「7日」は「なぬか」?読み方と由来を知れば思わず納得
カレンダーを見て「7日」をどう読むかと問われたとき、多くの人は迷わず「なのか」と答えるでしょう。
しかし、古風な響きを持つ「なぬか」という読み方を耳にしたことはないでしょうか。
日常生活の中では「なのか」と読むのが一般的ですが、古語や地方の言い回し、あるいは年中行事に関わる文脈では「なぬか」が今も息づいているのです。
特に「七日法要」や「七日正月」など、伝統的な場面で耳にすることが多く、その響きには日本人の暮らしと信仰の積み重ねが表れています。
本記事では「7日」の読み方を示すと共に、その由来をひもとくことで、まぜ、そう呼ばれるか納得していただけると思います。
どうか最後まで、ご一緒にお付き合いくださいますようお願いします。
7日の読み方は?
7日の読み方ですが、「なのか」と言います。
この「なのか」ですが、「なぬか」の転であると辞書に載っています。
実際、広辞苑やネットでは、日本国語大辞典・デジタル大辞泉も同様です。
ちなみに、この読み方は、20日(「はつか」でなく「にじゅうにち」もある)と違い「ななにち」という読み方はしないようです!
「NHKことばのハンドブック第2版」の「数字の発音・用例集(な行)」には、「なのか」しか載っていません。
でも、ウィキペディアの7日には、7日(なのか、ななにち)となっています。
Xでも、次のような人がいます。
※漢字自体は簡単でも読み方の難しい漢字は多々あります。「9日」は番外編で収録です。
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7日の語源
7日を「なのか」と読む、その語源を見ていきます。
日数詞の語構成は「数詞の語幹」+「カ(助数詞)」が通説です。
即ち、「7(ななつ)」の語幹「なな」+「か」で「ななか」になるわけです。
この7日について、「大言海」では、「ななか」⇒「なぬか」⇒「なのか」と変化したと言っています。
しかし、過去の文献からは「ななか」という語が存在しないことがわかっているそうです。
実は「なのか」の古形は「なぬか」なのです。
7日(なのか)も、日本語の日数詞の語構成(数詞語幹に「ウカ」が付く)が基になっているようです。
- 「なな」+「うか」
- 「なのか」の数詞「なな」に「うか」が付き「ここのうか」となる
ローマ字で書くと「nana + uka ⇒ nanauka」
- 「なぬか」
- 直前の母音(a)が脱落して「なぬか」となった
ローマ字で書くと「nan + uka ⇒ nanuka」
この「なぬか」という語形は、既に上述しましたが、上代から近代までずっと用いられてきたことが分かっています。
※日付の読み方の記事はこちら
⇒ 8日の読み方は「ようか」だが何でそういうのか語源から探ってみた
⇒ 「9日」ってなんて読む?読み方と由来を知って日本語力アップ!
⇒ 20日の読み方は「はつか」!この語源がどこから来たのか追いかけた
7日(なのか)の雑学
いつものように、7日(なのか)の雑学をみておきましょう。
月の7日(なのか)は何の日?
9日でやったように、各月の7日(なのか)が何の日なのかを一覧にしたので、ご覧ください。
1月7日 | 七種(ななくさ)、人日(じんじつ)、爪きりの日、千円札の日 |
2月7日 | 北方領土の日、フナの日 |
3月7日 | 消防記念日、警察制度改正記念日、サウナ健康の日、メンチカツの日 |
4月7日 | 世界保健デー(World Health Day)、労務管理の日 |
5月7日 | コナモンの日、粉の日、博士の日 |
6月7日 | 母親大会記念日、緑内障を考える日、むち打ち治療の日 |
7月7日 | 七夕(たなばた)、ゆかたの日、カルピスの日 |
8月7日 | 月遅れ七夕、鼻の日、花の日、バナナの日 |
9月7日 | クリーナーの日、CMソングの日 |
10月7日 | 盗難防止の日、ミステリー記念日、バーコードの日 |
11月7日 | 鍋の日、もつ鍋の日、知恵の日 |
12月7日 | 国際民間航空デー、神戸開港記念日、クリスマスツリーの日 |
9日同様で、それぞれ、相応の理由のある日と、語呂合わせで制定された日がありますが、7日については前者が多かったような気がします。
相応の理由があるかと思ったら語呂合わせだった日がありました。
- 6月7日緑内障を考える日:六(ろく)七(な)で「りょくない」の語呂合せ
- 6月7日むち打ち治療の日:「む(6)ちうちをな(7)おそう」の語呂合せ
- 10月7日盗難防止の日:「とう(10)なん(7)」の語呂合せ
- 11月7日もつ鍋の日:「い(1)い(1)もつな(7)べ」の語呂合せ
9月7日の「クリーナーの日」ですが、めがねクリーナーからの語呂合わせです。
10月7日ミステリー記念日は、1849年にエドガー・アラン・ポーが亡くなったところから来ているそうです。
「7日(なのか)」の英訳
「なのか」を英語で何と言うのでしょうか?
英語には、このような気の利いたというか理不尽な言葉はありません。
英語では7日をどういうかみてみました。
7th、Seventh
今まで見てきた8日、9日、20日と同じく、英語では、数字に「th」を付けて日付としです。
「私の生年月日は1988年5月7日です」は次のように書きます。
My date of birth is May 7th, 1988.
最後に
「7日」の読み方「なのか」は、8日、9日,20日と同様に、日本語独自の数詞文化に由来します。
「7日」の読み方は「なのか」ですが、国語辞典をみると「なぬか」の転となっていますね。
この語源ですが、他の日付でも言ってきたように語幹「なな」に数詞で「ウカ」が付いたモノであり、直前の母音(今回はa)が落ちた内容で今述べた「なぬか(nanuka)」になりました。
残る日も段々と少なくなりますが、順に見極めたいと思います。
参考
新明解語源辞典
※気づけば言い方・呼び方の漢字の記事も増えてきました
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