ハクビシンは縁起の良い動物なの?そうとは言えない可能性も大!

2022年8月13日

ハクビシンは、ジャコウネコ科ハクビシン属に分類される動物です。

ハクビシンは、額から鼻にかけて白い線があることから、漢字では白鼻芯と書かれるようです。yahoo!知恵袋を見ていたら、「『白尾神』(白い尾を持つ神)ですか?」なんて質問があって面白かったです。

60爺

長年生きてきましたが、ハクビシンなんて動物はニュースでしか聞いたことのない動物でした。

しかし、実家で風呂のコードが動物にかじられる事件があり、罠を仕掛けたところ、なんと、ハクビシンが3匹も掛かったのです。

その経緯については、既に別記事で紹介しています。

この記事の中で、「ハクビシンは神の使わしめ」である表現を用いて紹介しているのですが、今回、この点が気になり、書籍等に当たってみました

その結果をシェアしますので、是非、ご覧ください。

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 ハクビシンは本当に縁起が良い動物なのか

ハクビシンは、完全夜行性で日中は寝ぐらにいることが多く、さらに、とても警戒心が強く臆病な性格のため、人や動物を見かけるとすぐさま逃げ出すため、人間の目につくことがほとんどありません

しかし、その人目につかないハクビシンの被害をネットでググると、結構深刻な例が載っています

60爺

冒頭で触れましたが、60爺の家では暖房のコードが齧られています。

以上の被害については、こちらの記事をご覧ください。

ここから考えると、「決して縁起が良いとは言いきれそうにない」動物ですね。

それというのも、他サイトにある「神の使い」という説について、色々調べてみたんですが、どうやっても裏付けが取れなかったからです。


ハクビシンは「神の使い」?

ハクビシンについては、ある記事(下記参照)で「昔から神の使いと言われ、なかなか見ることのできる動物ではなく、ハクビシンを見ると縁起が良いと言われている」なんて書いてありますので、その記事の中にある出典を見に行きました。

ハクビシンの名前の由来と縁起

ところが、この出典とされるサイト(下記参照)に記事が存在しません。よく見ると、出典と指定される URL の「動物」のタグがないんですね。そこで、サイト内検索で「ハクビシン」「白鼻芯」を検索しましたが記事を見つけることが出来ませんでした。

⇒ 縁起物百科事典

ネットで他の記事もググってみたんですが、いくつかの記事で「ハクビシンは神の使い」と言われるという表現はありましたが出典はどこにも書いてありません。

そこで、図書館に行って百科事典をいくつか紐解いてみました。しかし、ハクビシンの説明はありますが、「神の使い」みたいな表現は一切ありませんでした調査した書籍参照)。

次に、神社に祀られている動物について書籍に当たってみたのですが、残念ながらハクビシンを祀っている神社はありませんでした(神社で祀られている動物(哺乳類だけでなく鳥や魚など)がかなりいることがわかり感心しましたが‥‥)(調査した書籍参照)。

以上、サイト及び書籍に当たりましたが、残念ながら、「ハクビシンが神の使いである」という出典を見つけることはできませんでした!

60爺

出典はどこにもなかったんですな。

ただ、縁起が良いという人がいてもおかしくはない

ハクビシンは、1976年に長野県で県の天然記念物に指定されたことがあるそうです(1995年に解除)。また、香港では野生動物保護法の保護対象となっているそうです。

このような例からわかるように、ハクビシンは希少な動物だったことがわかります。

そして、人間は、めったに見たことのないことに出合うと、それが幸運の予兆であると思う傾向があります。

また、外来種のはずなのに昔の文献(以下)にそれっぽい話が出てきます(タヌキは綱渡りはできませんがハクビシンは木登りが得意です)。

  • 民話「分福茶釜」に出てくる「綱渡りをするタヌキ」がハクビシン
  • 江戸時代の見世物にあったタヌキの綱渡りは、実はハクビシン

以上の事柄と、ハクビシンの鼻筋が白い特徴的な顔が神秘性を抱かせたところから、「ハクビシンを見ると縁起が良い」という人がいてもおかしくはないでしょう。

スピリチュアル的な例として次のような事柄が考えられます。

  • 大きなチャンスの前触れ:ハクビシンをみかけた⇒繁栄の象徴
  • 警戒すべき時:警告⇒たとえば、ハクビシンが何かを食べている姿をみかけたら食物等に気を付ける
  • 腰をおちつける時:まだ慣れない職場で不安に思っている⇒当面のあいだはとりあえず続けてみたほうが良い
  • バランスを考える時:物事のバランスを考えた方が良い⇒精神的な部分で、バランスよくやりなさい

ただ、現在の状態ですが、ハクビシンの被害がかなり深刻になっているせいか、あちこちで嫌われ者になっており、少しかわいそうです。

こちらの記事も、めったに見ることはできないモノの縁起について書いています。

ハクビシンは雷獣か?

それから、調べていて、ひとつわかったことがあります。

それは、雷獣(らいじゅう)と呼ばれる、落雷とともに現れるといわれる日本の妖怪です。東日本を中心とする日本各地に伝説が残されているそうで、江戸時代の随筆や近代の民俗資料にも名が多く見られます。

この雷獣がハクビシンではないかという説があります。その理由が次のものです。

  • 特徴(雷獣の大きさ、外見、鋭い爪、木に登る、木を引っかくなど)がハクビシンと共通すること
  • 江戸で見世物にされていた雷獣の説明もハクビシンに合うこと
  • 江戸時代当時にはハクビシンの個体数が少なくてまだハクビシンという名前が与えられていなかったことが推測されること

いちいち、ハクビシンに適合するんですよね!

安永時代に松城という武家に落雷とともに獣が落ちたので捕獲すると、形・大きさ共にネコのようで、体毛は艶のある灰色で、日中には黄茶色で金色に輝き、腹部は逆向きに毛が生え、毛の先は二岐に分かれていた。天気の良い日は眠るらしく頭を下げ、逆に風雨の日は元気になった。捕らえることができたのは、天から落ちたときに足を痛めたためであり、傷が治癒してから解放したという。

引用 wiki 雷獣

こちらが、ハクビシンの鳴き声です。

最後に

残念ながら、サイトや書籍からは、「昔から神の使いと言われ、なかなか見ることのできる動物ではなく、ハクビシンを見ると縁起が良いと言われている」という出典を見つけることは出来ませんでした。

ハクビシンは、長野県で天然記念物に指定されていたように、個体の数が少ない貴重な生物だったりして、それがハクビシンの縁起につながった可能性は否定できません。

60爺

江戸時代には、妖怪「雷獣」の基になったなんて資料を見つけられたのは良かったです。

しかし、現在は、下記のような被害が報告され、ハクビシンは害獣としての認識が高くなってしまいました。何度も言っていますが、60爺の実家も3番目の被害に遭いました。

  • トウモロコシ・カキ・ブドウ・ミカンなどの畑作物・果樹などの食害
  • 果樹園に入り込み、ビワ、ミカン、モモ、ナシ、カキなどを食べ荒らすし、深刻な農業被害を与える
  • 住居に侵入し、家具を噛まれる等の被害

これら農作物の被害額は、莫大な額に上っています。

※気づけば「縁起」の記事も増えてきました

参考

wiki ハクビシン
wiki 雷獣
~「寅」を食べる~食う虎 食わぬ虎
[今日の動物探偵!]本所七不思議の謎を解く!その2

調査した書籍
・グランド現代百科事典
・図詳エリア教科辞典
・ブリタニカ国際百科事典
・世界大百科事典
・野生動物観察辞典
・神社のどうぶつ図鑑
・神さまに選ばれた動物図鑑

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺