サソリは何類の動物?分類・理由・食性・仲間まで徹底解説
砂漠や熱帯のイメージが強い「サソリ」。
鋏(はさみ)と毒針を持つ姿から、「昆虫の一種?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、サソリは昆虫ではなく「クモ綱」に属する動物です。
つまり、クモやダニの仲間にあたります。
では、なぜサソリは昆虫ではなくクモ類に分類されるのでしょうか。
脚の本数や体のつくり、そして、動物全体の分類の流れをたどると、その理由がはっきりと見えてきます。
この記事では、「サソリは何類?」という疑問に明確に答えたうえで、分類上の位置づけとその根拠を整理し、昆虫との違い、さらにサソリの食性やクモ類との関係まで、理科の分類体系に沿ってわかりやすく解説していきます。
サソリは何類の動物?まずは大きな分類から
MathKnight, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
様々なサソリ
サソリは何類の動物かと聞かれた場合、まず答えるべきなのは「節足動物」です。
節足動物とは、体がいくつかの節(ふし)に分かれ、関節のある脚を持つ動物のグループを指します。
外骨格に包まれた体のつくりも大きな特徴です。
エビやカニ、昆虫などもこの仲間に含まれます。
つまり、サソリは、エビやカニ、昆虫と同じ「節足動物門」に属する生き物なのです。
では、その中でどのグループに分類されるのでしょうか。
節足動物はさらにいくつかの綱(こう)に分かれますが、サソリはそのうちの「クモ綱」に属します。
クモ綱にはクモやダニなどが含まれ、脚が8本あることや、触角を持たないことなどが共通した特徴です。
サソリの分類を整理すると、次のようになります。
動物界
⇒ 節足動物門
⇒ クモ綱
⇒ サソリ目(Scorpiones)
なお、昆虫も同じ節足動物に含まれますが、「昆虫綱」に属する点がサソリとの大きな違いです。
つまり、両者は同じ門に属しながら、綱の段階で別のグループに分かれています。
この章では、まず、サソリが節足動物であり、その中で、クモ類に近い位置にある生物だという大枠の分類を押さえておきましょう。
※動物の分類については、こちらの記事を。
なぜサソリはクモ綱に分類されるのか
サソリがクモ綱に分類されるのは、次に示す、体の「つくり」がクモ類の特徴と一致しているからです。
- 脚が8本であること
- 触角を持たないこと
- 体が頭胸部と腹部の2つに分かれること
脚が8本であること
まず注目すべきなのは、歩脚が4対、つまり8本あることです。
これはクモ綱の動物に共通する重要な形態的特徴です。
サソリも例外ではなく、頭胸部から8本の脚が伸びる構造をしています。
触角を持たないこと
次に、触角を持たない点もクモ綱の特徴のひとつです。
サソリの前方には鋏状の触肢が発達していますが、これは触角とは異なる器官であり、獲物を押さえたり感覚器として機能したりします。

体が頭胸部と腹部の2つに分かれること
さらに、体の区分にも共通点があります。
サソリの体は、前方の頭胸部と後方の腹部に大きく分かれる二分構造をしており、この体系もクモ類と共通する特徴です。
このように、脚の本数、触角の有無、体の構造といった形態的特徴がクモ綱の基準と一致するため、サソリはこのグループに分類されます。
分類は見た目の印象ではなく、体のつくりという客観的な基準にもとづいて行われているのです。
サソリと昆虫の違いをわかりやすく比較
サソリはしばしば「虫」、即ち、「昆虫」の一種と考えられがちですが、サソリは昆虫とどこが違うのでしょうか。
最大の違いは、分類上の位置づけにあります。
どちらも節足動物ではあるものの、昆虫は昆虫綱、サソリはクモ綱に属しており、綱の段階で別のグループに分かれています。
この違いは、体の設計思想の違いとして表れています。
そこで、以下の3点をもとに、両者を比べてみましょう。
- 脚の数
- 体の区分の違い
- 触角の有無
それぞれの内容について見ていきます。
脚の本数
まず、大きな違いは、脚の数です。
昆虫は、必ず、3対6本の脚を持っています。
これは、昆虫綱に共通する決定的な特徴です。
一方、上述したように、サソリは4対、つまり、8本の脚を持っています。
この時点で、昆虫とは別のグループであることが分かります。
体の区分の違い
次に、体の区分の違いがあります。
昆虫の体は「頭・胸・腹」の3つに分かれています。
これに対して、サソリは、「頭胸部」と「腹部」の2つに大きく分かれる構造です。
クモ類に共通するこの二分構造も、サソリがクモ綱に属する根拠のひとつです。
触角の有無
さらに、触角の有無も重要です。
昆虫には1対の触角がありますが、サソリには触角がありません。
この構造もクモ類に共通する特徴です。
このように、脚の本数、体の分かれ方、触角の有無といった基本的な体のつくりを比べるだけでも、サソリと昆虫がまったく異なる分類に属することがはっきりします。
どちらも同じ節足動物ではありますが、昆虫は「昆虫綱」、サソリは「クモ綱」に分類されます。
見た目の印象ではなく、体の構造にもとづいて分けられている点が重要なのです。
サソリの食性は?何を食べる動物なのか
この章では、サソリの食性をご覧いただきます。
次の3つの観点から、サソリの食性をお届けします。
- 基本は肉食
- 捕食方法
- 消化の特徴
順に、その内容を見ていきます。
基本は肉食
サソリは基本的に肉食の動物です。
植物を食べることはなく、生きた小動物を捕らえて栄養をとります。
主な獲物は昆虫です。
コオロギやゴキブリ、甲虫類など、同じ節足動物を捕食することが多く見られます。
種類によっては、小型のクモやムカデなどを襲うこともあります。
さらに、体の大きなサソリになると、小さなトカゲやネズミなどの脊椎動物を捕らえる例も知られています。
捕食方法
※1分50秒過ぎに、鋏で餌を捉えるところが見えます。
捕食の方法も特徴的です。
サソリは、まず、前方の鋏で獲物をしっかりと押さえ込み、必要に応じて尾の先にある毒針で毒を注入します。
この毒によって獲物を麻痺させ、安全に仕留めるのです。
消化の特徴
サソリは固形物をそのまま飲み込むわけではありません。
獲物の体内に消化液を送り込み、内部を液状に分解してから吸い取るという方法で栄養を摂取します。
この点も、クモ類に共通する特徴です。
このように、サソリは植物食ではなく、明確な肉食性のハンターです。
分類上はクモ綱に属しますが、その生態もまたクモ類らしい捕食スタイルを示しているといえるでしょう。
サソリの仲間とは?クモ類の世界を広げる
サソリはクモ綱に属する動物ですが、クモ綱にはほかにもさまざまな生き物が含まれています。
クモ

もっとも身近なのはクモです。
家の隅や庭で見かけるクモは、サソリと同じく8本の脚を持ち、体が頭胸部と腹部に分かれる構造をしています。
毒を使って獲物を仕留める種類が多い点も共通しています。
※クモについても、その分類を確認しています。
ダニ

また、ダニもクモ綱の仲間です。
ダニは非常に小さく、肉眼では見えにくいものも多いですが、体の基本構造はクモ類と同じです。
脚の本数や触角を持たないことなど、分類上の特徴を共有しています。
クモ綱の仲間たち
このように、サソリ、クモ、ダニは見た目や大きさこそ大きく異なりますが、体のつくりという観点では共通点が多くあります。
そのため、同じクモ綱というグループにまとめられているのです。
サソリだけを見ると特異な生き物のように感じられますが、クモ綱という枠組みの中で考えると、その位置づけがより明確になります。
サソリの進化と歴史(古代から生き残る理由)
サソリは、非常に古い歴史をもつ生き物です。
化石の記録によれば、その祖先はおよそ4億年以上前、古生代のシルル紀にはすでに存在していました。
恐竜よりもはるか以前から地球上にいたことになります。
初期のサソリは海にすんでいたと考えられています。
その後、陸上へと進出し、乾燥した環境にも適応していきました。
現在では、砂漠や草原、熱帯地域など、さまざまな環境に分布しています。
サソリが長い年月を生き延びてきた理由のひとつは、その堅牢な外骨格です。
節足動物特有の外骨格は体を保護し、水分の蒸発を防ぐ役割も果たします。
特に、乾燥地帯では、この構造が大きな利点になります。
また、効率的な捕食方法も重要です。
鋏で獲物を押さえ、毒で素早く仕留めるという戦略は、エネルギー消費を抑えながら確実に餌を確保できる仕組みです。
さらに、代謝が比較的低く、長期間食べなくても生きられる点も、生存に有利に働いています。
このように、サソリは古代から受け継いできた体の構造と生態的な強みを活かしながら、環境の変化を乗り越えてきました。
分類上はクモ綱に属する一グループにすぎませんが、その進化の歴史は非常に奥深いものがあります。
まとめ:サソリは「節足動物のクモ綱」に属する生物
サソリは何類の動物かという問いに対する答えは、まず「節足動物」です。
そして、その中でも、「クモ綱」に属する生物に分類されます。
昆虫と同じ節足動物ではありますが、脚が8本であること、体が頭胸部と腹部の二つに分かれること、触角を持たないことなどの特徴から、昆虫綱ではなくクモ綱に位置づけられます。
見た目の印象ではなく、体の構造にもとづいて分類されている点が重要です。
また、サソリは肉食性で、鋏と毒針を使って獲物を捕らえるハンターでもあります。
クモやダニといったクモ綱の仲間と共通する特徴を持ちながら、4億年以上前から地球上で生き続けてきた、非常に歴史のある生き物です。









60爺



ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません