木へんに己の漢字は「杞」!読み方・意味と名前に使えない理由
木へんに「己」と書く漢字を見て、何と読むのか気になったことはありませんか。
この漢字は「杞」で、主に音読みで「キ」と読みます。
普段はあまり見かけませんが、「杞憂(きゆう)」という言葉に使われている漢字です。
また、「杞」にはクコやコリヤナギなどの植物を表す意味もあります。
この記事では、「杞」の読み方や意味、漢字の成り立ち、名前に使えない理由を順に見ていきます。
木へんに己の漢字は「杞」!読み方と意味
木へんに「己」と書く漢字は「杞」です。
はじめに、「杞」の基本情報を確認しておきましょう。
杞
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 木(きへん) |
| 画数 | 7画 |
| 音読み | キ・コ |
| 訓読み | なし |
| 意味 | コリヤナギ、クコ、良材となる木、古代中国の国名 |
| 漢字の種類 | 常用漢字・人名用漢字ではない |
上の読み方と意味は、主に「漢字源」の記載に基づいています。
「杞」の読み方
「杞」の主な読み方は、音読みの「キ・コ」です。
「必要のない心配」や「取り越し苦労」を表す「杞憂(きゆう)」で、この読み方が使われています。
一方、辞典によっては、植物名に当たる「くこ」「かわやなぎ」「おうち」などの読みも掲載されています。
ただし、日常生活で「杞」を一文字だけで読む機会は少なく、「杞憂」や「枸杞(くこ)」といった言葉の中で目にすることが多い漢字です。
「杞」の意味
「杞」には、主に植物と古代中国の国を表す意味があります。
植物では、枝を籠や行李の材料に使うコリヤナギや、赤い実を食用・薬用にするクコを指します。


また、「杞梓(きし)」では、器物を作るのに適した良材を表します。
ここから転じて、優れた才能を持つ人物のたとえにも使われる言葉です。
さらに、「杞」は古代中国の周代に存在した国の名前でもあります。
この国名は、「必要のない心配」を意味する「杞憂」という言葉にも使われています。
「杞」の書き順
「杞」は全部で7画です。

最初に左側の「木」を4画で書き、続いて右側の「己」を3画で書きます。
「己」の2画目は、左から右へ横線を引いてから折れ曲がるように書くのがポイントです。
※己のつく漢字は「己に心」で「忌」について記事を書いています。
「杞」の由来と漢字の成り立ち
「杞」は、「木」と「己」を組み合わせた形声文字です。
「木」が木に関係することを表し、「己」が「キ」という音を表しています。
「漢字源」では、「己」には曲がったものが起き上がるというイメージがあり、「杞」は枝に柔軟性があって自由に曲げられる木を表すと説明されています。
この特徴は、しなやかな枝を籠や行李の材料にするコリヤナギとも結びつきます。
「杞憂」の読み方と意味
「杞憂」は「きゆう」と読み、起こる可能性のないことまで心配することや、必要のない心配を意味します。
「取り越し苦労」とほぼ同じ意味で使われる言葉です。
由来は、中国の古典『列子』の「天瑞」に記された故事にあります。
古代中国の杞の国に、天が崩れ落ち、地面が裂けたら身の置き場がなくなるのではないかと心配し、食事も喉を通らず、夜も眠れなくなった人がいました。
知人から、天や地が崩れる心配はないと説明され、その人はようやく安心したといいます。
この故事から、実際には起こりそうもないことをあれこれ心配することを「杞憂」と呼ぶようになりました。
「心配していたが、杞憂に終わった」のように使います。
「杞」が表す植物とは
「杞」は、コリヤナギやクコなどの植物を表す漢字です。
ここでは、それぞれの特徴を簡潔に見ておきましょう。
コリヤナギ
コリヤナギは、ヤナギ科の落葉低木です。

細くしなやかな枝を持ち、かつては衣類などを収納する行李を編む材料として利用されました。
「杞柳(きりゅう)」とも呼ばれます。
クコ
クコは、ナス科の落葉低木で、「枸杞」と書きます。

夏から秋に薄紫色の花を咲かせ、秋には赤い実をつけます。
果実や葉、根は、食用や薬用として利用されてきました。
「杞」は名前に使える?使えない理由
「杞」は、子どもの名前には使えない漢字です。
子どもの名前に使用できる漢字は、原則として常用漢字と人名用漢字に限られています。
「杞」はそのどちらにも含まれていないため、出生届に記載する名前には使用できません。
「杞憂」の印象が悪いから使えないのではなく、戸籍上使用できる漢字として定められていないことが理由です。
「杞」のつく苗字と読み方
「杞」は子どもの名前には使えませんが、苗字には使われています。
「杞」一文字の苗字は確認できませんでしたが、「杞」を含む苗字には次のような例があります。
| 苗字 | 読み方 |
|---|---|
| 杞山 | きやま |
| 杞川 | きかわ、きがわ |
| 杞本 | きもと |
| 杞根 | きね |
| 枸杞 | くこ |
いずれも全国的に人数が少ない、珍しい苗字です。
なかでも「杞山」は、この中では比較的人数の多い苗字ですが、それでも珍しい部類に入ります。
まとめ
木へんに「己」と書く漢字は「杞」です。
主に音読みで「キ、コ」と読み、コリヤナギやクコなどの植物、古代中国の国を表します。
身近な言葉では、必要のない心配や取り越し苦労を意味する「杞憂」に使われています。
「杞」は常用漢字にも人名用漢字にも含まれていないため、子どもの名前には使用できません。
一方、「杞山」「杞川」「杞本」など、「杞」を含む珍しい苗字は実在します。
普段はあまり目にしない漢字ですが、「杞憂」と結びつければ、読み方と意味を覚えやすいでしょう。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
※気づけば木へんの記事も増えてきました










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