葵は名前に良くない?否定意見9つと60爺の見解をガッツリ大特集!

2024年3月19日

昔の時代劇に「水戸黄門」というのがあったんです。

天下の副将軍である水戸光圀が諸国を漫遊し、跋扈している悪を所持している「葵三つ葉の印籠」でひれ伏させる流れです。

60爺

この「葵」という漢字が名付けで人気のようです。

ですが、一方では「葵は名前に良くない」なんていう人達もいますね。

この方たちの言う否定意見にどんなものがあるのか見ていき、それに対し、60爺の見解を述べてみます。

どうか最後まで、ご覧になってください。

葵は名前に良くないのか

葵は名前に良くないのでしょうか?

葵は名付けに使う漢字として問題はありません。

この結論に至る道程を見ていきますが、始めに、「葵」という漢字の基本情報を押さえておきましょう。

画数12画
音読み
訓読みあおい
意味①フユアオイ
②アオイの仲間、アオイに似た草につける言葉
名乗りあおい、まもる

葵=「癸(キ:ぐるぐる回る)+艸(くさ)」から、葉が太陽に向かって向きを変える草を示していました。

古代、太陽に向かって回る植物は、下記のフユアオイを指していました。

基本情報を見る限り、漢字として悪い意味は持っていなさそうです。

その他にも、「葵」はどんなイメージの漢字なのか順にみていきましょう。

「葵」は、冒頭でも言った「三つ葉葵」でも知られる「和み」を連想させる、落ち着いた品格がある漢字です。

アオイ科の植物(フヨウ、ハイビスカス等)の持つ「美しさ・かわいらしさ・優雅さ」等のイメージが得られますね。

タチアオイの花の画像
タチアオイ

また、真っすぐに伸びる茎や太陽に向かって咲く花タチアオイからは、「威厳・気高さ・凛とした」イメージも浮かびます。

葵の花言葉も、「温和・高貴・神聖・大望・優しさ・豊かな実り」のように素晴らしいモノが並びます。

それ以外にも、葵は、京都にある賀茂御祖神社及び賀茂別雷神社において、神事に使用されることから、神聖であるとも考えられているのです。

いやー、葵って、素晴らしい漢字ではないですか。

葵に対する否定意見

さてさて、こんな葵ですが、否定する意見が9もあるんですよ。

これら9の否定意見を一覧にしたので見ていただくのに合わせ、60爺の見解を述べておきます。

否定意見60爺の見解
1外国人が発音しにくいから母音が続くので確かに発音できないですが、ニックネームで呼び合うので大丈夫です。
2草冠の漢字は植物のため枯れてしまうイメージがあるから昔の方が言いそうですが、根拠がない否定意見です。心配する必要はありません。
3恋人同士が会えない、子供が親と離れ離れになるイメージがあるからこちらも根拠がない否定意見です。心配は無用です。
4性別が分かりにくいから葵は男の子にも女の子にも付けられる名前であり、中性的な名前のイメージがあります。この辺りは、個々の親御さんの好みになりそうです。
5他の漢字と組み合わせると読みにくい/キラキラネームっぽくなるからちょっと読みにくいかもしれませんが、読みを逸脱しなければキラキラネームにはなりません。
6花言葉がよくないから(1)「私は明日死ぬだろう」午時葵(ゴジアオイ)の花言葉です。この花が葵に似ているので名付けられたんですが、ゴジアオイはハンニチバナ科の植物なので、葵とは関係ありません。
7花言葉が良くないから(2)「野心」この花言葉の他にも、良い花言葉をたくさん持っています。悪いモノより良い方に目を向けませんか。
8花言葉が良くないから(3)「恋の病」・「恋によって身が細る」があるから上述したように、良い花言葉がたくさんあります。ポジティブな方向に目を向けましょう。
9見かけない漢字だから電話口での説明が難しいところはありますが、慣れれば全く問題ありませんよ。

いろんな否定意見が出ていますね。

なるほどと頷く意見も中にはありますが、ネガティブな考えに囚われているなという意見も多いですね。

それぞれの否定意見について細かく見ていきましょう。

外国人が発音しにくいから

葵は「AOI」、母音が続くので、外国人は確かに発音できないでしょう。

「アオイ」ではなく、「エーオイ」となるようですね。

ですが、「葵」に限らず、発音しやすい日本人の名前なんて、そんなに多くないようです。

ただ、外国では、ニックネームのような呼び方を決めて呼び合えば、あまり問題は起こらないので大丈夫です。

草冠の漢字は植物のため枯れてしまうイメージがあるから

草冠の漢字は植物を表し、植物は枯れたり散ってしまうイメージがあるので止めた方がいいという否定意見です。

昔の方で、こう言う方がいらっしゃいますね。

けれども、これは、根拠がない否定意見です。つまり、仰っている方の思い込み、好み、嗜好の範疇です。

いつも言っていますが、この他にも、さんずいの漢字は水害に会うとか、木へんの漢字は植物だからダメとか言う意見と同じですね。

冷静になって考えると、荒唐無稽なことを言ってるとわかりますよね。

※同じく「草冠」の漢字で「名前 良くない」で記事にしたものが2つあります。

恋人同士が会えない、子供が親と離れ離れになるイメージがある

否定意見を巡っている中で、「恋人同士が会えない」「子供が親と離れ離れになる」イメージがあるという記事がありました。

ただ、この否定意見の出典がどこにあるのか探したのですが、残念ながら見つけられませんでした。

即ち、否定意見として根拠がないことを表しています。

むしろ、迷信の類ではないかと思われます。

ですから、この意見に惑わされる必要はありません!

性別が分かりにくいから

「葵」という名前は、男の子にも女の子にも付けられる中性的な名前のイメージがあり、性別を間違えられやすいという不安を持つ方がいらっしゃるようです。

60爺

私は、「葵」という名前は女の子をイメージしますね。

この辺りは、親御さんの好みになると思いますので、名付けの前に熟考していただければと思います。

他の漢字との組み合わせで、良い名前が決められるでしょう。

他の漢字と組み合わせると読みにくい/キラキラネームっぽくなる

あまり見かけない漢字ですので、ちょっと読みにくいかもしれません。

しかし、名前は一度覚えてもらえば問題ないですから、それほど問題にはならないでしょう。

また、葵の持つ読みを逸脱しなければキラキラネームにはなりません。

キラキラネームは、漢字のイメージから自分勝手な読みを作ることで生まれます。

葵を次のように読んだらキラキラネームです!
「あかね」「ひまわり」「めろん」

そこを承知していればキラキラネームにはなりません。

さらに、滅多に見ない希少価値により目立つシーンがあるかもしれませんよ。

花言葉が良くない(1)

まず、トップの怖い花言葉は「私は明日死ぬだろう」です。これは、ゴジアオイの花言葉です。

ゴジアオイの漢字表記は午時葵です。

午時は正午(12時)を指しますが、花が12時前後に咲くことから、こんな名前が付いたんですね。

実は、ゴジアオイはハンニチバナ科の植物ですが、花が葵に似ているので「ゴジアオイ」となったんです。

ですから、葵とは全く関係ありませんので心配する必要はありません!

このゴジアオイ、自然発火する性質を持っています。「植物界のサイコパス」なんて名前もあるんですって。

上述したとおり、ギジアオイは葵とは別物です。

ギジアオイは「植物界のサイコパス」なんて呼ばれ方もしますが、葵とは別物です。

花言葉が良くない(2)

2番目の良くない花言葉は「野心」ですが、これは、タチアオイの花言葉で「葵」の花言葉です。

「野心」とは「大きな飛躍を望んで、新しいことに大胆に取り組もうとする気持」という意もあるんですが、「身分不相応の大きな望み。野望。」をイメージする方が多いでしょう。

そこから、「子供の名前にするにはどうよ?」と思い、少し考えた方が良いかもとなります。

しかし、結論で述べたように、葵には良い花言葉「温和・高貴・神聖・大望・優しさ・豊かな実り」がたくさんあります。

悪いことばかりを追いかけずに、良い方の花言葉に目を向けてる方がいいと思います。

花言葉が良くない(3)

最後の良くない花言葉は「恋の病」・「恋によって身が細る」です。これは、トロロアオイの花言葉です。

この花言葉、悪いと言えば悪いですが、皆、こんな経験を通して大人になっていくんです。

上述したように、葵には良い花言葉がたくさんあります。

もう一度言います。

悪いことばかりを追いかけずに、良い方の花言葉に目を向けてる方がいいと思います。

見かけない漢字だから

確かに「葵」って、日常ではあまり見かけない漢字です。

また、常用漢字でもないため、認知度が低いとか、書きなれないなんて表現をされてしまうのでしょう。

さらには、電話口での説明が難しい漢字なんて言われるのも無理がないかもしれません。

ま、この点は、「草冠」+「発明の発の冠部分」+「空を表す天」で通じるかななんて考えます。

ただ、あまり見かけない漢字であることから、逆に一度覚えてもらえば忘れにくいでしょうし、そこから会話が始まるメリットがあるでしょう。

良い所もあるんだと考えて、前向きに検討してくださいね。

米見かけない漢字と言う否定的意見のあったものがこちらです。

葵を名前に使う時のポイント

Malva verticillata 4
Dalgial, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

この章では、葵を名前に使う際のポイントを述べていきます。

葵の語源は、「黄葵常傾葉向日(黄葵は常に葉を傾けて日に向かふ)」『説文解字』から「日を仰ぐ意」です。

「あふ」は「あふぐ(仰)」の語根、「ひ」は「日」です。

「あふぐ」⇒「アオグ」+「ヒ(日)」⇒「イ」=「アオイ」となります。

また、枕草子の中に、葵が太陽を追いかけると信じられていた一文が存在します。

いろいろな説があるようですが、あの万葉集の時代にタチアオイだったと言われているんですね。

葵は名付けの漢字として人気

葵は、名付けの漢字として人気があります。

たまひよ赤ちゃんの名前ランキングで上位にランキング入りしています。

まずは、女の子のランキングからです。

名前読み2022年2023年2024年
あおい7位8位6位
葵衣あおい79位
結葵ゆあ66位84位61位
紬葵つむぎ91位25位29位
陽葵ひまり1位1位2位

2024年をみても4つの名前がベスト100入りしています。

60爺

これだけ見ると、女の子向けの漢字のようにも思えます。

なんと、「陽葵(ひまり)」が2019年からずっとトップを快走中でしたが、2024年2位となってしまいました。

それでも、葵(あおい)が6位、紬葵(つむぎ)が29位、結葵(ゆあ)が61位ですね。

次は、男の子のランキングを見てみましょう。

女の子向けと思っていましたが、男の子でもランキングしているんです。

名前読み2022年2023年2024年
あおい47位66位38位
陽葵ひなた96位

葵(あおい)が2019年から2024年までずっとランク入りしており、2024年は38位まで順位を上げています。

「葵」という名前を男の子につける親御さんも多いんですな。

女の子の1位には遠く及びませんが、男の子向けにも良い漢字なんですな。

名前に使うときのポイント

葵は、既に述べたように「キ」(「ギ」は呉音)が音読み、「あおい」「まもる」が訓読みです。

ですから、これ以外の読みは、いわゆるキラキラネームと呼ばれても仕方のない読みなのです。

上記のランキングした名前をみても、「陽葵(ひまり)」「結葵(ゆあ)」は、そちら側の読みに当たっちゃう(葵は「まり」「り」という読みはない)んですね。

名前にかける願いはどうでしょう。

  • 葵は、落ち着いた品格があり、冒頭でも言った徳川家の家紋「三葉葵(みつばあおい)」でも知られる和をイメージする漢字です。
  • 太陽に向かって向きを変える草なので「光に向かってまっすぐ伸びる」イメージもあります。
  • 良い花言葉がたくさんあることからも願いを込められるでしょう。

それらの願いをまとめてみます。

  • 穏やかで気品のある人に成長してほしい(落ち着いた品格から)
  • まっすぐ前を向いて歩いていける人になってほしい(太陽に向かって向きを変える草から)
  • 大きな夢を持って、それに向かって努力してほしい(花言葉:大望から)
  • 自分の願いや夢を実現していける人になってほしい(花言葉:豊かな実り)

具体的な名前の例

ここでは、葵を使用した具体的な名前の例を挙げていきます。

男の子:瑞葵(みずき)、雅葵(まさき)、智葵(ともき)、葵一(きいち)、和葵(かずき)
女の子:葵(あおい)、沙葵(さき)、亜葵子(あきこ) 、夏葵(なつき)、真葵(まき)

基本的に、読みに忠実な名前を挙げました。

葵(あおい)を「あお」「あ」と読ませる名前もありますが、キラキラネームとは言わないまでも、それに近いモノにならないよう注意しました。

葵が名前に入る有名人

最後に、葵が名前に入る有名人を一覧にします。

有名人読み職業
岩田陽葵いわたはるき声優/女優
小野友葵子おのゆきこソプラノ歌手
尾屋葵おやあおい女優
古泉葵こいずみあおい女優
手嶌葵てしまあおい歌手
原田葵はらだあおいアナウンサー
増田葵ますだあおい水泳選手
三浦葵みうらあおいモデル
宮崎向日葵みやざきひまわりタレント

9名の名前が挙がりましたが、皆さん、女性です。

6名が「葵(あおい)」でした。

これ以外の名前は、「陽葵(はるき)」「友葵子(ゆきこ)」「向日葵(ひまわり)」です。

最後に

葵は名前に良くないと聞いて、どういう否定意見があるかを見てきました。

否定する意見が9も出て来てきて、ちょっとビックリなんですが、60爺の見解を述べてきました。

うなずける否定意見と、迷信じみたモノといろいろな考えがありましたが、60爺の見解も踏まえて参考になさってください。

葵は、赤ちゃんの名前ランキングにも複数の候補が入る入る良い漢字だと思います。

参考
新明解語源辞典

■思えば、「この漢字は名前に良くないのか」の記事も増えてきました

この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら