「邦」の突き抜けない字はどう出す?異体字・旧字との違いまで解説
「邦」の字を見て、「左側が突き抜けない字を見たことがある」「これは正式な字形なのか」と気になったことはありますか。
実は、「邦」には見た目の異なる字形があります。
異体字セレクタによって表示される字形もあれば、フォントによって見た目が変わる場合もあります。
また、辞典に掲載されている旧字は、現在のパソコンやスマホでは通常入力できません。
この記事では、「邦」の突き抜けない字の出し方や旧字との違いを分かりやすく解説します。
「邦」の突き抜けない字形とは?
「邦」の突き抜けない字形とは、左側にある「丰」の最後の画が下へ突き抜けず、「手」のような形になった字形を指します。

一見すると旧字や別の漢字のように見えますが、通常の「邦」と意味や読み方が変わるわけではありません。
この字形は、異体字セレクタによって表示できる場合があり、対応しているフォントで確認できます。

「邦」の旧字とは別物
「邦」の突き抜けない字を見て、「これは旧字では?」と思う人も少なくありません。
しかし、突き抜けない字形と、辞典に掲載されている旧字は別の漢字です。
『漢字源』には「邦」の旧字が掲載されています(異体字はない)が、この旧字にはUnicodeが割り当てられていないため、現在のパソコンやスマホで通常の方法によって入力することはできません。

左から、通常の「邦」、突き抜けない「邦」、旧字(イメージ)の字形です。
3つの漢字は似ていますが、漢字の左側の文字が、それぞれ異なっていることが分かります。
「邦」の突き抜けない字の出し方
「邦」の突き抜けない字は、通常の文字変換では入力できません。
表示するには、異体字セレクタを利用します。
異体字セレクタ(IVS:Ideographic Variation Sequence)は、同じUnicodeの漢字でも、異なる字形を指定して表示するための仕組みです。
それでは、パソコン(Windows11 IME)で「邦」の突き抜けない字の出し方の手順を示します。
LibreOffice Writerを例として使います。
- 漢字「邦」入力
- まず、漢字「邦」を入力します。「くに」を文字変換すれば出てきます。

- 「E0101」入力
- 日本語で「E0101」を入力してください。

- Enter押下で入力完了
- Enterを押すと、「邦󠄁」に変換されます。

環境があっていれば、割と手軽に入力できます。
なお、そんなめんどうなことはしないで利用したいという方は、次の文字をコピペしてください。
邦󠄁
なお、異体字セレクタに対応していない環境では、通常の「邦」と同じ字形で表示される場合があります。
次の章では、その環境について解説します。
異体字セレクタを紹介した記事があります。
⇒ 木へんに尊の漢字は「樽」!意味・異体字・パソコンやスマホでの出し方まで解説
「邦󠄁」を出すための環境
異体字セレクタを利用して「邦󠄁」を出すためには、フォントと入力環境が必要です。
表示できたフォント
「邦󠄁」を出すことのできたフォントです。

ここに示した、游ゴシック、Noto Sans Light、Arial、Noto Serif JPの各フォントで、異体字セレクタを利用して「邦󠄁」を出すことができます。
「游」系の游ゴシックLight、游ゴシックMedium、游明朝…でも同様に出せますし、Noto Sans系、Arial系、Noto Serif系も同じです。
他にも、出せるフォントがあるので、試していただければと思います。
表示できなかったフォント
表示できないフォントもあります。
- Microsoft YaHei、Microsoft YaHei Light、Microsoft YaHei UI、Microsoft YaHei UI Lightの簡体字フォント
- Microsoft JhengHei、Microsoft YaHei Light、Microsoft JhengHei UI、Microsoft JhengHei UI Lightの繁体字フォント
- AR P明朝体、AR Pゴシック体のAR系
上記のフォントは、異体字セレクタでやってみても、「邦」の突き抜けない字形を出すことは出来ません。
異体字セレクタが可能な入力環境
さて、異体字セレクタが効くフォントでも、入力環境によっては正確に「邦󠄁」を出すことは出来ません!
可能な入力環境ですが、60爺が試したのは次の環境です。
- Libre Office Writer
- ブラウザ(Firefox、Chrome、Edge)
エディター系(メモ帳、秀丸)では、「邦󠄁」を出すことは出来ません!
LibreOffice Writerの例は、上述の『「邦」の突き抜けない字の出し方』の入力手順にあります。
ブラウザについては、Firefoxを例として挙げておきます。

フォントによる表示結果の違い
最後に、フォントによって字形が変わる例を挙げておきます。
既に、「邦」の3つの字形のうち、突き抜けない「邦」についてみてきました。

今度は、上の図形の右端の「邦」です。
この字形は、3本の横線の一番上の線が斜めになっています。
この字形は、漢字源が挙げている旧字によく似ています。
この旧字は、Unicodeがないので出しようがないのですが、フォントによっては、この字形を出せることが分かりました。

ご覧の、中国語繁体字のフォントは、邦を出すと、上記のような、一番上の横線が斜めになるのです。
60爺は、これらのフォント以外に、この字形を出すことが出来ませんでした。
興味のある方は、探してみてください。
まとめ
「邦」の突き抜けない字とは、左側にある「丰」の最後の画が下へ突き抜けず、「手」のような形になった字形です。
この字形は通常の文字変換では入力できませんが、異体字セレクタを利用すると、対応しているフォントでは表示できます。
対応フォントでは突き抜けない「邦」が表示される一方、対応していないフォントでは通常の「邦」のままとなります。
また、フォントが合っていても、入力環境が合っていないと突き抜けない「邦」が表示できないことを確認しました。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
※思えば「打ち方・出し方」の記事も増えてきました










60爺


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