木へんに章で「樟」!読み方・意味や楠との違いを解説
「木へんに章」と書く漢字は「樟」です。
音読みでは「ショウ」、訓読みでは「くす」「くすのき」と読み、クスノキ科の常緑高木であるクスノキを表します。
「樟脳(しょうのう)」という言葉に使われるほか、名前に使用できる人名用漢字でもあります。
この記事では、「樟」の読み方や意味、漢字の成り立ち、「楠」との違い、名前での使われ方まで分かりやすく解説します。
木へんに章の漢字は「樟」!読み方と意味
木へんに「章」を組み合わせた「樟」について、基本情報から確認しましょう。
樟
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 木(きへん) |
| 画数 | 15画 |
| 音読み | ショウ |
| 訓読み | くす・くすのき |
| 意味 | クスノキ科の常緑高木であるクスノキ |
| 漢字の種類 | 人名用漢字 |
「樟」は、木を表す「木」と、「ショウ」という音を示す「章」から構成された漢字です。
「樟」の読み方
「樟」の音読みは「ショウ」、訓読みは「くす」「くすのき」です。
音読みの「ショウ」は、クスノキから採れる成分を表す「樟脳(しょうのう)」などの言葉に使われます。
訓読みの「くす」「くすのき」は、漢字一字で樹木のクスノキを表す場合の読み方です。
したがって、「木へんに章と書いて何と読むのか」と聞かれた場合は、「樟(くす・くすのき)」と答えるのが分かりやすいでしょう。
「樟」の意味


「樟」は、クスノキ科クスノキ属の常緑高木であるクスノキを意味します。
クスノキは香りの強い木で、その材や葉などからは、防虫剤の原料として知られる樟脳が採られてきました。
日本では、クスノキを「樟」と「楠」のどちらで表すこともあります。
ただし、「樟」は「樟脳」のような熟語で使われることが多く、植物名は一般に「クスノキ」と片仮名で表記されます。
また、「漢字源」には「豫樟(よしょう)」という語で、クスノキ科のクロモジを表す意味も載っています。
ただ、「樟」一字で使われる場合は、基本的にクスノキを指すと考えてよいでしょう。
「樟」の書き順
「樟」は、木へんの4画と「章」の11画を合わせた15画の漢字です。

最初に左側の木へんを書き、続いて右側の「章」を上から順に書きます。
木へんは、横画、縦画、左払い、右側の点の順です。
右側の「章」は、上部の「立」を書いてから「日」へ進み、最後に下の横画と縦画を書きます。
左右のバランスを整えるため、木へんをやや細めに書き、「章」の横幅を少し広く取ると、まとまりのよい字になります。
※「きへんに○の漢字一覧」で記事を書いています。「章」の他にも様々な漢字を用意しています。
「樟」の由来と漢字の成り立ち
「樟」は、木を表す「木」と、音を表す「章」を組み合わせた形声文字です。
形声文字とは、意味を表す部分と、読み方を表す部分を組み合わせて作られた漢字です。
「樟」では、木へんが樹木に関係することを表し、「章」が「ショウ」という音を示しています。
このため、「樟」の音読みは「ショウ」となります。
「漢字源」では、「章」には模様をはっきりと現すイメージがあり、そこから「樟」は美しい木目がはっきりと現れる木を表すと解説されています。
つまり、「樟」は木の種類を表す木へんと、音を示す「章」から成り、クスノキを表す漢字として使われるようになったのです。
「樟」と「楠」の違い
「樟」と「楠」は、どちらも日本では「くす」「くすのき」と読み、クスノキを表すことがあります。
ただし、漢字が生まれた中国では、それぞれ別の樹木を表す字として使われてきました。
両者の違いを簡単に整理すると、次のようになります。
| 漢字 | 読み方 | 日本で表す主な植物 | 中国で表す主な植物 |
|---|---|---|---|
| 樟 | ショウ・くす・くすのき | クスノキ | クスノキ |
| 楠 | ナン・くす・くすのき | クスノキ | 中国南部に生える楠木と呼ばれる樹木 |
日本では、「樟」と「楠」のどちらもクスノキを表しますが、一般的な表記には「楠」や片仮名の「クスノキ」が多く使われます。
一方、「樟」は「樟脳(しょうのう)」のような熟語や、「樟葉(くずは)」などの地名に使われています。
日本では「樟」と「楠」のどちらもクスノキ
日本で「樟」と「楠」が同じクスノキを表すのは、「楠」に日本独自の訓読みと意味が与えられたためです。
本来、中国の「楠」はクスノキとは異なる樹木を表しますが、日本ではクスノキに「楠」の字を当て、「くす」「くすのき」と読むようになりました。
そのため、日本語では「樟」と「楠」が同じ植物を表すことになったのです。
ただし、漢字としての成り立ちは異なり、「樟」は「木」と音を表す「章」、「楠」は「木」と音を表す「南」から成る形声文字です。
日本での意味は重なっていますが、もともとの字義や中国で指す植物まで同じというわけではありません。
木へんに南の「楠」の記事もアップしています。
「樟」が表すクスノキとは
「樟」が表すクスノキは、クスノキ科ニッケイ属の常緑高木です。
日本では関東地方南部以西の暖かい地域に多く、公園や神社、街路などで見られます。
成長すると高さが20~30メートルほどになる大木で、幹の太いクスノキが御神木として守られていることもあります。
葉や枝、幹には独特の強い香りがあり、その成分から作られるのが防虫剤などに使われてきた樟脳です。
春に古い葉を落として新しい葉に入れ替わり、5月から6月ごろには黄白色の小さな花を咲かせます。
秋になると直径1センチほどの実が黒く熟します。
丈夫で寿命が長く、大木に育つことが、クスノキの大きな特徴といえるでしょう。
「樟」のつく言葉
「樟」は日常的に目にする機会の少ない漢字ですが、「樟脳」や「樟蚕」などの言葉に使われています。
代表的な言葉と読み方は、次のとおりです。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 樟脳 | しょうのう | クスノキの材や葉などから採られる、特有の香りを持つ結晶 |
| 樟蚕 | くすさん | クスノキなどの葉を食べる、ヤママユガ科の大型のガ |
| 樟葉 | くずは | 大阪府枚方市にある地名や駅名などに使われる表記 |
この中で最もよく知られているのは「樟脳」です。
樟脳(しょうのう)
樟脳は、クスノキの材や葉などを蒸留して得られる、強い香りを持つ白色の結晶です。
揮発しやすく、かつては衣類を虫から守る防虫剤として広く使われていました。
現在では、化学製品の原料などにも利用されています。
「樟」の音読みである「ショウ」は、この「樟脳」という言葉で確認できます。
樟蚕(くすさん)
樟蚕は、ヤママユガ科に属する大型のガです。
幼虫がクスノキのほか、クリやクヌギなどさまざまな樹木の葉を食べることから、この名前が付いています。
「蚕」を「さん」と読むため、「しょうさん」ではなく「くすさん」と読みます。
樟葉(くずは)
「樟葉」は「くずは」と読み、大阪府枚方市の地名や京阪電車の駅名などに使われています。
同じ地域では「楠葉」という表記も見られますが、駅名は「樟葉駅」です。
「樟」を一般的な訓読みの「くす」ではなく「くず」と読む、固有名詞ならではの例です。
「樟」は名前に使える?
「樟」は人名用漢字に含まれているため、赤ちゃんの名前に使用できます。
音読みの「ショウ」を生かした男の子の名前に使われることが多い漢字です。
クスノキは大きく成長する丈夫な常緑樹で、寿命の長い木としても知られています。
そのため、「健やかに大きく育ってほしい」「たくましく長い人生を歩んでほしい」といった願いを込められるでしょう。
「樟」を使った男の子の名前
「樟」を使った男の子の名前には、次のような例があります。
| 名前 | 読み方 |
|---|---|
| 樟吾 | しょうご |
| 樟晟 | しょうせい |
| 樟太郎 | しょうたろう |
| 樟郎 | くすお |
「樟」は一般的な名前では見かける機会が少ないため、個性的で印象に残りやすい漢字です。
ただし、名前を見ただけでは読み方が伝わりにくい場合があります。
名付けに使う際は、姓との組み合わせや読みやすさも確認しておくとよいでしょう。
まとめ
「木へんに章」と書く漢字は「樟」です。
音読みでは「ショウ」、訓読みでは「くす」「くすのき」と読み、クスノキ科の常緑高木であるクスノキを表します。
「樟」は木へんと音を表す「章」から成る形声文字で、「樟脳」や「樟蚕」などの言葉に使われています。
日本では「楠」もクスノキを表しますが、二つの漢字は成り立ちや中国で表す植物が異なります。
「樟」は人名用漢字でもあり、クスノキの丈夫さや長寿のイメージを生かして、主に男の子の名前に使うことができます。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
※気づけば木へんの記事も増えてきました











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