にんべんに専は傅・傳のどっち?読み方・意味・違い・苗字を解説
「にんべんに専」と書く漢字を探すと、「傅」と「傳」というよく似た字が出てきます。
60爺も最初に見たときは同じ漢字の字体違いだと思いましたが、調べてみると、読み方も意味も異なる別の漢字でした。
この記事では、「傅」と「傳」の読み方や意味、見分け方、成り立ち、名前や苗字での使われ方を分かりやすく解説します。
「傅」と「傳」の読み方と意味
「にんべんに専」と表現される漢字には、「傅」と「傳」があります。
読み方や意味が異なるため、それぞれ分けて確認しましょう。
「傅」の読み方と意味
「傅」の基本情報は、次のとおりです。
傅
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 亻(にんべん) |
| 画数 | 12画 |
| 音読み | フ |
| 訓読み | いつき、いつく、かしずく、めのと |
| 意味 | 付き添って世話をする人、教育や補佐をする人、付き添って養い育てる、姓の一つ |
| 漢字の種類 | 表外漢字 |
「傅」の音読みは「フ」です。
「いつき」「いつく」「かしずく」「めのと」は、日本語独自の読みとして挙げられています。
「かしずく」とは、人に仕えて大切に世話をすることです。
「めのと」は、母親に代わって子どもに乳を与え、育てる女性を指します。
このように、「傅」には、人のそばに付き添って世話や教育をするという意味があります。
「傳」の読み方と意味
「傳」の基本情報は、次のとおりです。
傳
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 亻(にんべん) |
| 画数 | 13画 |
| 音読み | デン |
| 訓読み | つたえる、つて、づたい |
| 意味 | 人や物を送り届ける、言葉や事柄を伝える、受け継ぐ、言い伝え、人物の生涯を記した文章、姓の一つ |
| 漢字の種類 | 「伝」の旧字体・人名用漢字 |
「傳」の音読みは「デン」、訓読みは「つたえる」です。
「つて」と「づたい」は、日本語独自の読みとして挙げられています。
「傳」には、人や物を次の場所へ送り届けることから、言葉や事柄を人から人へ伝える、後世へ受け継ぐという意味があります。
また、昔から伝えられてきた記録や、人物の生涯を記した文章も表します。
現在の一般的な文章では、新字体の「伝」を使用します。
「傅」と「傳」の書き順
「傅」は12画、「傳」は13画です。


どちらも、最初に左側のにんべんを書き、その後に右側を書きます。
「傅」は右側の「尃」、「傳」は右側の「專」の書き順が異なるため、形をよく確認しながら書きましょう。
特に、右上の点を書き落としたり、反対に付け加えたりすると別の漢字になってしまうので注意が必要です。
そういえば、「糸へんに広い」で、今回のように似た漢字を特集しました。
⇒ 糸へんに広いで絋・紘!読み方から意味・名付けのポイント等を総特集
「傅」と「傳」の違い
「傅」と「傳」はよく似ていますが、読み方や意味の異なる別の漢字です。
「傳」は「伝」の旧字体ですが、「傅」は「伝」の旧字体でも異体字でもありません。
両者の違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 傅 | 傳 |
|---|---|---|
| 右側の形 | 尃 | 專 |
| 右上の点 | ある | ない |
| 音読み | フ | デン |
| 主な意味 | 付き添う、世話や教育をする | 伝える、受け継ぐ |
| 「伝」との関係 | 別の漢字 | 「伝」の旧字体 |
見分けるポイントは、右側の上部にある点です。
「傅」の右側は「博」の右側と同じ「尃」で、右上に点があります。
一方、「傳」の右側は旧字体の「專」で、右上に点がありません。
小さな文字では見分けにくいですが、点があるのが「傅」、点がないのが「傳」と覚えると区別しやすいでしょう。
字体が似ていても別の漢字なので、一方をもう一方に置き換えることはできません。
「傅」と「傳」の漢字の成り立ち
「傅」と「傳」は、どちらも人を表すにんべんを持っています。
ただし、右側の部分が異なるため、成り立ちも別々に見ていく必要があります。
「傅」の成り立ち
「傅」は、人を表すにんべんと、「甫」と「寸」を組み合わせた「尃」から成り立つ漢字です。
漢字源では、「尃」が持つ、ぴったりとくっつくイメージから、人のそばに付き従うおもり役を表すと説明されています。
音読みの「フ」も、右側の「尃」が表しています。
「傳」の成り立ち
「傳」は、人を表すにんべんと「專」から成り立つ漢字です。
漢字源では、「專」には丸く回るというイメージがあり、そこから物が次々と移っていくイメージへ展開したと説明されています。
これににんべんを加え、人から人へ物を送り届けることを表しました。
そこから、言葉や知識を別の人へ伝える、物事を後世へ受け継ぐという意味が生まれました。
にんべんに○で構成される漢字を集めてクイズ形式で挑戦する記事を作りました。ちょこっと覗いちゃってください!
「傅」と「傳」のつく言葉
「傅」と「傳」を使った言葉を、それぞれ分けて紹介します。
「傅」のつく言葉
「傅」を使った主な言葉は、次のとおりです。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 傅く | かしずく | 人に仕えて大切に世話をする |
| 師傅 | しふ | 身分の高い人の教育や補佐を担当する人 |
| 傅育 | ふいく | そばに付き添って守り育てること |
| 傅母 | ふぼ | 子どもに付き添い、養育する女性 |
「傅」のつく言葉は、現在の日常生活ではほとんど使われません。
なかでも比較的知られている「傅く」は、人に仕えて世話をするという意味で使われます。
「傳」のつく言葉
「傳」は「伝」の旧字体なので、現在の一般的な文章では新字体の「伝」に置き換えて表記します。
旧字体と現在の表記を比べると、次のようになります。
| 旧字体を使った表記 | 現在の表記 | 意味 |
|---|---|---|
| 傳記 | 伝記 | 人物の生涯や業績を記したもの |
| 傳統 | 伝統 | 昔から受け継がれてきた習慣や文化 |
| 傳説 | 伝説 | 昔から語り伝えられてきた話 |
| 傳承 | 伝承 | 知識や技術などを受け継いで伝えること |
古い書籍や文書では「傳記」「傳統」のような表記を見かけますが、言葉の意味は現在の「伝記」「伝統」と同じです。
名前や苗字などでは、現在も旧字体の「傳」がそのまま使われることがあります。
「傅」と「傳」は名前に使える?
「傅」と「傳」では、子どもの名前に使えるかどうかが異なります。
「傅」は名前に使えない
「傅」は常用漢字にも人名用漢字にも含まれていないため、出生届に記載する子どもの名前には使用できません。
人に付き添う、養い育てる、教育するといった意味を持っていますが、意味が悪いから使えないわけではありません。
子どもの名前に使用できる漢字として定められていないことが理由です。
「傳」は名前に使える
「傳」は「伝」の旧字体で、人名用漢字として子どもの名前に使用できます。
名乗りには、「ただ」「つぐ」「つた」「つたう」「つたえ」「つとう」「つとむ」「のぶ」「のり」「よし」などがあります。
「傳」には、伝える、受け継ぐという意味があります。
そのため、大切な教えや文化を次の世代へ伝えられる人になってほしい、家族の思いや伝統を受け継いでほしいといった願いを込められます。
ただし、画数が多く、日常では新字体の「伝」と書かれる可能性があります。
名付けに使用する場合は、旧字体であることや、読み方が相手に伝わりやすいかも確認しておきましょう。
「傅」と「傳」のつく苗字
「傅」と「傳」は、どちらも苗字に使われています。
一字の苗字のほか、別の漢字と組み合わせた苗字もあります。
「傅」のつく苗字
「傅」一字の苗字には、「でん」「つたえ」「ふ」「つとう」という読み方があります。
名字由来netによると、全国人数はおよそ180人で、東京都や千葉県、大阪府などに見られる珍しい苗字です。
「傅」を含む苗字には、次のようなものがあります。
| 苗字 | 読み方 |
|---|---|
| 傅 | でん、つたえ、ふ、つとう |
| 傅川 | つたがわ |
| 傅田 | でんだ |
| 傅野 | でんの |
| 傅谷 | でんや |
| 福傅 | ふくでん |
一字姓の「傅」には複数の読み方がありますが、「でん」と読む例が多く見られます。
「傅」を含む二文字の苗字では、「傅田(でんだ)」「傅野(でんの)」「傅谷(でんや)」のように、「傅」を「でん」と読む例が多く見られます。
一方、「傅川」は「つたがわ」と読み、同じ「傅」でも苗字によって読み方が異なります。
「傳」のつく苗字
「傳」一字の苗字には、「でん」「つたえ」「つとう」「ふう」という読み方があります。
「傳」は「伝」の旧字体ですが、苗字では現在も旧字体のまま使われています。
「傳」を含む苗字には、次のようなものがあります。
| 苗字 | 読み方 |
|---|---|
| 傳 | でん、つたえ、つとう、ふう |
| 傳田 | でんだ、でんでん、でんた、つたえだ |
| 傳井 | つたい |
| 傳寶 | でんぽう |
「傳」を含む二文字の苗字では、「傳田」に「でんだ」「でんでん」「でんた」「つたえだ」という複数の読み方があります。
また、「傳井」は「つたい」、「傳寶」は「でんぽう」と読み、旧字体の「傳」がさまざまな読み方で苗字に使われています。
「傅田」と「傳田」のように、読み方が同じでも表記の異なる苗字があります。
「傅」と「傳」は別の漢字なので、氏名を記載するときは、本人が使用している字体を正確に確認しましょう。
「傅」と「傳」の出し方
「傅」と「傳」は、パソコンやスマホの文字変換で入力できます。
ただし、日本語入力システムによっては、すぐに変換候補へ表示されないことがあります。
パソコンでの出し方
Windowsパソコンでは、「傅」は「ふ」、「傳」は「でん」と入力して変換します。
候補が多い場合は、変換候補の一覧を広げて探してください。
入力した後に文字を拡大し、右上に点がある「傅」か、点がない「傳」かを確認しましょう。
他にも、IMEパッドの手書き入力から探す方法もあります。
また、文字コードは、「傅」がUnicodeの「U+5085」、「傳」が「U+50B3」です。
文字コードを利用する場合も、2字を取り違えないように表示を拡大して確認してください。
スマホでの出し方
iPhoneやAndroidでも、「傅」は「ふ」、「傳」は「でん」と入力して変換します。
使用している日本語入力アプリによっては、変換候補に表示されない場合があります。
変換で出てこないときの出し方
読みから変換できない場合は、次の文字をコピーして使用するのが簡単です。
傅
傳
まとめ
「にんべんに専」と検索される漢字には、「傅」と「傳」があります。
「傅」は「フ」と読み、人に付き添って世話や教育をすることを表す漢字です。
「傳」は「デン」と読み、「伝」の旧字体に当たります。
右上に点があるのが「傅」、点がないのが「傳」と覚えると見分けやすいでしょう。
「傅」は子どもの名前には使えませんが、「傳」は人名用漢字として使用でき、どちらも苗字で見かけることがあります。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
傅|名字由来net
傅|名字由来net
※気づけば糸へんの記事も増えてきました









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