虹の縁起は悪いか?昔の評価と現在の評価は正反対ですよ!
虹を見ると幸せになる前兆と言われたりしますが、その一方で、迷信深い人々の間では、虹は畏怖の念を起こさせる現象とされたりして評価は真っ二つですね。
そもそも、虹は、めったのお目にかかれない現象でもありますし、さらにはちょっと目を離すと消えてしまいますので、そこに我々人間はいい意味だったり、悪い意味があると見出すですな。
今回は、そんな虹の縁起について考えたいと思います。
そもそも、漢字に虫偏がついているのは何故なんだろうとか、「虹は縁起が悪い」というお年寄りがいたりとか余り縁起が良くないような話を聞きますが、実際はどうなんだろうと。
サイトや文献をひっくり返して得られた結果をここにシェアしますので、じっくりと読み込んでくださいませ。
虹は縁起が悪い?
色々調べまくった結果、以下の結論でいいと思います!
虹の縁起は?
虹は縁起が良い!「めったに見られるモノではない」ので「良い」考えを取りましょう!
昔は虫と思われていた
昔は、「虹」は生き物であると考えられていたんです。地域ごとに、どの位までそう考えられていたのかを示します。
- 古代ギリシャでは紀元前300年ごろまで
- 中国では西暦1000年頃まで
- 日本では西暦1200年頃まで
古代中国では、「虹は3月に現れて10月に消える」という記載のある書物があり、冬に雨が少ない地域では、虹は春に発生して秋に姿を消す虫だと考えられていたようです。
そこで、「蛇(へび)」「蛙(カエル)」と同様に「むしへん」を用いて「虹」を現わしました。
さらに、虹には「霓(ゲイ)」という文字もあり、「虹(こう)」は「オスの虹」で「霓(げい)」は「メスの虹」の意味だったんです。さすが、中国、虹にもオスとメスがいると考えたとは凄いなあ~。
西洋でも東洋でも大昔から「にじは雨の子、雨の作り出すもの、雨が大好きな生き物」と思われていたようですね。
日本でも古文の時代には、虹はいわば怪現象で、脅威、畏怖、不安、不吉などの象徴だったようです。突然、空に七色の和のようなものが現れたら、ビックリしちゃいますよね!
この考え方が連綿と続いて、お年寄りの中には「虹は縁起が悪い」と思って居る方もいるんでしょう。
現在の評価は違う
現在では、虹は光学現象だとわかっており、その評価は変わってきています。虹が虫だという人は、さすがにもういらっしゃらないですね。
現在の虹の評価を並べてみます。
ここに上げた評価全てが、虹を縁起の良いものとしてみていますね。
№ | 評価 |
---|---|
1 | 虹は7色ということもあり、七福神と同じご利益を持っている |
2 | 虹が天と地の懸け橋という考え方 |
3 | 虹の根元にはお宝が眠るといった言い伝え |
4 | 虹は「明日への架け橋」「未来への架け橋」のイメージ |
5 | 虹は、雨が止んだ後の空に現れるものであり、「やまない雨はない」(あるいは「明けない夜はない」)というメッセージ |
6 | 虹を見ると願い事が叶う |
7 | 虹を見た時は人生が好転する |
8 | 2つの虹が同時に現れる「ダブルレインボー」は「幸運のサイン」「幸福のサイン」 |
9 | 虹は、7色の光(スペクトル)によって構成されており、「多様性」の象徴 |
うーん。いろいろな考え方をするもんだな~!60爺には及びもつかんですな!
60爺が虹を見たのを覚えているのは、嫁さんと結婚前にデート中に長野県で見たものと、10年ほど前に出勤時に見たモノ位ですかね。まあ、その後、嫁さんと無事結婚できたのはありますが、今考えると虹が幸運を運んできたのでしょうか?
10年ほど前に見た虹の後、何かが変わったか…、覚えがないですな~。
閑話休題、上記の個別の解説を行いましょう!
№1は欲張った考え方ですね。金運から何から何まで全部もらっちゃおうという考え方です。
№2については、「虹は神々が降りる場」と考え、それを迎える行事として市が開かれたそうです。市場が、天界や冥府といった他界と俗界の境界領域に立てられるものという考え方なんですね。
№3の伝承は世界各地に残されています。アイルランドの民話やアンデルセン童話集の「金の宝」、マクドナルド民話集の「黄金の鍵」があります。
№4は、滞っていた物事がスムーズに進んでいくイメージですね。諦めずに物事を進めましょう。思わぬところからフォローがあるかもしれません。
№7ですが、虹を見て前向きな気持ちで過ごすと人生が好転するんです~。
№8の意味は、虹を見ることも稀な中、二重の虹「ダブルレインボー」はさらに貴重で珍しいものなのでそう言われるようですな。

これら9つの内容を見ますと、虹は「めったに見られるモノではない」ところから、人間は様々な思いを乗せていたことがわかります。
結論でも言いましたが、色々な可能性があるので、悪い方向に考えるのではなく、ポジティブな考え方をする方が良いに決まっています。
前向きに考えようというのは、以下の記事でも言ってますよ~。
海外での評価
さて、それでは、海外では虹をどう考えているのか見ていきましょう。
外国etc | 評価 |
---|---|
キリスト教 | 「神との契約」「約束の徴」を意味する |
中国 | 龍の姿とする言い伝えがある。明確に龍虹と呼ぶ地域(広東省増城市)や、「広東鍋の取っ手の龍」を意味する?耳龍(広東省台山市)と呼ぶ地域もある。 |
インド | インドラ神が雷の矢を放つ弓であるとみなされた |
ハワイ | ムーンボウ(月明かりによって見える虹)が見えた時は幸福が訪れる |
ギリシア神話 | イリス(Iris)という伝令の女神そのもの |
オーストラリア | 天地に住み水をもたらす神の蛇である |
北欧神話 | 天上の神界に通ずる橋とみなされた。これをビフレスト(Bifrost)と呼ぶ |
ブリヤート人のシャーマニズム | 魂が天に昇る道である |
日本神話 | イザナギとイザナミが虹を渡って下界に来たとされる |
ガボン南部 | 人類の先祖は虹を通ってきたという俗信がある |
旧約聖書 | ノアの大洪水によって世界が滅亡したのちに現れたことから虹は神の証 |
シェットランド地方(スコットランド北方) | 家の上にかかる虹を見ることは死の前兆と解釈されている |
古代スラブ | 触れると天に引き上げられペルム神の力で身が変化すると考えられた |
注釈
インドラ:バラモン教、ヒンドゥー教の神の名称である
ブリヤート人:ロシア連邦やモンゴル国、中華人民共和国に住むモンゴル系民族
ガボン:ガボン共和国、通称ガボンは、中部アフリカに位置する共和制国家
古代スラブ:スラヴ神話のことで9世紀頃までにスラヴ民族の間で伝えられた神話のことである
ペルム神:スラヴ神話の主神であり、雷神
キリスト教と旧約聖書では「神との契約」「神の証」と同じ?モノを示しています。原罪を背負った人間が神から許された「契約の証」だそうです。
神が洪水で人間を滅ぼし、ノアの家族が箱舟から出た際、虹がはっきりと掛かり、神が「二度人間を滅ぼすことはしない」と言い、「弓(虹のこと)が現れるとき、契約を思い起こす」と言ったところから来ています。
キリスト教徒ではない 60爺からすると、旧約聖書の神って「自分の都合で勝手なことを言ってるな」としか思えませんがどうでしょう?
中国では龍、インドでは神の持つ弓、ギリシア神話では女神そのものを表しています。そして、オーストラリアでは神の蛇を示しています。総じて神聖な対象ですね!
北欧神話、ブリヤート人のシャーマニズム、日本神話及びガボン南部の内容は、表現は違うものの人間界と神の世界を繋ぐ通路を示しているようですね。
全体を見ると、ほとんどが聖なるモノとみなしていると見て良いと思います。
唯一、シェットランド地方のみが不吉なことだとみなしていますね…。
最後に
虹の縁起が悪いかどうかを見てきました。
雨が降った後、突然出現する虹が、世界中で虫だと思われていた時代があったんですね。
それが光学現象だとわかった後は、めったに見られないものとして、我々人間は、それを良いものとみなしている場合が多いことがわかりました。
待ったに出会えない虹をいいか悪いか判断するのは我々人間ですが、前向きな思考で「いいモノ」として扱った方が良いと思いますがどうでしょうか。
※気づけば「縁起」の記事も増えてきました
参考:
wiki 虹
カッセル英語俗信・迷信辞典
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