てへんに出ると書いて拙!意味・読み方から苗字での使われ方まで総特集

2023年5月22日

60爺

現役時代は、仕事はスピードと正確性と言われていました。私は、スピードはあったんですが…。

仕事は速くて正確が一番ですね。最悪なのは遅くて不正確!2番目にいいのは、遅いが正確なこと。60爺は、早いが、やや雑な所が玉にキズでした。こういうのを「拙速(せっそく)」というんです。

この「せっ」に当たる「拙」ですが、てへんに出ると書くんですね。

この漢字、なかなか面白いですね。ライフワークのシリーズものには含まれませんが…。

今回は、このてへんに出るの「拙」について、意味・読み方から書き順、そして、拙を含む言葉までを総特集しようと思います。

それでは、ご一緒に見ていきましょうか。

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てへんに出るといえば拙!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、拙の意味と読み方を明確にしましょう。

拙の読み方と意味

画数 :8画
音訓:セツ つたな・い
意味
①つたな・い。見劣りがする。まずい。②人工を加えない素朴な心。③自分のことを謙遜していうことば。

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

「拙」の音読みは「セツ」で、訓読みは「つたな・い」です。

意味は3つあります。トップは「つたな・い」、能力が劣っていることを示すんですな。例として「拙工(せっこう)」:下手な職人と、「拙謀(せっぼう)」:へたなはかりごと、が挙がっていますが、後者は国語辞典には存在しませんね。

2番目の意味は、「世渡り下手」に当たるのでしょうか。

3番目の意味は、例えば「拙宅(せったく)」のように、自分の家を謙遜していう場合に使います。

拙の書き順を見てみましょうか。

この漢字の書き順は簡単ですね。扌(てへん)と出を順に書けばいいんです!間違える要素はないでしょう。


もっと詳しく知ろう!拙の漢字としての由来や成り立ち

拙の字源を見ておきます。

拙=「出(シュツ・突き出る)」+「手(て)」(会意※)。出は足がくぼみから外へ出ていく情景。出という語は突・凸・徹などと同源で、一(一線)を基準として上方へ↑の形に突き出るというイメージがある。図示すると^の形。視点を変えると▽の形。すなわち「下方に突き出る」「下方にへこむ」というイメージにも転化。拙は手の技が標準よりも下方にへこんだ状態を暗示させる。

引用 上級漢和辞典 漢字源 学研

会意※とは、漢字の造字法である六書(りくしょ)の一つ。既成の象形文字または指事文字を組み合わせること。

元々の文字は情報へ突き出るイメージだったものが、視点を変えたことで、真逆の下方へ突き出る意味に変化しちゃったとは!拙にとっては、いい迷惑なんですな。

次の章では、「拙」のつく言葉を見ていきましょう。

拙のつく言葉

拙のつく言葉を集めてみました。

拙のつく言葉読み意味
拙悪セツアクへたで悪い。
拙宦セッカン①役人として出世がへたな者。②低い官職。
拙吟セツキ゛ン{拙詠(セツエイ)}①へたな詩歌。②自分の詩歌、または、歌う声をへりくだっていうことば。
拙荊セッケイ{拙妻(セッサイ)}他人に対して、自分の妻をへりくだっていうことば。▽「荊」は、いばら。
拙工セッコウ技術のへたな職人。
拙巧セッコウへたなことと、じょうずなこと。《類義語》巧拙。
拙作セッサクつたない作品。自分の作品をへりくだっていうことば。
拙者セッシャ知識や能力が劣っている者。《日本語での特別な意味》江戸時代、武士が用いた自称の代名詞。
拙誠セッセイ行いはつたないが、飾りけがなく真心のあること。「巧詐不如拙誠=巧詐は拙誠に如かず」〔韓非子・説林上〕
拙僧セッソウ僧侶が自分のことをへりくだっていうことば。《類義語》愚僧。
拙樸セツホ゛ク{拙朴(セツホ゛ク)}素朴で飾りけのないこと。
拙劣セツレツへたで人より劣ること。

「拙巧」ですが、意味の中にある「巧拙」を主に使うような気がします。

「拙者」は時代劇などで、武士が自分を呼ぶときに使っていますが、日本語での特別な意味なんですね。「拙僧」も小説の中で見たことがあります。

次の章では、「拙」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。

名前に使われる際のポイントは

拙という漢字は、名前に使えますが今まで見てきたように、「素朴」という意はあるものの、良い意味を持った漢字ではありません。

そんなこともあり、名付けには向かない漢字だと判断しました。

60爺

代りに苗字を見に行きましょう。

さて、苗字を見に行きましたが、拙のつく苗字は2つしか見つかりませんでした。拙家と拙冬ですね。

それぞれ見に行ってみます。まずは、拙家からです。

【名字】拙家
【読み】せっか,せつか
【全国順位】 71,791位
【全国人数】 およそ10人
参考資料 名字由来net

読みは2種類あって、この名字は、北海道、岩手県、愛知県にみられます。それにしても、人数が少ないですね。全国で、およそ10人。湫も同じ人数でしたが、あちらは順位が8万番台で負けてます。

それでも、珍苗字には違いないですね!

次は拙冬を見に行ったのですが、こちらは調査中で明確な答えには至りませんでした。こちらも、珍しい苗字に入ると思いますが残念でした。ちなみに、読みは「ぬくとう,ぬくと」と変わってます!

最後に

60爺

冒頭で言いましたが、私は「拙速」だと言われました。正確性がいまいちでしたね。遅いよりはいいと思っていますが…。

意味は3つあったんですが、「見劣りがする。まずい。」という見合いが強くて、他の「素朴」と謙遜していうことばが隠れ気味になるのは仕方ないんですかね。

今回は、拙のつく言葉がたくさん出てきましたが、余り良い言葉には使われていない印象を受けました。

また、そういう意味で名付けには向かない漢字でしたね~。苗字も少なく、唯一あった苗字も人数がおよそ10人と偉く少なかったです。

今回はシリーズものから外れた漢字を題材に選びましたが、それなりに面白かったです。次の漢字をお楽しみに。

※気づけばてへんの記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺