草冠に宣の漢字は「萱」!読み方・意味・名前での使われ方を解説
「草冠に宣」と書く漢字は「萱」です。
「萱」は、音読みで「カン」「ケン」、訓読みで「かや」「わすれぐさ」と読みます。
日本では、屋根を葺く材料となるススキやスゲなどをまとめて「かや」と呼び、「萱」の字を当てることがあります。
また、「萱」は人名用漢字であるため、子どもの名前にも使用できます。
この記事では、「萱」の読み方と意味、漢字の成り立ち、植物としての特徴、名前での使われ方などを分かりやすく解説します。
草冠に宣の漢字「萱」の読み方と意味
草冠に「宣」を組み合わせた「萱」には、「かや」と「わすれぐさ」という二つの代表的な意味があります。
まずは、「萱」の基本情報を確認しましょう。
萱
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 艹(くさかんむり) |
| 画数 | 12画 |
| 音読み | カン・ケン |
| 訓読み | かや・わすれぐさ |
| 意味 | ワスレグサ。屋根を葺く材料となるススキやスゲなどの総称 |
| 漢字の種類 | 人名用漢字・形声文字 |
「萱」は、音読みで「カン」「ケン」、訓読みで「かや」「わすれぐさ」と読みます。
中国での本来の意味は「わすれぐさ」で、憂いを忘れさせるといわれた多年草を表します。

「忘憂草(ぼうゆうそう)」という別名も、この意味から生まれたものです。
一方、日本では「かや」と読み、茅葺き屋根の材料に使うススキやスゲなどの草をまとめて表します。


特定の一種類の植物だけを指すのではなく、屋根を葺くために利用される草の総称です。

したがって、「萱」には「ワスレグサを表す意味」と、日本独自の「かやを表す意味」があると覚えると分かりやすいでしょう。
「萱」の書き順
「萱」は全部で12画です。

最初に草冠を3画で書き、続いて下の「宣」を書きます。
「宣」の中央にある「日」と、その下の横画の位置を意識すると、全体の形を整えやすくなります。
「萱」の由来と漢字の成り立ち
「萱」は、草を表す「艸」と、音を表す「宣」を組み合わせた形声文字です。
草冠が植物に関係する漢字であることを示し、「宣」が「萱」の音を表しています。
「漢字源」では、「宣」には、つかえているものを外へ通してすっきりさせるイメージがあると説明されています。
そこから「萱」は、心の中にある憂いを取り去り、忘れさせると考えられた草を表すようになりました。
この草が「ワスレグサ」や「忘憂草」と呼ばれるのも、「憂いを忘れさせる草」という意味によるものです。
※草冠に〇で構成される漢字の記事の中で紹介しています。
「萱」が表すワスレグサとは
「萱」の本来の意味は、植物のワスレグサです。
ここでは、ワスレグサの特徴と「忘憂草」と呼ばれる理由を見ていきましょう。
ワスレグサの特徴
ワスレグサは、ワスレグサ属の多年草です。
根元から細長い葉を伸ばし、夏になるとユリに似たオレンジ色の花を咲かせます。
野原や田のあぜ、小川のほとりなど、やや湿り気のある場所に生える植物です。
花が朝に開いて夕方にはしぼむ一日花として知られ、英語では「デイリリー」と呼ばれます。
ただし、一つの株には複数のつぼみがつき、順番に開花するため、花はしばらく楽しめます。
ワスレグサが「忘憂草」と呼ばれる理由
ワスレグサは古くから、眺めたり身に着けたりすると憂いを忘れられると考えられてきました。
そのため、「憂いを忘れさせる草」という意味で「忘憂草」とも呼ばれます。
「萱」の字にも、心の中のつかえを外へ出して、気持ちをすっきりさせるという考え方が込められています。
実際に心配事を忘れさせる効能が確認されているという意味ではなく、古くから伝わる植物の呼び名やイメージとして理解するとよいでしょう。
「萱」と「茅」の違い
「萱」と「茅」は、どちらも「かや」と読み、屋根を葺くために使われる草を表します。
意味が重なるため、完全に別の植物を指す漢字ではありません。
「萱」は本来、ワスレグサを表す漢字ですが、日本ではススキやスゲなど、屋根を葺く材料となる草の総称としても使われるようになりました。
一方の「茅」は、植物のチガヤを表すほか、ススキやチガヤなど、屋根材にする草の総称として使われます。
現在は、草で屋根を葺くことを「茅葺き」、その屋根を「茅葺き屋根」と書くのが一般的です。
「萱葺き」という表記もありますが、通常は「茅葺き」が多く使われます。
つまり、「萱」と「茅」には、ともに屋根材となる草を表す用法がありますが、「萱」にはワスレグサという本来の意味があり、「茅」にはチガヤという意味がある点が異なります。
「萱」は名前に使える?
「萱」は人名用漢字であるため、子どもの名前に使用できます。
草冠に「宣」と書く形から説明しやすく、自然や植物を感じさせる漢字です。
「萱」を名前に使う意味
「萱」が表すワスレグサは、「憂いを忘れさせる草」と考えられ、「忘憂草」とも呼ばれてきました。
そのため、名前には「周囲の人を明るくできる人に育ってほしい」「人の心を和ませる優しい人になってほしい」といった願いを込められます。
また、日本では丈夫に育つススキなどの草を「かや」と呼ぶことから、自然の中でたくましく成長するイメージにもつながります。
「萱」を使った女の子の名前
「萱」は「かや」という柔らかな響きを生かして、女の子の名前に取り入れられます。
名前の例としては、「萱(かや)」「萱乃(かやの)」「萱子(かやこ)」「萱香(かやか)」などが考えられます。
「萱」を使った男の子の名前
男の子の名前では、「萱人(かやと)」「萱斗(かやと)」など、「かや」の読みを生かした名前が考えられます。
「萱」には「ただ」「まさ」などの名のりが挙げられることもありますが、一般には読まれにくい読み方です。
読みやすさを重視するなら、「かや」と読む名前の方が漢字の意味と読み方のつながりを説明しやすいでしょう。
ただし、「萱」は日常生活で目にする機会が少なく、「かや」とすぐに読んでもらえない可能性があります。
「萱」のつく苗字と読み方
「萱」は、名前だけでなく苗字にも使われる漢字です。
「萱」一文字の苗字をはじめ、「萱野」「萱沼」などが実在します。
代表的な苗字と主な読み方は、次のとおりです。
| 苗字 | 主な読み方 |
|---|---|
| 萱 | かや |
| 萱野 | かやの・かんの |
| 萱沼 | かやぬま・すがぬま |
| 萱島 | かやしま・かやじま |
| 細萱 | ほそがや・ほそかや |
「萱」は苗字の中で「かや」と読むことが多いものの、「かん」「すが」「がや」などと読む場合もあります。
同じ漢字の苗字でも、家系や地域によって読み方が異なるため、実際の読み方は本人に確認するのが確実です。
まとめ
草冠に「宣」と書く漢字は「萱」です。
音読みでは「カン」「ケン」、訓読みでは「かや」「わすれぐさ」と読みます。
「萱」は本来、憂いを忘れさせると考えられたワスレグサを表す漢字です。
日本では、茅葺き屋根の材料となるススキやスゲなどの草をまとめて「かや」と呼び、「萱」の字を当てることがあります。
また、「萱」は人名用漢字であるため、子どもの名前に使用できます。
「憂いを忘れる」「人の心を和ませる」といった明るいイメージを持つ一方、名前では読み方が伝わりにくいこともあるため、読みやすさを考えて選ぶとよいでしょう。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
名字由来net
※気づけば草冠の漢字の記事も増えてきました










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