草冠に可の漢字は「苛」!読み方・意味・成り立ちを解説
草冠に「可」と書く漢字は「苛」です。
「苛」は音読みで「カ」、訓読みで「いじ(める)」と読み、厳しい、苦しめる、いらだつなどの意味を持ちます。
「苛酷(かこく)」「苛烈(かれつ)」のほか、「苛立つ」「苛める」といった言葉で目にする漢字です。
この記事では、「苛」の読み方と意味、漢字の成り立ち、苛のつく言葉や苗字での使われ方について紹介します。
草冠に可の漢字「苛」の読み方と意味
草冠に「可」を組み合わせた「苛」は、厳しさや苦しみを表す言葉に使われる漢字です。
まずは、基本情報を確認しましょう。
苛
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 艹(くさかんむり) |
| 画数 | 8画 |
| 音読み | カ |
| 訓読み | いじ(める) |
| 意味 | 厳しい、苦しめる、責める、いらだつ、わずらわしい |
| 漢字の種類 | 常用漢字 |
「苛」の読み方と意味を、もう少し詳しく見ていきましょう。
「苛」の読み方
「苛」の音読みは「カ」です。
「苛酷(かこく)」「苛烈(かれつ)」「苛政(かせい)」などの熟語で使われます。
常用漢字表に示されている訓読みは「いじ(める)」です。
辞書では、このほかに「いら(だつ)」「から(い)」「きび(しい)」「さいな(む)」「わずらわ(しい)」などの読みも掲載されていますが、いずれも表外読みです。
日常では、「苛立つ(いらだつ)」「苛む(さいなむ)」などの言葉で目にすることがあります。
「苛」の意味
「苛」には、厳しい、激しい、むごいという意味があります。
人を責めたり苦しめたりする意味もあり、「苛める」は相手につらい思いをさせること、「苛政」は人民を苦しめる厳しい政治を表します。
また、細かくてわずらわしい、いらいらするといった意味でも使われます。
「苛立つ」が、思いどおりにならず気持ちが落ち着かない状態を表すのは、この意味によるものです。
「苛」は全体として、厳しさや刺激、心身を苦しめる状態を表す漢字といえるでしょう。
「苛」の書き順
「苛」は、草冠を先に書き、その下に「可」を書きます。

全部で8画です。
「可」の部分は、上の横画を書いたあとに「口」を完成させ、最後に縦の線を下ろしてはねます。
「口」より先に縦の線を書くのではない点に注意しましょう。
「苛」の由来と漢字の成り立ち
「苛」は、意味を表す「艸(くさ)」と、音を表す「可(カ)」を組み合わせた形声文字です。
「艸」は、現在の草冠に当たります。
古代中国の字書『説文解字』では、「苛」は「小さな草」を表す漢字とされています。
一方、「漢字源」では、「可」が「つかえて曲がる」というイメージを持ち、「艸」と組み合わさることで、刺や毒のある草が体を刺激する様子を表すと解説されています。
そこから、強い刺激を与える、厳しく責める、苦しめるという意味に広がりました。
「苛酷」「苛烈」「苛める」などに共通する厳しさや苦しさは、この成り立ちにつながっています。
なお、「可」は主に「カ」という音を表しており、「可能」などで使われる「よい」「できる」という意味を、そのまま草冠と組み合わせた漢字ではありません。
「苛」のつく言葉
「苛」は、厳しさや苦しみ、いらだちを表す言葉に使われています。
現代でも比較的目にする言葉をまとめました。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 苛立つ | いらだつ | 思いどおりにならず、いらいらする |
| 苛める | いじめる | 弱い立場の人などを苦しめる |
| 苛む | さいなむ | 人を苦しめたり、厳しく責めたりする |
| 苛酷 | かこく | 扱いや条件などが非常に厳しく、むごいこと |
| 苛烈 | かれつ | 非常に厳しく、激しいこと |
| 苛政 | かせい | 人民を苦しめる厳しい政治 |
| 苛性 | かせい | 皮膚などを腐食するほど作用が強い性質 |
「苛立つ」「苛める」「苛む」は、「苛」を訓読みする言葉です。
ただし、「いじめる」は一般に平仮名で書かれることが多く、「苛める」のほかに「虐める」と表記されることもあります。
「苛酷」「苛烈」「苛政」では「カ」と音読みし、いずれも普通より厳しい状態を表します。
「苛性」は「苛性ソーダ」などの化学用語に使われ、皮膚や物質を強く侵す性質を表す言葉です。
「苛」は、「草冠に〇で構成される漢字」の記事の中で紹介しています。
「苛」は名前に使える?
「苛」は常用漢字に含まれているため、子どもの名前に使用できる漢字です。
ただし、「苛」には、厳しい、苦しめる、責める、いらだつといった意味があります。
「苛める」「苛酷」「苛烈」など、厳しさや苦しさを表す言葉に使われるため、名付けに向いているとはいいにくい漢字です。
読み方や字形だけでなく、漢字から受ける印象を考えても、実際の名前に「苛」が使われることはほとんどないでしょう。
「苛原」の読み方は?
「苛」を使った苗字には、「苛原」があります。
「苛原」の読み方は「いらはら」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 苗字 | 苛原 |
| 読み方 | いらはら |
| 全国順位 | 18,482位 |
| 全国人数 | およそ250人 |
「苛原」は全国的に珍しい苗字で、徳島県をはじめとする地域で見られます。
「苛原」の「苛」は、熟語で使われる「カ」ではなく、「いら」と読まれている点が特徴です。
なお、苗字は土地の歴史や地名などをもとに成立しているため、「苛」が持つ厳しい、苦しめるといった意味を、そのまま苗字の意味として捉える必要はありません。
まとめ
草冠に「可」と書く漢字は「苛」です。
音読みは「カ」、常用漢字表に示されている訓読みは「いじ(める)」で、このほかに「いら(だつ)」「さいな(む)」「から(い)」などの表外読みがあります。
「苛」は、意味を表す「艸」と、主に音を表す「可」を組み合わせた形声文字です。
厳しい、苦しめる、責める、いらだつなどの意味を持ち、「苛立つ」「苛酷」「苛烈」といった言葉に使われます。
常用漢字なので名前にも使用できますが、厳しさや苦しみを連想させるため、名付けに向いているとはいいにくい漢字です。
苗字では「苛原」と書いて「いらはら」と読む例があります。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
苛|名字由来net
※気づけば草冠の漢字の記事も増えてきました









60爺




ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません