数の旧字は「數」!読み方・意味・新字体との違いを解説
古い文献や苗字などで、「数」とよく似た「數」という漢字を見かけることがあります。
「數」は「数」の旧字体です。
字の形は異なりますが、基本的な読み方と意味は現在の「数」と変わりません。
この記事では、「數」の読み方と意味、成り立ち、「数」との違い、パソコンやスマホでの出し方などを紹介します。
数の旧字「數」の読み方と意味
「數」は現在の「数」よりも複雑な形をしていますが、意味の異なる別の漢字ではありません。
まずは、「數」の基本情報を確認してみましょう。
數
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 攵(のぶん・ぼくづくり) |
| 画数 | 15画 |
| 音読み | スウ・ス |
| 訓読み | かず・かぞ(える) |
| 意味 | かず、かぞえる、いくつか、運命など |
| 漢字の種類 | 「数」の旧字体 |
| ユニコード | U+6578 |
基本情報を踏まえて、「數」の読み方と意味を詳しく見ていきましょう。
「數」の読み方
「數」の音読みは「スウ」「ス」、訓読みは「かず」「かぞえる」です。
「數字」は「数字(すうじ)」、「數量」は「数量(すうりょう)」、「數寄」は「数寄(すき)」と同じように読みます。
漢和辞典には「サク」「ソク」「しばしば」などの読み方も載っていますが、現在の日常生活で目にする機会は少ないでしょう。
「數」の意味
「數」には、次のような意味があります。
- 物の多さや順序を表す「かず」。
- 一つ、二つと数量を調べる「かぞえる」。
- いくつか、いくらか。
- 定められた運命や巡り合わせ。
- 何度も繰り返すこと。
中心となるのは、「かず」と「かぞえる」の意味です。
「数字」「数量」「数回」など、現在「数」を使って表している言葉も、かつては「數字」「數量」「數回」のように書かれていました。
「運命」や「巡り合わせ」の意味は、「命数」や「数奇」といった言葉に残っています。
「數」の書き順
「數」は15画の漢字です。

先に左側の「婁」を書き、続いて右側の「攵」を書きます。
左側は横に広がりすぎないようにまとめ、下部の「女」をやや平たく書くとバランスが整います。
右側の「攵」は、最後の左払いと右払いを伸びやかに書くのがポイントです。
「數」の成り立ち
「數」は、「婁」と「攵」を組み合わせた形声文字です。
ただし、「かぞえる」という意味が生まれた経緯については、『旧字源』と『漢字源』で異なる解釈が示されています。
『旧字源』による「數」の成り立ち
『旧字源』では、「婁」は女性が髪を巻いて高く結い上げている姿を表すと説明されています。
そこから、「途切れずに続く」という意味も生まれました。
「攵」は「攴」と同じく、「たたく」という意味を表します。
結い上げた髪をたたいて崩すと、髪が乱れて数え切れないほどになることから、「かず」「かぞえる」の意味になったという解釈です。
また、こつこつとたたく動作を続けることから、「かぞえる」の意味になったともいわれます。
「婁」の持つ、高く巻き上げるように重なるイメージは、「樓(楼)」にも使われています。
「楼閣」の「楼」は、階を重ねた高い建物や、たかどのを表す漢字です。
『漢字源』による「數」の成り立ち
一方、『漢字源』では、「數」は「婁」と「攴」から成る形声文字とされています。
「婁」は、「毌」「中」「女」を組み合わせた会意文字です。
女性の奴隷を紐でつなぎ、引っ張る情景から、「数珠つなぎに並ぶ」「次々に連なる」というイメージを表します。
「數」は、算籌と呼ばれる計算用の棒を数珠つなぎに並べる情景を示し、そこから「かず」「かぞえる」という意味が生まれたと説明されています。
このように、『旧字源』と『漢字源』では細かな解釈が異なりますが、どちらも「婁」と「攴」を組み合わせて「數」ができたとしています。
「數」と「数」の違い

「數」は旧字体、「数」は現在一般に使われている新字体です。
二つの字体の違いを表にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 數 | 数 |
|---|---|---|
| 字体 | 旧字体 | 新字体 |
| 画数 | 15画 | 13画 |
| 字の形 | 婁と攵を組み合わせる | 婁の複雑な部分を簡略化した形と攵を組み合わせる |
| 主な使われ方 | 苗字や古い文献など | 現在の一般的な文章 |
「數」はなぜ「数」になった?
『旧字源』によると、「數」から「数」への字体の変更では、「婁」の上部にある複雑な部分が「米」の形に省略されています。
これは、複雑な部分を簡単な形に整理する新字体の作り方の一つです。
「婁」を含む漢字には「縷」「鏤」「螻」などがあり、このうち「鏤」と「螻」にも、「婁」の部分を「米」に置き換えた異体字があります。
「數」が「数」になったのも、複雑な部分を「米」の形に置き換えた字体整理の一例です。
現在の一般的な文章では「数」を使い、「數」は苗字や古い資料などで使われています。
「數」のほかにも、現在の新字体とは形の異なる旧字体があります。
ほかの例は、旧字体がある漢字の一覧でまとめています。
「數」は名前や苗字に使われる?
「數」は新たな名付けには使えませんが、苗字に使われている例はあります。
名前と苗字では扱いが異なるため、分けて確認しましょう。
「數」は名前に使える?
「數」は人名用漢字ではないため、現在、出生届に子供の名前として使用することはできません。
新字体の「数」は常用漢字なので名付けに使えますが、その旧字体である「數」は使えません。
旧字体だから新字体と同じように名付けに使えるとは限らないため、注意が必要です。
反対に、「伝」の旧字体である「傳」のように、名付けに使える旧字体もあります。
旧字体によって扱いが異なるため、使用したい漢字ごとに確認することが大切です。
「數」を使った苗字
「數」は、「かず」と読む一文字の苗字として使われています。
このほかにも、「數」を含む苗字があります。
代表的な例を見てみましょう。
| 苗字 | 主な読み方 |
|---|---|
| 數 | かず |
| 糸數 | いとかず |
| 嘉數 | かかず |
| 白數 | しらす |
| 數井 | かずい |
「數」を含む苗字には、新字体の「数」を使った表記もあります。
ただし、旧字体と新字体のどちらを正式な苗字として使用しているかは人によって異なります。
また、同じ苗字でも複数の読み方があるため、表に示したもの以外の読み方をする場合があります。
「數」をパソコンやスマホで出す方法
「數」を簡単に出したい場合は、文字をコピーするのが確実です。
文字変換を使う方法もありますが、端末や日本語入力システムによっては候補に表示されないことがあります。
「數」をコピーして使う
次の「數」の「コピー」ボタンを押してください。
數
コピーした文字は、WordPressや文書作成ソフト、メールなどに貼り付けて使用できます。
パソコンで「數」を出す方法
パソコンでは、「かず」と入力して変換します。

変換候補に「數」が表示されたら、クリックしてください。
「すう」でも出せますが、「かず」の方が早く出せるのでお勧めです。
それでも出てこない場合は、上にある「數」をコピーしてください。
スマホで「數」を出す方法
AndroidやiPhoneでも、「すう」または「かず」と入力して変換します。
出力結果として、Androidで「すう」の入力をお見せします。

「數」をタップすれば入力完了です。
「數」が候補に表示されない場合は、上にある文字をコピーして使用してください。
繰り返し使う場合は、コピーした「數」を「すう」や「かず」の読みでユーザー辞書に登録しておくと、次から簡単に入力できます。
テプラで「數」を出す方法
60爺所有のエントリー機SR300で、「かず」で変換ボタンを押していくと出てきました。

「かず」では、変換候補が6つありましたが、その最後に登場です。
数の異体字は「𢿙」

「数」には、旧字体の「數」のほかに、「𢿙」という異体字があります。
「𢿙」の読み方と意味は、基本的に「數」や「数」と同じです。
Unicodeは「U+22FD9」ですが、現在の日常生活で使われることはほとんどありません。
使用する端末やフォントによっては、文字が正しく表示されない場合があります。
旧字体とは別に異体字がある例としては、「覚」の旧字体「覺」と異体字「覐」もあります。
まとめ
「數」は「数」の旧字体で、基本的な読み方と意味は変わりません。
二つの字体は成り立ちを同じくしますが、「數」の複雑な部分を簡略化したものが、現在一般に使われている「数」です。
「數」は新たな名付けには使えませんが、「かず」と読む苗字に使われている例があります。
パソコンやスマホで出せないときは、「數」をコピーして使用すると簡単です。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
旧字源 旧漢字でわかる漢字のなりたち(瀬谷出版)
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。








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