遡しんにょうなしで「朔」!その読み方や日・土追加の結果を大検証
「遡」をしんにょうなしにすると「朔」という漢字になります。
一見すると珍しい字で、普段の生活ではあまり見かけないものです。
しかし、この「朔」という漢字は、古来より暦や方角にまで深く関わってきた重要な文字なのです。
本記事では、「遡」のしんにょうなしの「朔」について、その読み方や意味、さらに「日」や「土」といった字を追加して生まれる新しい漢字や言葉を詳しく追いかけていきます。
一部をご紹介すると、この漢字は、方向を示す際には「北」を表す意味でも知られています。
本記事を通して、「朔」という一文字に秘められた歴史的背景と多彩な可能性を一緒にひも解いていきましょう。
それでは、ご一緒に、その内容をご覧ください。
遡しんにょうなしで「朔」
それでは、「遡」及び、しんにょうなしの「朔」について、基本情報を確認しましょう。
遡の読み方と意味
遡
画数:14画
音訓:ソ さかのぼ・る
意味
さかのぼ・る。流れをさかのぼっていく
日本語だけの意味・用法
慣用読みで「サク」と読むことがある
意味には、「逆戻りして、そもそものはじめをたずねる」というニュアンスもあります。
また、「遡遊(ソユウ):押し流されるまま下る」という言葉があります。
遡は、「朔(逆方向に行く)」+「辵(行く)」で構成され、→の方向に向かう流れに逆らって←の方向に向かっていく場面を表す漢字です。
次に、しんにょうなしの「朔」を見てみましょう。
朔の読み方と意味
朔
部首:月
画数:10画
音訓:サク ついたち
意味
①ついたち。ひと月が終わって、暦の最初に戻った日。陰暦で月の第一日のこと
②こよみのこと
③北のこと
④姓の一つ
日本語だけの意味・用法
訓読み:つきたち
朔は、音読み「サク」、訓読み「ついたち」と音訓必つずつの読みがあります。
①の「ついたち」の対語は「晦(みそか)」です。
②の由来は、朔(ついたち)を基準にして陰暦の暦を作ったことからです。
③は、十二支を方角に当てると、子(ね)の方角(北)が最初に位置するからです。
この漢字のコアイメージは、「遡」に出てきた「逆方向に行く」というモノです。
朔=「屰(逆方向に行く)」+「月(つき)」
屰は大の逆さ文字で「逆方向に行く」というイメージがあります。
朔は、→の方向に進んできた日が←の方向に行って月の初めに戻る状況を示しています。
※ある漢字から部首を取った漢字を記事にしています。
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朔と日・土を組み合わせると
さて、今、紹介した「朔」なのですが、これに、日・土を組み合わせると、まるで違ったものが浮かび上がります。
朔と日
朔と日の組み合わせは、「朔日」という言葉です!
これ「さくじつ」と読み、「陰暦で、月の第一日」を指します。
他に「ついたち」とも読みますが、「月立(ツキタチ)」の音便で、こもっていた月が出始めるの意です。
広辞苑をみると、他に2つの意味があるようです。
- 陰暦の月の初め、上旬、初旬
- 特に正月一日、元旦
上記の意では「蜻蛉日記(下)」に、2番目の意では「紫式部日記」に「朔日」が見えますね。
朔と土
今度は、朔と土の組み合わせですが、言葉ではなく「塑」という漢字です。
画数が13の文字で、音読みは「ソ」、訓読みはありません。
意味は、「土を削る。土を掘る」プラス「粘土の塊に、のみや、へらを加えて削った像」です。
この漢字は、本記事のタイトルの一部を使った「遡しんにょうなし土」や「朔と土」で検索をしている方がいらっしゃいます。
この漢字を使った言葉に「彫塑(ちょうそ)」があり、立体的なアート作品を制作するための技法を指します。
この言葉は、石や木を彫る「彫造」と、粘土やろうのような軟かい材料を心棒につけて制作する「塑造(そぞう)」を合わせて作られた言葉です。
ただ、この「彫塑」という言葉は日本では定着せず、「塑造」を含んだ広い意味で「彫刻」と呼ばれます。
最後に
「朔」という漢字は、「遡」のしんにょうを外した形にも見える珍しい字でありながら、古くから暦や方角に用いられてきました。
主に「さく」と読み、新月や月の始まりを意味することから、再生や出発の象徴ともされています。
また「北」を示す意味を持つ点も特徴的です。
さらに、「朔」に「日」や「土」を加えることで、「朔日(ついたち)」のように新たな意味や用法が広がり、漢字文化の奥深さを実感できます。
この記事では、その成り立ちから派生までを大検証しました。
※「その他の漢字」も大所帯になってきました
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