消防署の地図記号は存在する!その形を示し由来等を深く追求する
地図記号は、地図上で特定の施設や地形を表現するために使われる記号です。
そんな地図記号の中で、学校や病院、郵便局のものはよく知られていますが、消防署にも特定の記号が存在することをご存知ですか?
実際には、消防署を示す記号は特別な形状を持ち、そのデザインには昔ながらの意味が込められています。
なぜこの形になったのか、どのような背景や由来があるのか、意外と知られていないその詳細について、この記事で徹底的に解説します。
消防署の地図記号を知ることで、地図の新たな見方が見えてくるかもしれません。
どうか最後まで、ご一緒にご覧になってくださいね。
消防署の地図記号は存在する
最初に、消防署の地図記号をお見せします。
日本の地図記号を定めている「国土地理院」から消防署の地図記号を持ってきました。
「国土地理院」の消防署の地図記号
国土地理院の地図記号を開いて「消防署」を見つけましょう。
「消防署」の地図記号は下記の通りです。
どこかで見たようなマークですな。
この記号ですが、消防署だけではなく、消防本部も表しているそうです。
この「Y」の崩し字みたいな地図記号の由来を次の章で見ていきましょう。
以前、公園の地図記号で記事を書いています。
その中で、地図記号を定めているのは国土地理院との解説もしております。
消防署の地図記号の由来
消防署の地図記号に込められた意味や意図は次の内容です。
江戸時代から、火を消す道具として使われていた「刺股」を記号にしたもの
「刺股」は「さすまた」と読みます。
つぶやきを紹介します。
この「刺股(さすまた)」ですが、時代劇などで犯罪者を捕らえるときに使用するイメージがありませんか?
goo辞書にも、そう出ています。
江戸時代、罪人などを捕らえるのに用いた三つ道具の一。2メートル余の棒の先に、二またに分かれた鉄製の頭部をつけたもの。これでのど首を押さえる。→突棒 (つくぼう) →袖搦 (そでがら) み
刺股/指叉(さすまた) とは?|goo辞書
[補説]現在も警察で用いられることがあるほか、学校などの施設で防犯用具としても使用されている。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
やっぱり、罪人を捕らえるのに使用した道具ですよね。
で、いろいろ見ていくと、ウィキペディアに次の記載がありました。
町火消が家屋の破壊器具として使用していたこともあった。これは当時、延焼中の家屋を手早く引き倒して防火帯とし、延焼を防止して消火していたためである。現在の消防署の地図記号はこの刺股を図案化したものである。
刺股|ウィキペディア
江戸時代に、町火消が家屋を引き倒すための道具として使用していたんですね。
こんな「つぶやき」もあります。
確かに、罪人を捕まえる「刺股(さすまた)」と、家を壊すそれは、形状が違いますね。
「民間の地図会社や出版社」の消防署の地図記号
国土地理院には、消防署の地図記号が存在していました。
過去に地図記号を探した、下記の6つの民間の地図記号で消防署があるか確認してみましょう。
ゼンリン、マピオン、pasco、トヨタ、panasonic、kenwood
その結果を一覧表にして示します。
地図提供元 | 消防署 | 備考 |
---|---|---|
ゼンリン | 〇 | 独自の地図記号 |
マピオン | 〇 | 国土地理院と同じ地図記号 |
pasco | × | 消防署の地図記号はない |
トヨタ | 〇 | 独自の地図記号 |
panasonic | 〇 | 国土地理院と同じ地図記号 |
kenwood | 〇 | 独自の地図記号 |
ご覧の結果になりました。
pascoには、消防署の地図記号が唯一ありませんでした。
マピオンとpanasonicが、国土地理院と同じ「さすまた」の地図記号を使用していました!
それ以外の3社は独自の地図記号を用意しています。
それでは、以下に、その地図記号を見ていただきます。
ゼンリン
まずは、「ゼンリン」の地図記号です。
ご覧のように、〇の中に「火」の文字が入った独自の地図記号を使用しています。
マピオン
次はマピオンです。
こちらは、唯一「国土地理院の消防署」の地図記号を使用していました。
pasco
pascoの地図記号に消防署は存在しません!
消防署の地図記号がないのはマピオンだけでした。
トヨタ
こちらは、トヨタHARRIERのナビの地図の取扱説明書です。
消防車署と消防署員の図案ですかね?独自のマークですな。
panasonic
panasonicもトヨタと同様、カーナビの取扱説明書でした。
こちらは、mapionと同じで、「国土地理院の消防署」の地図記号を使用しています。なお、分署、支署、出張所も含まれています。
⇒ 地図表示記号(例)カーナビCN-GP755VD|panasonic
kenwood
こちらも、カーナビの説明書ですね。
こちらは独自の消防署のマークです。
警察の地図記号の場合と同じで「消防」とだけ記載されております。
最後に
消防署の地図記号は存在するため、その形を示し由来等を深く追求してきました。
国土地理院の地図記号に、「消防署」は存在しており、その形状が「Y」の形に似たものであることを確認しました。
そして、由来を確認したところ、火を消す道具として使われていた「刺股」を記号にしたものだと判明しました。
「刺股」って、犯罪者を捕らえる道具と思っていた(その意味が本命)んですが、江戸時代の町火消が家屋を倒すために使っていたことが分かって納得です。
※「雑談の部屋」の記事はすごい大所帯です!
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