コウモリを漢字で書くと?その表記や別名・由来等をまとめて総特集

今まで、漢字の記事をあれこれ書いた60爺ですが、当然ですが、色々なものの漢字表記に興味があります。

60爺

さて、唐突ですが、「黄金バット」なんて名前を知っているのは、私と同年配の方ですよね。

この「バット」ってコウモリのことです。

60爺が幼い時に、夕暮れになると不規則な飛び方をするコウモリをよく見かけましたが、よくよく考えるとコウモリの漢字は何となく想像はできるものの書けるかというと怪しいですなあ。

こんなことでは、漢字マニアとしてはやっぱり物足りないですね。

そこで、今回の記事では、自分自身でしっかりとソラで漢字を書けるように、コウモリの漢字表記を中心に、別名、それから由来など、まとめて総特集しますよ。

それでは、内容をご覧ください。

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コウモリを漢字で書くと

最初に、コウモリの漢字表記を見てください。

コウモリを漢字で書くと

コウモリを漢字で書くと次のようになります。

蝙蝠

コウモリは、虫へんの漢字2つで構成されています。

それでは、「蝙蝠」を構成する漢字を確認してみましょう。

  • 蝙=「扁:薄くて平ら・ひらひらと飛ぶ」+「虫」
    ⇒薄くて平ら・ひらひらと飛ぶ動物
  • 蝠=「畐:ぺったりとへばり付く」+「虫:動物」
    ⇒ぺったりとへばりつく動物

それぞれの漢字が示している漢字を融合させた「蝙蝠」は、「壁にへばりつき、ひらひら飛ぶ」特色を持つコウモリを表しているんですね。

さて、コウモリは哺乳類※であるにも関わらず、虫へんの漢字二つで構成されます。

※コウモリは何類かを追いかけています。

古代中国の虫へんを使う判断基準は、昆虫に限らず、鳥や海の生物など、ちょっと変わった特徴を持つ生き物も対象にしていたのではないでしょうか。

たとえば、「蛙(カエル)」「蛇(ヘビ)」「蛸(タコ)」「蛤(ハマグリ)」などがあります。

コウモリを国語辞典などで確認すると、漢字表記は「蝙蝠」のみが表示されますね。ただ、説明の後に、いくつかの別名が掲載されています。

次の章では、それらの別名を確認していきます。


コウモリの別名

コウモリには、別名がいくつかあります。それらを見ていきましょう。

コウモリは、古代中国では次のように書かれていました。

  • 蝙(hen)
  • 蝠(fuku)
  • 蝙蝠(hen-puku)
  • 服翼(fuku-yoku)

「説文解字」A.D.100年許慎編纂

  • 伏翼(fuku-yoku)

「神農本草経」漢時代(B.C206-A.D220)編者不明

なお、「蝙蝠」は唐代の長安地方の発音である「漢音」で、「ヘンプク」と発音したそうです。

国語辞典を見て、別名をリスト形式で記載しておきます。

  • 蚊食い鳥(かくいどり)
  • 蝙蝠(かわほり、かわぼり、こうぼり、へんぷく)
  • 天鼠(てんそ)
  • 飛鼠(ひそ)

2番目の別名の漢字表記は、コウモリと同じ「蝙蝠」です。「かわほり」「かわぼり」「こうぼり」「へんぷく」と4つの読みがあるんですね。

さて、次の章は、「蝙蝠」という漢字表記が幸運を招くと言われていることについて追いかけてみました。

蝙蝠は「福」につながる

この記事を書くために、色々と調べたのですが、中国で、コウモリは福を招くと言われているそうです。

いくつか見つけた記事の内容を載せていきます。

蝙蝠と書いて中国では「福」の字に似ていることや福が寄ってくる意味の「偏福」と発音が似ている

引用 コウモリは福を招く縁起物

コウモリは漢字で「蝙蝠」と書きます。これを中国読みすると、発音が「変福」と同じになります。つまり「コウモリ」「福に変わる」というとても縁起の良い言葉なんです。
また、中国では、鼠が100年生きると蝙蝠に変わる、とも言われており、古くから縁起物として扱われていました。

引用 第2話:コウモリは福を招く!?

コウモリを漢字で書くと「蝙蝠」。この発音は「bian fu」。そして、これと同じ発音が「遍福」。
つまりコウモリは「遍福= 福が広くいきわたる」という言葉と、同じ音を持っているのです。

引用 中華料理店の器やインテリアによくみかける赤い文様「福」字のナゾ

3つの記事を挙げてみました。それぞれ、発音が同じとして漢字を挙げていて縁起が良いと言っています。

でも、挙げている漢字が、それぞれ違うんですよね!

  • 偏福:福が寄ってくる
  • 変福:福に変わる
  • 遍福:福が広くいきわたる
60爺

中日辞典、日中辞典を引いてみたんですが、どの漢字も出てこないですよ!

どの言葉が正しいかわからないのですが、それぞれ福に関わっていることはわかりました。

コウモリの語源

「コウモリ」ですが、古くは「かはほり」といったそうです。そして、「コウモリ」は、この「かはほり」の音転したものです。

『大言海』では、「かはほり」は「かはもり(川守)」の転だと言っておるんですが、アクセントから見ると成り立たないようです!

平安時代のアクセントから考えると、この「かわ」は「皮」を指し、「かはほり」は「皮張り」または「皮振り」の転だという説が有力なのだそうな。

「かはほり」から「コウモリ」に至る音転は、次の過程を経たと言われています。

カハホリ⇒カワホリ⇒カワボリ⇒カワモリ⇒カウモリ⇒コウモリ

古名「かはほり」は次の書籍に見られます。

  • 伏翼…一名蝙蝠…和名加波保利(かはほり)『本草和名16』10世紀
  • 「Comuri(カゥムリ)」と「Cauafori(カワホリ)」『日葡辞書』17世紀

参考:新明解語源辞典

海外ではどんな名前

世界の言葉では、「コウモリ」を何と言うか調べてみました。

外国語スペル発音
英語Batバットゥ
ドイツ語Schlägerシュレガー
オランダ語Knuppelクネポー
フランス語Chauve sourisショースリ
イタリア語Pipistrelloピピスティライロ
スペイン語Murciélagoモルティエラゴ
ポルトガル語Bastãoバステオ
スウェーデン語fladdermusフラデム
ノルウェー語Flaggermusフラグルムース
中国語(繁体)蝙蝠ビアンホー
中国語(簡体)蝙蝠ビアンホー
ロシア語Летучая мышьレトチアムース

英語の「Bat」ですが、冒頭で述べた「黄金バット」のバットですね!

ウーム、英語、ヨーロッパ系言語は、何か各国語ともバラバラだったような気がしますね。唯一、スウェーデン語とノルウェー語が近かったのではと感じました。

スペルも発音も、ご覧のような全然違う形になってます。

中国語は、繁体と簡体で同じ表記でした。発音もほとんど同じですね。また、この漢字は日本語とも一致しています。

ロシア語は、スペルも発音も他の言語と全く違います。

最後に

ホトトギスは13もあって「おおー」と思いましたが、コウモリはたった一つでしたね~。

構成している漢字を見ましたが、それぞれの漢字「蝙」「蝠」がコウモリの特徴を表していたのが面白かったですね。

別名は、古代中国のモノに、読みは違いますが同じ表記「蝙蝠」があったのは興味深かったですよ~!

動物の漢字も、いろんな発見があり飽きませんな。また、別の漢字でお会いしましょう。

※気づけば動物の漢字の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺