犬が3つの漢字「猋」!読み方から意味・変換の仕方まで総特集
漢字の中には、思わず「どうやって読むの?」と驚かされるような形をしたものが数多く存在します。
その代表例のひとつが「猋」という字です。
ぱっと見、犬が3つ並んでいるユニークな構造で、初めて目にした人の多くは思わず二度見してしまうことでしょう。
イメージ的には、犬が駆け回る勢いを表しているのでしょうか。
こんなユニーク「猋」、日常生活で目にすることは滅多になく、辞書や難読漢字クイズなどで出会う程度ですね。
本記事では、「猋」の正しい読み方や意味、パソコンやスマートフォンでの入力方法までを徹底的に洗い出していきます。
普段はなじみの薄い漢字ですが、知っておくと雑学として一目置かれる存在になるはずです。
それでは、どうか最後までお楽しみください。
犬が3つの漢字「猋」!読み方や全体像をまずはチェック
それでは、犬が3つの漢字「猋」の基本情報をみていきましょう。
部首 | 犬 |
画数 | 12画 |
音読み | ヒョウ |
訓読み | つむじかぜ |
意味 | ①かすめるような勢いで走るさま ②つむじかぜ。渦を巻きながら吹きあげる風 |
犬が4画ですから、猋は4×3で12画となります。
この漢字は、前々回の「惢」、前回の「鑫」と同じく、環境依存文字ですので、OSに違い等によって、正しく表示されない場合があります。
品自様と言って、「同じ漢字が3つ集まってできる字」の仲間です。

音読みは「ヒョウ」で、訓読みは「つむじかぜ」です。
意味は2つあって、「かすめるような勢いで走るさま」と「つむじかぜ」を指します。
動物の漢字が3つ集まってできる漢字は他に「犇(はしる。牛が驚いて、一斉に走り出す)」や「羴(生臭い。ヒツジの肉がなまぐさい」があります。
「つむじかぜ」には、「飄(飃)」、「飆(飇・飈)」のような難しい漢字があります。
⇒ 「つむじかぜ」を漢字で書くと?基本から全ての難読表記までをご紹介
※前回と前々回の同じ漢字が3つの記事です。
⇒ 金が3つの漢字「鑫」!読み方から意味・各機器での打ち方まで総特集
⇒ 心3つの漢字「惢」!読み方から意味・各機器での打ち方まで総特集
もっと詳しく知ろう!の漢字としての由来や成り立ち
「猋」は、「犬」+「犬」+「犬」で構成される会意文字です。
犬がさっと走り抜ける意味になりました。
複数の犬がじゃれると、ぐるぐると渦を巻くような仕草をするところから、「つむじかぜ」の意に展開したのでしょうか。
さきほど紹介した記事にありますが「旋風」も「つむじかぜ」と読むんですね。
「猋風(ヒョウフウ)」も「つむじかぜ」の意ですね。
名前・名字に使われることはあるか
「猋」は常用漢字でも人名用漢字でもないため、名前に付けることは出来ません。
次に、一文字の「猋」という名字を調べましたが見つかりませんでした。
「猋」に他の漢字を付加した名字も見つかりませんでした。
やはり、環境依存文字ですので、名前・名字ともに存在しないようですね。
その他の猋
「猋社」という会社があるようです。
「里の猋」という純米酒がありますね。
「さとのつむじかぜ」と読みます。
滋賀県⾼島市マキノ町で作られるお酒です。
「猋」の変換の仕方
それでは「猋」をパソコン・スマホ・テプラで、どうやって出すかについて見ていきましょう。
パソコン
パソコンでは、環境依存文字ですが何とか出すことができます。
- 文字変換での打ち方
- Unicodeを使った打ち方
それぞれの手順を示します。
文字変換での打ち方
「ひょう」と入れて文字変換することで「猋」を出すことができます。

変換キーを何度も押すと、変換候補に「単漢字」が出てくるのでクリックします。

新たに表示された変換候補を順に探していくと「猋」が表れるのでクリックします。


「猋」が入力できました。

「つむじかぜ」で文字変換しても、「飄(飃)」、「飆(飇)」は候補にあるんですが、「猋」は出てきません!
Unicodeでの打ち方
パソコンでは、Unicode変換でも「猋」の入力ができます。
- 日本語で「730B」と入力
- 日本語で「730B」と入力します。
右のように「730b」となりますが問題ありません。

- F5キー押下
- F5キーを押します。
候補が表示されるので、「猋」をクリックします。

- 「猋」入力完了
- 「猋」が入力できました。

スマホ
文字変換(ひょう、つむじかぜ)は候補が出ず断念、さらに、手書き入力でも出せません。
本サイトの「猋」をコピー&ペーストする方法か、漢字登録するしか手がありません。
※コピー&ペースト・漢字登録は次の記事を参考にしてください。
⇒ 魈という漢字の出し方!パソコン・スマホで変換できない時の解決策
テプラ
テプラPRO SR300(下位機種)、SR530(上位機種)の取扱説明書で「猋」を検索しましたが、両者とも見つけることができませんでした。
どうやら、パソコンに接続できる機器でないと「猋」をテープに印刷することはできないようです。
最後に
「猋」は犬が三つ並んだ形から生まれた珍しい漢字で、音読みで「ヒョウ」訓読みで「つむじかぜ」と読み、猛烈な風や荒々しい勢いを表します。
日常生活ではほとんど使われませんが、成り立ちを知るとそのダイナミックな表現力に納得できるでしょう。
パソコンでは文字変換(ひょう)とUnicode変換が出来ましたが、スマホはコピー&ペーストのみ、テプラではパソコン接続用でないと入力できませんね。
まあ、見慣れない漢字だからこそ、知っているだけで知識の幅が広がり、ちょっとした話題づくりにも役立ちます。
参考
上級漢和辞典 漢字源
白水社 中国語辞典|Weblio
※「同じ漢字3つで構成される漢字」達です。
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