尻尾の読み方は「しっぽ」!なぜ「しりお」と読まないのか語源まで解説
「尻尾」という漢字を見て、「しっぽ」と読むことは知っていても、なぜそのように読むのかまでは意外と知られていません。
実は、「しっぽ」は古くは「しりを」と呼ばれていた言葉が音変化したものと考えられています。
一方で、「しりほ」が変化したという説もあり、辞典によって紹介の仕方が異なります。
この記事では、「尻尾」の正しい読み方や意味、語源、「尾」が「ぽ」と読まれる理由まで、辞典の内容をもとに分かりやすく解説します。
尻尾の読み方は「しっぽ」
まずは結論です。
現在の国語辞典では、「尻尾」は一般に「しっぽ」と読みます。
一方、「しりを」は語源を説明する際に登場する古い語形であり、現代の日常会話で「尻尾」を「しりお」と読むことはありません。

なぜ「尻尾」で「しっぽ」と読むの?
「尻尾」を「しっぽ」と読む理由は、古い日本語の音変化によるものと考えられています。
広辞苑やコトバンクでは、「しっぽ」は古くは「しりお」といい、それが音変化して現在の形になったと説明されています。
音の変化を図にすると、次のようになります。
しりお
↓
音変化
↓
しっぽこのような音変化は、日本語では決して珍しいものではありません。
長い年月の中で発音しやすい形へ変わり、その新しい発音が定着した結果、「しりを」が現在の「しっぽ」になったと考えられています。
「しりほ」が語源という説もある
「しっぽ」の語源には、「しりお」以外の説もあります。
新明解語源辞典では、『大言海』の「しりお」説を紹介するとともに、『日本国語大辞典 第二版』が挙げる「しりほ(尻穂)」説にも触れています。
また、『難読漢字ときあかし辞典』では、「しりほ」を語源として説明しています。
この説では、「しりほ」は「尻から生えている穂のような毛」を意味する言葉と考えられています。
音の変化を図にすると、次のようになります。
しりほ
↓
音変化
↓
しっぽ現在は、広辞苑やコトバンクなど「しりお」説を採る辞典が多い一方、「しりほ」説も有力な説の一つとして紹介されています。
そのため、「しっぽ」の語源には複数の考え方があると理解しておくとよいでしょう。
画像②:「しりお説」と「しりほ説」の比較図
「尾」が「ぽ」と読むわけではない
ここで疑問になるのが、「尾」は「ぽ」と読む漢字なのかという点です。
結論から言うと、「尾」に「ぽ」という訓読みはありません。
「しりお」説では、「尾」の読みである「お」が音変化して「ぽ」になったと考えられます。
一方、「しりほ」説では、「穂(ほ)」が音変化して「ぽ」になったと説明されます。
このため、「尾」という漢字そのものに「ぽ」という読み方があるわけではありません。
なお、「尻尾」を熟字訓として紹介する資料もあります。
これは、「尾」を単独で「ぽ」と読むのではなく、「尻尾」という二字全体に「しっぽ」という読みを当てているためです。
一方、広辞苑やコトバンクなどの国語辞典では、「しりお」が音変化して「しっぽ」になったという語源を説明しています。
このように、「熟字訓」は漢字の読み方の分類、「しりお」は言葉の成り立ちを説明するものであり、両者は別の観点から述べられています。
難読漢字の記事一覧はこちらです。
尻尾の意味
Pleple2000, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
犬の尻尾
「尻尾」とは、動物の体の後ろに伸びている尾のことです。
犬や猫、馬など、多くの動物の尾を指す言葉として使われます。
また、そこから転じて、「物事の最後の部分」や「後ろに続く部分」を表すこともあります。
このような比喩的な意味は、次の章で紹介するといった慣用句にも受け継がれています。
「尻尾」を使った慣用句
「尻尾」は日常会話でもよく使われる慣用句に登場します。
代表的なものをまとめると、次のとおりです。
| 慣用句 | 意味 |
|---|---|
| 尻尾をつかむ | 不正や秘密の証拠を押さえる |
| 尻尾を出す | 隠していたことが露見する |
| 尻尾を巻く | 恐れて逃げる、降参する |
これらはいずれも、動物の尻尾の様子を人の行動にたとえた表現です。
例えば、「尻尾をつかむ」は、逃げようとする動物の尻尾をつかまえて逃げられなくする様子から、「決定的な証拠を押さえる」という意味で使われるようになりました。
また、「尻尾を出す」は、隠れていた動物の尻尾だけが見えてしまう様子から、「秘密や悪事が明らかになる」という意味で使われます。
「尻尾を巻く」は、犬などが恐怖を感じて尻尾を股の間へ巻き込む様子から、「恐れて逃げる」「降参する」という意味になりました。
まとめ
「尻尾」の読み方は「しっぽ」です。
その由来については、多くの国語辞典で「しりお」が音変化したという説が採られています。一方で、「しりほ」を語源とする説を紹介する辞典もあり、複数の考え方があります。
また、「尾」に「ぽ」という訓読みがあるわけではありません。
「尻尾」という二字全体に「しっぽ」という読みを当てているため、熟字訓として紹介する資料もありますが、これは語源とは別の観点からの説明です。
普段何気なく使っている「しっぽ」という言葉も、その成り立ちを知ることで、日本語の音の変化や漢字の読み方の面白さを感じられるでしょう。
参考資料
尻尾|コトバンク
広辞苑 第六版(岩波書店)
新明解語源辞典(三省堂)
難読漢字ときあかし辞典(研究社)
※気づけば「言い方・呼び方・読み方」の漢字の記事も増えてきました









60爺



ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません