桜は名前に良くない?7つの否定的意見をガッツリとチェックする

春の象徴として古くから親しまれてきた「桜」という漢字。

しかし、近年ネット上では「桜は名前に良くない」という否定的な意見が散見されるようになりました。

儚(はかな)さや散り際の美しさを持つ桜のイメージが、名前として使うには縁起が悪い、長続きしない印象を与えるといった指摘が一部でされています。

果たして、こうしたネガティブな意見にはどれほどの根拠があるのでしょうか?

本記事では、桜という漢字の持つ意味やイメージ、さらには、否定的な意見の真偽について論理的かつ徹底的に検証していきます。

「桜」を名付けに使おうと考えている方や、この漢字のついたに興味がある方にとって、参考になる内容をお届けします。

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桜という漢字の基本情報

最初に、「桜」という漢字の基本情報である読み方から意味及び成り立ちを確認しましょう。

漢字
画数10画
音読みオウ
訓読み-(日本語のみ)さくら
意味①木の名。バラ科バラ族の落葉小高木。シロハナミザクラ
②さくら色の。あかい。
③姓の一つ
意味
(日本語のみ)
①木の名。バラ科サクラ族の落葉高木。サクラ
②馬肉
③露店などで客を装って買うふりをして他の客の購買心を起こさせる人

桜の音読みは「オウ」、訓読みはなんですね。

「さくら」と読ませるのは、日本語のみなんですな!

あちらでは、サクラはサクラでも、シロハナミザクラ(シナミザクラ)を指します。

シナミザクラ

このサクラ、中国原産で、春に白い花が咲き、夏に赤く熟してサクランボとなり食用になります。

木材は器具用に用いられます。

2番の意では「桜唇(オウシン):あかいくちびる」という言葉があります。

日本語の意味では、日本の代表的な花である「サクラ」を指します。

ソメイヨシノ
ソメイヨシノ

桜の成り立ち

「桜」のコアイメージと初義は次の通りです。

  • コアイメージ:四方に発散する
  • 初義:明るい

解字は「光(コウ 四方に発散する)」+「日(日光)」です。

ここから、日光が四方に発散する情景を表し、明るい状況を表すんですね。

ここまで見てきて、桜という漢字には悪い意味は一切ありませんでしたね!

※「晄」については、次の記事に詳しいので、是非、目を通してください。
日に光で漢字「晃」「晄」!読み方から意味・名前のつけ方まで総特集

「桜」という漢字のイメージ

「桜」という漢字は、日本人にとって特別な感情を呼び起こす存在です。

この字を見るだけで、春の訪れや、淡いピンク色に染まる風景が思い浮かびます。

この漢字の旧字「櫻」の構成を見ると、「木」に「貝」が加わっており、古来より貴重とされた貝が付くことで、美しさや価値を象徴しているとも解釈できます。

桜の花は、咲いてもすぐに散る儚さが特徴で、その一瞬の美しさは「もののあはれ」や「無常観」といった日本文化の根底にある感性を映し出しています。

また、卒業や入学、新生活の始まりなど、人生の節目と重なる時期に咲くことから、桜は希望と別れ、出会いと再出発を象徴する花でもあります。

このように、「桜」という漢字には、視覚的な美しさだけでなく、日本人の心に深く根ざした情緒や精神性が込められていると感じます。


桜に対する6つの否定的意見をチェック

基本情報からは「晄」に悪い意味はなく、名付けにも問題ないようです。

ただ、やはり、ネットをみていくと「晄」に対してネガティブな意見がありますね。

そんなネガティブな意見を一覧にまとめ、60爺の寸評を追記しました。

ネガティブな意見60爺の寸評
1桜のイメージにプレッシャーを感じる名前の意味は本人の個性を縛るものではなく、本人に前向きな影響を与え、大きな自信となる
2桜は縁起が悪い過去の印象に縛られて、現在のポジティブな意味合いをなくすのは愚かなこと
3桜はキラキラネームになるからキラキラネームは漢字に勝手な読みを作った場合に起こる
4「儚さ」や「短命」をイメージさせる一面だけを見てイメージが悪いと決めつけるのではなく、桜の持つ豊かな象徴性にも目を向けるべき
5やらせの意である「サクラ」のイメージ俗語的な意味を理由に避けるのは、桜の本来の美しさや豊かな象徴性を見落としてしまう
6木へんの漢字は「枯れる」イメージがあるので良くない文字の一部の印象だけで判断せず、文化的背景や象徴性を総合的に考えるべき
7桜は戦争を思い浮かべるから良くない桜本来の美しさや前向きな意味まで否定するのは適切ではない

7つのネガティブな意見が出ました。

いくつかの意見は一理ありますが、反対のための反対と取れる意見も複数存在します。

個別の意見を、もう少し、細かく見ていきましょう。

桜のイメージにプレッシャーを感じる

今、挙げてきたように、「桜」は日本人にとって思い入れが多い漢字です。

桜は「美しさ」「華やかさ」はポジティブなイメージを持つものですから、それらのイメージに自分が及ばないとプレッシャー感じ、自信喪失してしまう可能性があります。

しかし、名前の意味は本人の個性を縛るものではありません。

むしろ、「桜」の持つイメージは、本人に前向きな影響を与え、大きな自信となるでしょう。

桜は縁起が悪い

武士道の精神では、潔く美しく散ることが美徳とされ、桜がその象徴とされた面はあります。

しかし、それは勇気や誇りを重んじる価値観の一つであり、必ずしも不吉という意味ではありません。

むしろ、桜は一瞬の美しさや命の尊さ、儚さを通して人生の価値を表す存在と捉えることもできます。

名前に桜を使うことは、命の輝きや成長への願いを込める、尊く希望に満ちた選択です。

過去の印象に縛られて、現在のポジティブな意味合いをなくすのは愚かなことだと思います。

桜はキラキラネームになるから

キラキラネームとは、漢字に勝手な読みを作った場合に起こるんです。

ですから「桜」に限らず、どんな漢字でも起こりえます。

「桜」を「ぴーち」と読ませる例があるようですが、キラキラネーム決定です。

漢字辞書を見て名前を付ければ、そういう問題は解決します。

「儚さ」や「短命」をイメージさせる

桜の花が儚く散りやすいことから、「短命」や「終わり」を連想させるというイメージに由来しています。

しかし、桜は古来より日本文化に深く根付いた花であり、上述したように、春の訪れや新たな門出を象徴する存在として、多くの人々に愛されてきました。

名前に「桜」を用いることは、そうした前向きな意味を込めることができ、美しさや強さ、優しさといった価値を表すことも可能です。

一面だけを見てイメージが悪いと決めつけるのではなく、桜の持つ豊かな象徴性にも目を向けるべきです。

やらせの意である「サクラ」のイメージ

「サクラ」という言葉には、「やらせ」や「仕込み客」といった否定的な意味もあるため、名前に使うのは良くないという意見です。

しかし、このような俗語的な意味は、あくまで一部の場面に限られた使われ方であり、本来の「桜」という言葉や漢字には全く異なるものです。

名前に込める意味は、その言葉が持つ本質的な価値や文化的背景によって判断されるべきです。

俗語的な意味を理由に避けるのは、桜の本来の美しさや豊かな象徴性を見落としてしまうことにつながります。

木へんの漢字は「枯れる」イメージがあるので良くない

木に関連する文字が枯死や老いを連想させるという印象から来ていると考えられます。

この意見は、ご年配の方に、おっしゃる方がいるようです。

しかし、「桜」という字は、春に咲き誇る生命力あふれる花を表しており、「枯れる」どころか再生や希望、新しい始まりを象徴する存在です。

名前に「桜」を使うことは、命の尊さや美しさ、一瞬を大切にする心を込めることができる、非常に意義深い選択です。

文字の一部の印象だけで判断せず、文化的背景や象徴性を総合的に考えるべきです。

桜は戦争を思い浮かべるから良くない

過去の戦争で、特攻隊など戦時中に桜が象徴として使われた歴史に由来しています。

確かに、桜が命の儚さや散華の象徴として利用された背景は否定できません。

しかし、それは、桜そのものが持つ意味ではなく、時代や状況によって一部の人々が象徴的に用いただけにすぎません。

戦争の記憶を正しく伝えることは大切ですが、それによって桜本来の美しさや前向きな意味まで否定するのは適切ではありません。

名前に桜を使うことは、平和や希望を込める行為とも言えるのです。

■木へんの漢字が名前に良くないについて多数記事を書いています。

桜を名前に付けるポイント

「桜」という漢字は、その意味からしても名付けにふさわしい漢字です。

名前に使われる「桜」の印象を見ておきましょう。

「桜」という漢字は、日本人にとって非常に親しみのある響きを持ち、長年にわたって人気のある名前のひとつです。

その人気の背景には、いくつかの文化的・感覚的な理由が存在します。

まず、「桜」という漢字が持つ美しさと、日本文化における象徴性が挙げられます。

春や日本文化との結びつき

桜の花は春の訪れを告げる花として知られ、その満開の姿は新しい始まりや希望、明るさを象徴しています。

入学式や新生活のイメージとも重なり、未来を祝福するような明るい印象が込められています。

人生の門出に名付けられる名前として、非常にふさわしいと感じられるのです。

響きの美しさ、漢字の印象

また、「さくら」という響き自体が柔らかく、やさしい印象を与えるのも人気の理由です。

音の響きは母音が多く、日本語らしい温かみを感じさせます。

誰にでも親しみやすく、覚えやすいのもポイントでしょう。

さらに、桜は日本の国花であり、日本人の美意識や精神性を象徴する存在でもあります。

短命であることから「儚さ」が語られることもありますが、それは裏を返せば「美しく潔い生き方」「一瞬の輝きの尊さ」といった美徳の表現でもあります。

日本の古典や詩歌でも桜は頻繁に登場し、豊かな感性の象徴として扱われてきました。

これらの要素が重なり、「桜」は見た目・響き・意味すべての面においてバランスが取れた、非常に魅力的な名前として多くの親に選ばれているのです。

名付けについて

この漢字は何度も述べてきたように、古来から愛され、美しさと日本の情緒を感じさせます。

桜の持つ、魅力的な事柄から、次のような願いを込めることができるでしょう。

  • 生命の尊さ・美しさを理解し、輝く人生を歩んでほしい
  • 桜の花のように、美しく、しとやかに育ってほしい
  • 桜の純粋なイメージを持つ心清らかな人になってほしい
  • 強い生命力を持って人生を歩んでほしい

「桜」という漢字は、特に女の子の名前として使われることが多く、名付けランキングでも上位に登場する常連といえるでしょう。

たまひよの赤ちゃんの名前ランキングでも次の名前がベスト100に入っています。

名前2025年2024年2023年2022年2021年
美桜(みお)21位23位21位23位16位
実桜(みお)78位96位89位
桜(さくら)71位68位70位59位
桜都(おと)83位

この5年間に4つの名前がベスト10入りしていました。

美桜(みお)、実桜(みお)、桜(さくら)、桜都(おと)と、皆、かわいい女の子の名前です。

名前に「桜」のある有名人

名前に「桜」のある有名人を見ていただきます。

名前読み職業
今田美桜いまだみお女優、ファッションモデル
大久保桜子おおくぼさくらこ女優、グラビアモデル
大原櫻子おおはらさくらこ女優、歌手
小川桜花おがわようかアーティスト、Girls
工藤美桜くどうみお女優、タレント
末永桜花すえながおうか元SKE48
朝長美桜ともながみおYouTuber、元HKT48
西井美桜にしいみおSKE48

今回挙げた桜を名前に持つ有名人は、全て女性でした。

60爺は、若い女の子の名前は存じ上げないので、知っている方は、トップの「今田美桜」位ですね^^;。

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最後に

「桜」という日本人に大きく結びついている漢字について、名前に良くないとの噂を聞いて、その実態を追いかけてきました。

基本情報では、余り良くない意味があったものの、イメージ的には大変良い漢字でした。

ただ、名前には良くないという否定的意見が7つもありました。

その内容は、まあ、イメージ的に良くないことを膨らましたものや、反対のための意見が多々ありました。

名付けにはポジティブで良いイメージのある「桜」、自信を持って使っていきましょう。

※気づけば「この漢字は名前に良くないのか」の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら