「勧める」「薦める」の違いとは?その漢字表記・使い方まで総特集
「勧める」と「薦める」は、どちらも「すすめる」と読む言葉です。
読み方は同じですが、意味や使い方には違いがあります。
簡単に言うと、「勧める」は相手に何かの行動を促す場合に使い、「薦める」は人や物を推薦する意味合いが強い表記です。
ただ、実際の文章では「勧める」が広く使われているため、どちらを書けばよいのか迷うこともあるでしょう。
この記事では、「勧める」と「薦める」の違い、使い分け方、例文、そして「薦める」という表記の扱いについて分かりやすく解説します。
「勧める」「薦める」の違いとは?
「勧める」と「薦める」の違いは、相手に行動を促すのか、人や物を推薦するのかにあります。
まずは、基本的な違いを表で確認してみましょう。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| 勧める | 勧誘・奨励の意味で使う |
| 薦める | 推薦・推挙の意味で使われることが多い |
「勧める」は、相手に何かをするよう働きかける場合に使います。
一方、「薦める」は、よいと思う人や物を他人に推薦する場合に使われることが多い表記です。
この違いを押さえておくと、文章を書く時に迷いにくくなります。
勧める
「勧める」は、相手にある行動を取るよう促す場合に使います。
- 病院へ行くことを勧める
- 資格取得を勧める
いずれも相手に何らかの行動を取るよう働きかけている点が共通しています。
「勧める」には、勧誘や奨励の意味が含まれていると考えると分かりやすいでしょう。
薦める
「薦める」は、人や物を推薦する意味で使われることが多い表記です。
- 良書を薦める
- 候補者を薦める
どちらも、「価値があるので選んでほしい」「ふさわしいので採用してほしい」という気持ちを表しています。
そのため、「薦める」には推薦や推挙の意味が含まれているのです。
なぜ「勧める」と「薦める」があるの?
同じ「すすめる」なのに、なぜ2種類の漢字があるのでしょうか。
もともと「勧める」は相手に行動を促す意味、「薦める」は人や物を推薦する意味として使い分けられてきました。
そのため、両者には本来異なるニュアンスがあります。
ただし、現代では「勧める」の使用範囲が広がっており、本や映画などを紹介する場合でも「勧める」と書かれることが少なくありません。
その結果、両者の違いは以前ほど厳密ではなくなっています。
迷ったらどちらを使う?
「勧める」と「薦める」の違いは分かっても、実際に文章を書く時には迷うことがあります。
結論から言えば、迷った場合は「勧める」を使うのが無難です。
「勧める」は日常会話やビジネス文書などで広く使われており、多くの場面で自然な表現になります。
一方、「薦める」は推薦の意味を強調したい場合に使われます。
そのため、一般的な文章では「勧める」を選んでおけば大きな問題はないでしょう。
「勧める」「薦める」の使い分け例
実際の例を比較すると、両者の違いがより分かりやすくなります。
| 場面 | 表記 |
|---|---|
| 病院を受診するよう伝える | 勧める |
| 資格取得をすすめる | 勧める |
| 運動習慣をすすめる | 勧める |
| 候補者として推薦する | 薦める |
| 良書として推薦する | 薦める |
| 映画作品として推薦する | 薦める |
このように、行動を促す場合は「勧める」、人や物を推薦する場合は「薦める」と考えると判断しやすくなります。
ただし、「本を勧める」のような表現も広く使われています。
そのため、厳密に区別したい場合は「推薦なら薦める」、迷う場合は「勧める」と考えるとよいでしょう。
同じ読み方でも意味によって漢字を使い分ける例として、「おさめる」の漢字の違いも参考になります。
⇒ 「おさめる」の使い分けは漢字表記の意味を理解すれば自ずと解決
「おすすめ」はどちらを使う?
「おすすめ」と書く場合も、「勧める」と「薦める」のどちらを使うべきか迷うことがあります。
現在、もっとも一般的な表記は「おすすめ」です。
また、「お勧め」という表記も広く使われています。
一方、「お薦め」という表記も間違いではありません。
ただし、「薦」は常用漢字ではないため、新聞や公的文書では「お勧め」が使われる傾向があります。
迷った場合は、「おすすめ」または「お勧め」を使うのが無難でしょう。
「薦める」は常用漢字?
「薦める」という表記を見て、「この漢字は普通に使ってよいのだろうか」と疑問に思う方もいるでしょう。
この章では、「薦」という漢字の扱いについて解説します。
「薦」は常用漢字ではない
「薦」は常用漢字には含まれていません。
そのため、新聞や公的文書などでは、「薦める」ではなく「勧める」と表記されることが一般的です。
また、学校教育でも「薦」の字を学ぶ機会は多くありません。
そのため、「薦める」という表記を見慣れていない人も少なくないでしょう。
常用漢字とそうでない漢字の使い分けに興味がある方は、こちらの記事も参考になります。
⇒ 「食う」と「喰う」の違いとは?漢字の意味を基に本質に切り込む
それでも「薦める」が使われる理由
「薦」が常用漢字ではないからといって、「薦める」が間違いというわけではありません。
実際には、小説や評論、ビジネス書などでも使用例が見られます。
特に、「推薦する」という意味を明確に伝えたい場合には、「薦める」という表記が選ばれることがあります。
つまり、「薦める」は一般的な表記ではないものの、推薦の意味を強調するために現在でも使われているのです。
日本語には、「すすめる」のように同じ読み方で複数の漢字が存在する言葉が数多くあります。
⇒ 会うと逢うの違いとは?遭う・合うについてもどう異なるのか徹底調査
まとめ
「勧める」と「薦める」は、どちらも「すすめる」と読む言葉ですが、意味には違いがあります。
「勧める」は相手に行動を促す場合に使い、「薦める」は人や物を推薦する意味で使われることが多い表記です。
ただし、現代では「勧める」の使用範囲が広がっており、本や映画を紹介する場合でも使われています。
そのため、迷った場合は「勧める」を選べば大きな問題はありません。
一方で、人や物を推薦する意味を明確にしたい場合には、「薦める」という表記が適しています。
両者の違いを理解しておけば、より自然で正確な文章を書けるようになるでしょう。
参考資料
常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)|文化庁
勧める|コトバンク(デジタル大辞泉)
薦める|コトバンク(デジタル大辞泉)
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