんが、「湫」「浅湫」「面湫」「湫田」などの苗字に使われています。
岐阜県瑞浪市の「大湫町」は「おおくてちょう」と読み、日本語独自の「くて」という読みが現在の地名に残っている例です。
日常生活で目にする機会は少ない漢字ですが、苗字や地名で見かけたときは、「湫」という字と、そのさまざまな読み方を思い出してください。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
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