将棋女流タイトル女流名人戦の仕組みと賞金額、クイーン名人について

2022年2月22日

岡田美術館杯女流名人戦(おかだびじゅつかんはい じょりゅうめいじんせん)は、報知新聞社及び日本将棋連盟が主催・ユニバーサルエンターテインメントが特別協賛する棋の女流タイトル戦です。

タイトル戦勝者には女流名人のタイトル称号が与えられます。

棋戦名ですが、創設時、現在の女流アマ名人戦が「女流名人戦」として既に存在していたため、プロの棋戦であるという事を明確にして、「女流プロ名人位戦」として1974年10月に創設されたそうです。

この時、名人にプラス「位」が付いていますが、男性棋戦の「名人」に敬意を表し名称を変更したそうです。棋界は男社会なので、色々とあったんですね。

そして、第29期(2002年度)に「プロ」が取れて正式に「女流名人位戦」となりました。さらに、創設40周年を機に第41期(2014年度)から「位」を外して「女流名人戦」(「ユニバーサル杯女流名人戦」)に改称されました。

何度か冠が変更されていいて、現在は「岡田美術館杯」となっています。これは、第20期(1993年度)から特別協賛しているユニバーサルエンターテインメント保有する美術館の名称で、第42期(2015年度)から使用しています。

スポンサーリンク

仕組み

女流名人戦は女流名人リーグと予選から成り立っています。

即ち、トーナメントで競う予選4枠と、リーグ残留者6名を加えた総当たりの女流名人リーグを実施し、最優秀戦績者が挑戦者となり、の女流名人と五番勝負を行います。

5番勝負は翌年1月から2月に行われ3勝した方が女流名人となります。

過去を振り返ると、第39期まではリーグ戦がA級・B級に分かれていまして(第24期まではリーグ戦がC級までありました)、A級リーグ下位者とB級リーグの成績優秀者との入替えがありました。

第40期より、B級リーグは廃止され、A級リーグの名称を「女流名人位リーグ」に変更、さらに第41期より現在の名称である「女流名人リーグ」と改称されています。

予選

前年度女流名人およびリーグ戦に残留している女流棋士を除くすべての女流棋士が参加します。トーナメント方式で戦い、予選通過者は原則4名です。

以下のトーナメント表は、日本将棋連盟のサイトから抜粋しました。

予選通過者は女流名人リーグに参加します。女流名人リーグでの順位は各人7位となります。

創設当初はC級リーグが予選の代わりに行われていましたが、第25期(1998年)から現在のトーナメント方式に改められたそうです。

持ち時間は2時間です。

女流名人リーグ

前期番勝負敗退者1名、前期残留者5名、予選通過者4名の都合10名で総当たり戦を行います。

女流名人リーグの優勝者が5番勝負で女流名人に挑戦し、下位4名が女流名人リーグから陥落します。

以下の女流名人リーグ表は、日本将棋連盟のサイトから抜粋しました。

同率の女流棋士が複数いる場合は、順位上位のものが成績上位としますが、挑戦者決定戦のみ順位に関係なくプレーオフを実施します。

両者とも予選通過者であるなど順位が同じ者が残留ライン上に並んだ場合は残留決定戦が実施されます。

持ち時間は予選と同じく2時間です。

女流名人戦五番勝負

女流名人と女流名人リーグ優勝者が五番勝負を戦い、勝者が新たな女流名人となります。実施時期は、翌年の1月から2月にかけてです。

第42期から第1局は、冠スポンサーである箱根にある「岡田美術館 開化亭」での開催が恒例となっています。

近年は第2局が里見香奈の地元である島根県の「出雲文化伝承館 松籟亭」、第3局が千葉県野田市の「関根名人記念館」、第4(or 5)局が岡山県の「湯原国際観光ホテル菊之湯」の開催が定番となっているようです。

五番勝負の持ち時間は各3時間です。


クイーン名人

女流名人を通算5期獲得した女流棋士には「クイーン名人」の称号が与えられます。現在までに3名のクイーン名人が誕生しています。

  • 中井広恵(1992年)
  • 清水市代(1996年)
  • 里見香奈(2013年)

賞金

残念ながら非公開ですね。

但し、女流名人戦は、女流タイトル八つのうちの5位に相当し、ヒューリック杯白玲戦(賞金1,500万円)>大成建設杯清麗戦(同700万円)>マイナビ女子オープン(同500万円)>リコー杯女流王座戦(同500万円)の下に位置しますので、そこから類推するしかないようです。

余り資料がありませんが、500万円を超えることはないということですね。

連覇記録

第47期までの連覇記録を見ますと、第36期で女流名人を奪取した里見香奈が12連覇を達成し、同一女流タイトル戦の連続在位記録を更新しました(ちなみに2位は女流王将10連覇の林葉直子)。

女流名人戦で見ると、それまでは、第21期から第25期までの5連覇が最多記録でしたので、里見香奈の記録がずば抜けて凄いことがわかるでしょう。

第48期で伊藤沙恵が女流名人位を3勝1敗で奪取し、自身9度目のタイトル挑戦での初戴冠となりました。同時に、前述の里見香奈の連続在位記録が12で途絶えました。

参考
 女流名人戦 (将棋) – Wikipedia

スポンサーリンク
この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

将棋

Posted by 60爺