濁点と半濁点を総特集!見分け方から歴史までガッツリ掘り下げます

2023年6月25日

ブログなど記事を書くときに、当然日本語を使用しているわけですが、この中に何げに入っていて、気にも留めない文字というか記号があります。

濁音や半濁音を表す記号です。

これらがあることで、自由自在に文章を操り、皆に伝えられる文章を紡ぐことが出来るんです。

今回の記事では、この濁音・半濁音について、これらは何なのか、どのようにして生まれたのか、合わせて、その過程を突っ込んでご紹介しようと考えました。

最後まで、ゆっくりとご覧になっていって下さいませ。

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濁点・半濁点とは

初めに「濁点・半濁点」とは何か見ていきます。

濁点とは

清音の仮名の右肩につけて、それが濁音に発音されることを示す「゛」符のことです。いわゆる「てんてん」「ちょんちょん」ですね。

濁点は五十音の特定の行にしかつかないもので、「か行・さ行・た行・は行」につきます。

濁音がつかない行は、残りの「あ行、な行、ま行、や行、ら行」ですね。それと「わをん」。これを表にしてみます。

半濁点とは

ハヒフヘホの各字の右肩につけて音節の子音がpであることを示す「゜」の記号のことです。半濁音符ともいいます。いわゆる「丸」ですね。

半濁点も濁点と同じく五十音の特定の行にしかつかないもので、「ぱ行」のみに付きます。

濁点・半濁点とは、普段何気なく使用している「゛」と「゜」のことでした。

この記号、全然気にせずに使っていますが、この形に落ち着くまでには紆余曲折があったようですね。その語源というか歴史を覗いて見ます。


濁点・半濁点の歴史

現在、何の疑問も持たずに使用している濁点・半濁点ですが、その歴史を見ていくと大変興味深い事実がたくさん出てきました。濁点・半濁点それぞれに見ていきましょう。

濁点の歴史

平安時代に誕生した「かな文字」ですが、ご存知だと思いますが、主に女性によって使われる文字として用いられる文字でした。

即ち、「枕草子」(1001年[長保3年]ころ)「源氏物語」(1008年[寛弘5年]ころ)などの女流文学が花開く基になったと言っていいでしょう。

ただ困ったことに、この「かな文字」、大変不便な点があったんですよ。そうです!濁音を表すものがなかったんです。清音と濁音の違いは「文脈の流れ」から判断せざるを得ませんでした!

ただ、この時代、「平仮名は余り厳密な発音を表すための文字ではなかった」との考証があるようです。そのため、清音濁音の区別は「文脈の流れ」から判断することで皆納得していたんですね。

時代が下ると、この清音濁音の問題が、とっても大変なことになってきたんですよ!そこで、人間、考えることは皆同じで、「記号を使って判断させようぜ!」となったんですよ。

その記号もたくさんあったようです。

  • 漢字「濁」の偏「シ」で注記したもの
  • 略体仮名の傍に「、」等を加えた形式
  • 声点に「・」を加えて「・・」とし、さらに声点そのものの形を「-○」「-」「∟」「△」等に変えた形式

で、これらの中から「・・」が盛んに用いられるようになったんですよ。

それと、現在では濁音を示す位置は右上と決まっていますが、当初は「かな」の四隅にあったようです。

しかし、次第に淘汰され、室町時代には濁音を表示する位置が右上に固定され、江戸時代には今と同じ形の「 ゛」が一般化したようです。

そして、1926年6月1日(大正が終わりの年)にお上から「法令形式の改善に関する件」と言うお達しが出たんです。

要は、濁点等を使って、分かりやすく表記するようにしようねということでしたが、その後、徐々に浸透し、戦後になって一般的な表記となりました。

半濁点の歴史

日本語の「ハ行」の発音は、元来は [p](現代のパ行子音)だったんです!

何だと!と誰でも思うでしょうが、どうやら本当のようです。時代的に言うと、奈良時代以前と言われます。

「ハ」という発音は、「パ [ pa ]」⇒「ファ [ ɸa ]」⇒「ハ [ ha ]」の順に変わっていったんですって。そこで、上記のように [p] と [ɸ] に変わっていくことで、当たり前のように書き分けの可能性が生じたんですよ。

ただ、その時期は明確ではないんですね。一説では、万葉仮名の時代より前であったかもしれないんです。

これが文献に載るのは、ポルトガル人宣教師によるキリシタン文献が最初とされています。

ポルトガル語って、明確に清音と半濁音が異なるんだそうです。で、日本にやってきた宣教師らは、布教する上で必須である日本語を学び、文字の記述に半濁音の表記がないことに気がついたんですよ!スゴイ(大リーグの大谷をほめる口調で)!

ポルトガル語由来のパン(pão)、カピタン(capitão)(キャプテン)、コップ(copo)、合羽(かっぱ)(capa)の言葉に半濁音が必要だったため、「゜」の表記を使い始めたんですね。

そして、江戸時代に徐々に広がりはしましたが、公的文書などで明確に規定されるのは戦後まで待たねばなりませんでした。

濁点と半濁点のパソコン・スマホでの入力

この章では、パソコン・スマホでの「゛」と「゜」の入力の方法を伝授します。

パソコンでの「゛」と「゜」の入力方法

パソコンでの「゛」と「゜」の入力の方法を伝授します。簡単だよ~!

  • 「゛」:「だくてん」と入力して変換を押下します。「゛」が出るまで押下し続けましょう。
  • 「゜」:「はんだくてん」と入力して変換を押下します。「゜」が出るまで押下し続けましょう。

どうですか?簡単に出せたでしょう!で、今、出したのは全角の「゛」「゜」でした。

次に、半角の「゛」「゜」を出してみます。こちらはちょっとめんどうくさいですよ!

「゛」を例に手順を見ていただきます。

かな入力に変更
日本語をローマ字入力にしている方は、「かな入力」に変更します。

右下の「IME変換」を右クリックして「かな入力」をクリックします。
「゛」入力
Enterの左にある図のキーを押下します。
F8きーを押下
全角の「゛」が表示されますので、F8キーを押下します。
F8きーを押下
半角の「゛」に変換されますので、Enterを押下して終了です。

「゜」の場合は、次の位置のキーを押下して、あとは同じです。

スマホでの「゛」と「゜」の入力方法

スマホ(android)での「゛」と「゜」の入力の方法も簡単です。

  • 「゛」:「だくてん」と入力して変換を押下します。「゛」が出るまで押下し続けましょう。
  • 「゜」:「はんだくてん」と入力して変換を押下します。「゜」が出るまで押下し続けましょう。

パソコンと全く一緒だよ!簡単ですね~。

で、濁点なんですが、「あ」を入力後に、「だくてん」と入力し変換すると、変換候補に「濁点付き仮名」というモノが現れるので、それをタップすると「あ゙」を入力できますよ!

是非、試してください。同じことを、「はんだくてん」を試しましたが、こちらはダメでした!

普段見かけない半濁点

半濁音は、日本語では、上述したように「ぱ行」のみに付きます。

しかし、アイヌ語や国語学においては、これ以外にも半濁音のつくモノが出てきます。

  • アイヌ語:「セ゚・ツ゚・ト゚・ㇷ゚」という使用例
  • 国語学:「ウ゚・カ゚・キ゚・ク゚・ケ゚・コ゚」という使用例

その他にも、次のような例があります。

・さ゜(サ゜) – 江戸時代に江戸言葉の「ツァ」を表すのに使われた。片仮名の「サ゜」はおもに唐音資料において用いられた。
・セ゜(せ゜) – 江戸時代に唐音やアイヌ語における「チェ」の音を表すのに使われた。江戸言葉の「チェ」を平仮名の「せ゜」で表した例もある。
・ツ゜ト゜ – 主に古い文献で用いられ2文字ともアイヌ語の発音「トゥ」を表す。
・ラ゜リ゜ル゜レ゜ロ゜ – 明治期に一部で用いられた。外来語のラ行音のうち、L音由来のものをR音由来のものから区別するために、前者に半濁点を添えたもの。
・イ゜ロ゜ニ゜ト゜チ゜リ゜ヌ゜ル゜ヲ゜ワ゜カ゜ヨ゜タ゜レ゜ソ゜ツ゜ネ゜子゜ナ゜ラ゜ム゜ウ゜井゜ノ゜オ゜ク゜ヤ゜マ゜ケ゜コ゜エ゜テ゜ア゜サ゜キ゜ユ゜メ゜ミ゜シ゜ヱ゜モ゜セ゜ス゜ン゜ – 電信暗号(コード)に使われた電信用片仮名の一部。

引用 wiki 半濁音

句点と半濁点の書き方

ここでは、ガラッと話を変えて、句点と半濁点について豆知識を一つ。

半濁点は、上述したように、「ハヒフヘホの各字の右肩につけて音節の子音がpであることを示す「゜」の記号」です。「ぱ」「ぴ」・・「ぽ」のようになりますね。

ここで出てきた句点とは、文章の最後につく「。」のことです。こちらも、「。」(まる)と呼びますね。ちなみに、「、」(てん)は「読点(とうてん)」と言います。句点と読点、両方合わせて「句読点(くとうてん)」というんですよ。

さて、この章で言いたい豆知識とは、句点と半濁点の書き方です。皆さんご存知ですか?正解は・・・。

「下中心から時計回り」、つまり、「6時の方向から時計回り」で書くんです。(小学校1年生の国語の教科書に出ています!)

以下に「句読点」について述べた記事がありますんで、良かったらポチッと押下ください。

そして、これらに似ている数字の「0(ゼロ)」とアルファベットの「O(オー)」は、「上から反時計回り」に書くんですよ~。

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最後に

濁点と半濁点について見てきました。

最初に、濁点と半濁点は何なのかを、「濁点とは」「半濁点とは」という形で紹介しました。濁音を書いた時、右肩に書く「゛」「゜」のことでした。

そして、これらはいつ頃から出てきたのかを、やはり、濁音、半濁音別に紹介しました。仮名文字が誕生した際は、文章の流れから濁音を判断していたというのですから、昔の人って頭が良かったんですね。

それが、やっぱりわかりにくいから、記号を発明して濁音を判別するようになったんですな。時間が経つに連れ、段々、人間は頭が悪くなったのかしらん。まあ、長い時をかけて今の形になったんですね。

それでも、今の形の方が分かりやすいよなーと思います。

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺