セピア色のセピアとは?その意味・由来がレトロな印象とかみ合うか

2025年3月27日

「セピア色」という言葉はノスタルジックな雰囲気を醸し出します。

この「セピア色」、古びた写真やレトロな風景を思い浮かべる人も多いでしょう。

しかし、なぜ「セピア色」がそんな印象を与えるのでしょうか?

そもそも「セピア」とは何なのか、その言葉の背景を深く考えたことはありますか?

何気なく使われるこの表現には、意外な歴史や由来が隠れています。

本記事では、「セピア色」の持つ独特な雰囲気と、その言葉が生まれた背景をひも解いていきます。

その答えには、レトロでロマンチックなイメージとは少し、かけ離れているような・・・。

どうか、最後までお読みになってセピア色のイメージがどうなるかご確認ください。

スポンサーリンク

セピア色のセピアとは

まず、複数のサイトの示す「セピア色」を見てください。

参考:セピア|ウィキペディア

参考:セピアWEB色見本|原色大辞典

参考:【sepia】 の解説|goo辞書

参考:セピア色DEDIGN館

参考:JIS・日本工業規格 慣用色 269色

参考:JIS慣用色名|ウィキペディア

参考:JIS規格・物体色の色名とRGB数値についての覚書

セピア色は、JIS色彩規格に規定されている慣用色名のひとつです。

その定義は、「ごく暗い赤みの黄色」です。

ただ、こうしてみると、同じセピア色でも、サイトごとに大きく違っていますね。

ベースは茶色でも、赤っぽかったり、黒っぽかったりしています。

JIS色彩企画で規定されているのに、こんだけずれていてもいいんですかね?

と思って色々見ていたら、「JIS Z 8102:2001」という規格で色名の属する範囲が規格化されています。

この中で、厳密な数値に基づく色名でなく、「物体色の色名」として慣用色名と系統色名を示し、人それぞれの色名に対するイメージを包摂したのです。

ですから、上記のように、セピア色というイメージが表す複数の色が出てくるということに繋がります。


セピアの意味と由来

まずは、セピアの意味から見ていきます。

セピア(sepia)は、有機性顔料や「暗(黒)褐色」を指すようです。
他にも、変色した映画フィルムや写真のことを指しています。

セピアの意味をジーニアス英和辞典(sepia)から引いてみました。

  • ①セピア《イカの墨から作る暗褐色のインク・絵具》:セピア色
  • ②セピア色の絵「写真」

現代カタカナ語辞典では次のように出ています。

  • 有機性顔料の一種。水彩画などに使用する。黒褐色。
  • 転じて保存が悪く変色した映画フィルム

広辞苑ではどうでしょう。

  • ①有機性顔料の一種。イカの墨汁嚢中の黒褐色の液を乾かしてアルカリ液に溶解し、希塩酸で沈殿させて製する。水彩画に用いる
  • ②黒褐色

次は、セピアの由来です。

このセピア(sepia)ですが、古代ギリシャ語のσηπία(sēpia、コウイカの意)が語源だそうです。

このイカ墨をベースにした顔料は、インクや水彩絵の具として、なんと、古代ローマ時代から使用されてきたんですって。

色自体は、半透明の黒ですが、日光に当ると、すぐに色褪せて暗い褐色色となります。

どちらにしても、セピアは、もともとは「甲イカ」のことでした。

このイカの墨を使った顔料で書いた絵や文字が時間の経過によってあせた状態がセピア色なんですね!

ということは、レトロでもロマンチックでもないということになりますな!

※カテゴリ「言葉の意味」の記事群を一覧にまとめた記事を新たに作成しました。

ここからは、「セピア」にまつわる豆知識を2つ、ご紹介します。

豆知識:蒼いフォトグラフ

松田聖子の15枚目のシングル『瞳はダイアモンド/蒼いフォトグラフ』に入っています。
この歌詞の中で「写真はセピア色に褪せる日が来ても」とあります。

豆知識 いかさま

「イカ墨の性質を知った悪い人が、茶色の借用書にイカ墨で文字を書き、借りたお金をだまし取ったことから、イカ墨が転じてイカサマになった」という説がありますが、どうやら眉唾のようです。

最後に

「セピア色」は、単なる色の名前ではなく、歴史や文化と深く結びついた言葉です。

その由来は、イカ墨を原料とした古いインク「セピアインク」にあり、19世紀の写真技術にも影響を与えました。

そのため、セピア色の写真は時を経たノスタルジックな雰囲気を持ち、レトロな印象を強める要因となっています。

現代では、写真やデザインの表現手法として使われるだけでなく、懐かしさや温かみを感じさせる象徴的な色として親しまれています。

参考
JIS規格・物体色の色名とRGB数値についての覚書

※気づけば、「言葉の意味」の記事も増えてきています

スポンサーリンク
この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

言葉の意味

Posted by 60爺