木へんに章と書いて樟!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
現在では、タンスなどの虫よけには、いろいろな種類があると思うんですが、昔は「樟脳」一択だったような気がします。

樟脳って知ってますか?若い方は、ご存知ないですよね。
この「樟脳」の「樟」の字ですが、60爺がいつもやっている「木へんの漢字」なんですね!
今回は、この木へんに章と書く樟について書いていきますよ~。
いつものように、木へんに章の「樟」について、意味・読み方から名前での使い方まで突っ込んで調べていきますです。
それでは、ご一緒にどうぞ。
木へんに章といえば樟!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、樟の意味と読み方を明確にしましょう。
樟の読み方と意味
樟
画数 :15画
音訓:ショウ くす(日本語だけ)くすのき くぬぎ(名付け)くす
意味
①くす。木の名。クスノキ科クスノキ属の常緑高木。クスノキ
②「予(豫)樟(ヨショウ)」とは木の名。クロモジ。
日本語だけの意味
(訓読み)くすのき くぬぎ
(名付け)くす
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
紹介したとおり、「樟」の音読みは「ショウ」、訓読みは「くす」です。
意味には、「クスノキ」を指すと言ってます。
日本の「楠」が差してる奴ですね。中国では、「樟」が日本の「楠」を指すわけですな。
高さが30m以上にもなり、五月頃、黄白色の小花が咲きます。
材は硬いので、種々の器具に用い、また、特殊の香気があり、樟脳の元となります。
2番目の意味は、「予(豫)樟(ヨショウ)」と書いて、クロモジを指すんですね。
クスノキ科クロモジ属の落葉低木で、樹皮に黒斑があり、香料や楊枝の原料となるようです。


日本語だけの訓読みに「くすのき」「くぬぎ」があります。
※「きへんに○の漢字一覧」で記事を書いています。「章」の他にも様々な漢字を用意しています。
次に、樟の書き順を示しておきます。

木と章を順に書けばよいです。書き順は大丈夫ですよね。
次に、樟の由来と成り立ちを見ていきましょうか。
もっと詳しく知ろう!樟の漢字としての由来や成り立ち
樟の漢字としての由来と成り立ちを知っておきましょう。
クスノキの由来
「楠」の記事の中で、和名クスノキの由来は諸説あると言っています。
- 香り高く、寿命が長い「奇(くす)しい木」という意味で名付けられた
- 南方語由来とする説
木に南と書く漢字そのものように、世界的には、台湾、中国、朝鮮の済州島、ベトナムといった南方に分布しているんですよ。
それら南方から日本に進出したそうです。
樟の漢字の成り立ち
樟の字源を見てみます。
樟=「章(ショウ)明らか」+「木(き)」(形声※)
章は「明るい・明らか」というイメージがあり、「目立つあや・模様を現し出す」というイメージに展開。
ここから、「樟」は美しい木目がはっきりと現れる木を表します。
形声※
漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「楠」は、南方に産する木を示していたんですが、樟は同じ「クスノキ」を指すのでも、違った方面から指しているわけですな!
同じ「漢字源」に、「楠」について、「本草網目(ホンソウコウモク)」に「南方の木、ゆえに南に従う」とあります。
日本では、「樟」と「楠」はどちらもクスノキを表す漢字です。
その違いは、厳密にはありません。
ただ、中国では「楠」はタブノキ、「樟」はクスノキを表すために使われているようです。
次の章では、いつものように、樟はどんな植物かを見て参ります。
樟ってどんな植物?
樟はどんな植物なのでしょうか。
意味では、クスノキ、クロモジでしたが、後者は「予(豫)樟(ヨショウ)」という木の名でしたので、対象はクスノキとなります。
ただ、クスノキに関しては、木へんに南の「楠」で詳しく述べています。
そこで、次の記事をご覧になってください。
樟を使った言葉
樟を使った言葉なんですが、漢字源においては「樟脳」のみが載っています。
この「樟脳」、冒頭でも述べたんですが、クスノキから採った芳香のある白い結晶を指します。
香料や防虫剤として用いるとともに、化学工業の原料になります。
その独特の清涼感のある香りは、集中力向上・ストレス軽減に重宝されています。
樟脳の特徴は揮発性に優れていることです。
衣装ケースから取り出した際は香りがしっかりとしているんですが、空気や天日にさらすと香りが飛んでしまいます。
一番良いのは、化学物質が含まれていない天然成分からできていることです!
そのため、敏感な体質の方にもやさしい防虫剤なのです。
防虫剤として用いられる「樟脳」と「ナフタリン」の比較をした内容を載せておきます。
特徴 | 樟脳 | ナフタリン |
---|---|---|
成分 | 天然 | 合成 |
香り | 強い | 弱い |
効果の持続性 | 短い | 長い |
用途 | 和服、書類など | 毛皮製品、フォーマルウェアなど |
次の章では、「樟」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。
名前に使われる際のポイントは
木へんに章と書く「樟」は、赤ちゃんへの名付けで、「ショウ」「くす」などと読ませることのできる漢字です。
「樟」は名前ではどんな思いが込められるのか考えてみました。
- クスノキのように大きく丈夫に育つよう願う。
- 努力家で忍耐力のある人に育って欲しい。
「樟」を使った名前
「樟」は、どちらかというと男の子向けの漢字ですね。サイトを見てみましたが、女の子向けの名前はほとんどありません。
男の子の名前の例
- 樟汰(しょうた)
- 樟太朗(しょうたろう)
- 樟磨(しょうま)
読みは全て「しょう」となっています。
女の子の名前の例
- 樟美(くすみ)
- 樟子(しょうこ)
- 樟葉(くすのは)
こちらは、「くす」がふたつと「しょう」がひとつですね。
最後に
木へんに章といえば樟ですが、この漢字について述べてきました。
最初に、樟の読み方と意味について述べてきました。意味については、中国で「クスノキ」を指していました。ですから、以前書いた「楠」の記事を参考にしています。
楠は南方にある木でしたが、樟は美しい木目がはっきりと現れる木でした。同じ植物を指すにも、日本と中国では考えが異なるんですな!
漢字を調べると好奇心が満たされます。楽しいですね。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません