「や」の書き方は突き抜ける?手書きの形とフォントによる違い
平仮名の「や」を書くとき、2画目は1画目より下へ突き抜けるのでしょうか?
パソコンで表示してみると、突き抜ける「や」と突き抜けない「や」があり、どちらを手本にすればよいのか迷ってしまいます。
60爺も複数のフォントを比べたところ、一般的な明朝体やゴシック体では形が分かれていました。
一方、今回確認した8種類の教科書体では、いずれも2画目が突き抜けていませんでした。
この記事では、「や」を手書きするときの形と、フォントによる違いについて紹介します。
「や」を手書きするときは突き抜けさせないのが無難
「や」を手書きするときは、2画目を1画目より下へ突き抜けさせない形で書くのが無難です。
ここでいう2画目とは、「や」の右上にある点のことです。
「や」の書き順

「や」は3画で書きます。
1画目は、左から右へ進み、右側で下へ曲げます。
2画目は、右側の短い棒を最後ははねて書きます。
3画目は、左上から1画目と交差させながら、右下へ向けて長く書きます。
「や」の字形で違いが見られるのは、2画目が1画目を突き抜けるかどうかです。
今回確認した教科書体の「や」は突き抜けていない
教科書体は、文字学習の教材などにも用いられる書体です。
今回、パソコン(LibreOffice Writer)で8種類の教科書体を使って「や」を表示し、2画目の形を比較しました。
確認したのは、ARP教科書体、AR教科書体M、HGP教科書体、HGS教科書体、HG教科書体、UDデジタル教科書体N、UDデジタル教科書体NK、UDデジタル教科書体NPです。
メーカーや線の太さには違いがありますが、いずれも2画目が1画目より下へ突き抜けていません。

複数の教科書体に共通して、2画目が突き抜けない形が採用されていることが分かります。
ただし、これだけで突き抜ける形を誤字と判断することはできません。
文部科学省は、「や」の2画目を突き抜けさせるかどうかについて、個別の基準を示していないためです。
「や」の形はフォントによって異なる
「や」の2画目が突き抜けるかどうかは、使用するフォントによって異なります。
次の画像は、明朝体とゴシック体の「や」を比較したものです。

ARPゴシック体MとBIZ UDゴシックでは、2画目が1画目より下に突き抜けています。
一方、ARP明朝UやMS明朝、BIZ UD明朝 Medium、MSゴシックなどでは、突き抜けない形、または突き抜けが目立たない形になっています。
同じ明朝体やゴシック体に分類されるフォントでも、字形は一様ではありません。
この違いは、文字そのものの違いではなく、フォントを設計するときの表現の違いです。
「や」という同じ文字でも、線の長さや角度、交わり方などはフォントごとに調整されています。
突き抜ける「や」も別の文字ではない
2画目が突き抜ける「や」と、突き抜けない「や」は、パソコン上ではどちらも同じ「や」として扱われます。
突き抜ける形が、別の文字や異体字として登録されているわけではありません。
実際に、ARPゴシック、BIZ UDゴシックなどでは、2画目が突き抜ける形が採用されています。
したがって、フォントに表示される突き抜けた「や」を、それだけで誤字と判断することはできません。
ただし、フォントの字形と、学校で習う手書きの形は分けて考える必要があります。
印刷物の「や」が突き抜けていても、手書きするときまで同じ形にしなければならないわけではありません。
文字の一部が突き抜けるかどうかは、ひらがなの『や』だけでなく、漢字の『女』でも迷いやすいポイントです。
文部科学省は「や」の書き方をどう示している?
文部科学省の「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」では、小学校1・2年生の書写について、次のような点に注意して書くことが示されています。
「点画の書き方や文字の形に注意しながら、筆順に従って丁寧に書くこと」
解説では、点画の接し方や交わり方、長短、方向などにも注意することが挙げられています。
ひらがなについても、筆順や点画のつながりを理解し、文字の形を整えて書くことが基本になります。
一方、この資料には、「や」の2画目を1画目の下に突き抜けさせる、または突き抜けさせないという個別の指定は見当たりません。
「や」の形を図で示し、どちらか一方だけを正しい形と定めているわけでもありません。
そのため、文部科学省の資料を根拠にして、「突き抜ける『や』は誤り」「突き抜けない『や』だけが正しい」と断定することはできません。
国が示しているのは、個々の文字の細かな線の長さというより、筆順や点画の関係に注意し、整った文字を書くという考え方です。
参考:小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編|文部科学省
学校のテストでは「や」を突き抜けると間違い?
学校のテストでは、2画目を突き抜けさせた「や」が、必ず不正解になるとは限りません。
文部科学省の資料には、「や」の2画目を突き抜けさせるかどうかについて、全国共通の細かな採点基準は示されていません。
ただし、ひらがなの書き取りでは、授業で習った形や教科書、書写教材に示された形に合わせて書くことが大切です。
今回確認した教科書体では、いずれも2画目が1画目より下に突き抜けない形になっていました。
学校で示された「や」も同じ形であれば、テストでは突き抜けさせずに書くのが無難です。
実際の採点は、文字全体の形や筆順、線のつながりなども含めて、学校や先生が判断します。
心配な場合は、授業で使っている教科書や書写教材を確認するか、担当の先生に尋ねるのが確実です。
学校のテストで線の長さが気になる例としては、『材』の縦画が上に突き出る書き方もあります。
まとめ
「や」の2画目が突き抜けるかどうかは、フォントによって異なります。
MS明朝やMSゴシックのように突き抜けるフォントもあれば、今回確認した教科書体のように突き抜けないフォントもあります。
文部科学省は、「や」の2画目を突き抜けさせるかどうかを個別に定めていません。
そのため、突き抜ける形を一律に誤字とすることはできません。
ただし、手書きや学校のテストでは、教科書や書写教材に示された形に合わせ、2画目を突き抜けさせずに書くのが無難です。
印刷物の字形と手書きの形を分けて考えると、迷いにくいでしょう。






60爺


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