木へんに京と書いて椋!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
木へんの漢字を順次紹介していますが、今回は何にしようか考えていたんですが、iTunesに入っていたアルバムの「小椋佳」に目が留まりました。
「椋」の方です。確か「おぐらけい」でしたね。この漢字ですが、あまり見かけないような気もします。
「ぐら」と読むのは、小椋佳を知っていたからで、木へんに京と書く「椋」を他に何と読むのか、さっぱりわかりません!
そこで、今回の記事とする漢字は、木へんに京と書く椋に決定です!いつもの通り、思いっきり掘り下げてみましたよ。
そうしたら、いつもの通り、「ヘーッ」ということや新しい発見がありました~
毎回、新たな発見と共に知識が増えていくのが楽しいですな!
さあ、それでは、きへんに京と書く「椋」について、ご披露しますので、ご一緒に見にいきましょうか。
木へんに京といえば椋!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、椋の意味と読み方を明確にしましょう。
椋の読み方と意味
椋
画数 :12画
音訓:リョウ(日本語だけ)むく いら おぐら(をぐら) くら
意味
①木の名。ミズキ科ミズキ属の落葉高木。高さは十メートルに達する。葉は楕円形または卵形で対生する。果実は小さい球形で熟すと黒くなる。樹皮は赤褐色でかどがある。樹皮を骨折などの薬用とする。クマノミズキ。椋子木。別名、涼木・棶ライ。
日本語だけの意味
木の名。ムクノキ属の落葉高木。ケヤキに似る。葉の面があらく、物をみがくのに用いる。実はまるくて小さい。熟して黒くなったものは食用。ムクノキ。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
紹介したとおり、「リョウ」の音読みは「リョウ」、訓読みは、日本語のみ、「むく」「いら」「おぐら(をぐら)」「くら」とたくさんあります。
先程も言いましたが、この漢字、何度も見たことはありますが、いざ、読もうとしたら、「あれっ」ってなっちゃいました。
意味は、クマノミズキという植物のことなんですね。
調べると、樹高は8-12mとありますので上記説明の通りです。
和名は、三重県熊野に産するミズキの意味とのことです。
椋子木は、クマノミズキの別名です。
別名に「涼木」とありますが、これは、漢字の成り立ち(下記)に関わるものですね。「棶」はまさしく「クマノミズキ」のことで間違いありません。
日本語だけの意味ではムクノキを言うんですね。
「漢字源」にはありませんでしたが、「携帯 新漢和中辞典(三省堂)」には「鳥の名、椋鳥(むくどり)」も載っていました。
他にも、「ちしゃ。チシャの木。」を指すなんて資料もありました。
次は、書き順を示しておきます。
木と京の書き順そのままです!京の書き順は皆さん問題ないですよね。
万が一、不安のある方は、順番に従ってご確認のほどを^^;
もっと詳しく知ろう!椋の漢字としての由来や成り立ち
杜は、「木」+「京」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「京」:涼(リョウ・涼しい)の略体、まさしく涼しいという意味です。
枝葉が陰をなして夏に涼を取ることからクマノミズキを涼木と称し、椋の字が作られた。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
先程の画像で見たクマノミズキ、さすがに大きく、枝葉が陰をなして夏に涼を取るには最適かもしれませんね。
日本語の意味だけにあるムクノキもかなり大きくなるので、同様の意味で、この漢字を書くのでしょうかね?
「椋の木」の語源を調べると不明だと出ています。
「改訂増補牧野新日本植物図鑑」に面白い説が出ています。
- 樹皮が剥がれる⇒「剥く」⇒ムクノキ
- ざらざらした葉で物をみがく ⇒ みがく=古語「むく」から
- 「茂(も)く」で茂る樹の意
その他にも、ムクドリが実を好むのでムクノキになったなんて説もあるようです。
椋ってどんな植物?
椋は大きく2つの植物を指していました。
- クマノミズキ
- ムクノキ
それぞれの花言葉と形態・生態を見ていきましょう。
花言葉
クマノミズキ
花言葉はたったひとつ!
- 「耐久力」:用途は、器具、柄木、薪炭材などですが、耐久力があることから来たのでしょうか?
花言葉の理由が今一つ明確にならなかったですね。
ムクノキ
花言葉は次の通りです。
- 長寿
- 強い力
- 永遠
なんか凄いのが3つも出て来ました。
まず、長寿ですが、椋の木って手入れをしなくともすくすく伸びて、しかも樹齢千年なんて木もあるんですよ。その樹齢からついたんでしょうな。
強い力は、ムクノキが空に向かってまっすぐ伸びる生命力にあやかって付いたモノと思われます。
最後の花言葉である永遠は、知らず知らず、いつまでも存在していることから名付けられたのでしょう!
ムクノキの花は、色は淡い緑色~黄色で、新芽に隠れるようにして咲くため余り目立ちません。ここから、ギリシャ語で「目立たない花」という意味の「Aphananthe」が学名となったそうです。
形態・生態
クマノミズキ
日本では、本州、四国、九州に分布し、山地に自生する。アジアでは、朝鮮、台湾、中国、ヒマラヤ、アフガニスタンに分布する。
引用 wiki クマノミズキ
樹高は8-12m。
花期は6-7月。新枝の先に、径8-14cmの散房花序をつける。花は多数の白色4弁花。果期は10月。果実は核果で、径5mmほどの球形で紫黒色に熟す。
「水木」は、葉の出る前に枝を折ると、水が滴り落ちることから、「水分が多い木」という意味で、ミズキという名が付けられたそうです。
クマノミズキは、発見された三重県の熊野にちなんで熊野水木になりました。
ミズキという種類もあり、違いは、ミズキの方がクマノミズキより花期が1ヶ月ほど早いことです。また、ミズキは葉が互生しますが、クマノミズキは対生です。
ご‐せい【互生】
引用 広辞苑
〔植〕茎や枝に交互に1枚ずつ葉を生じること。サクラ・アサガオの類。互生葉序。
たい‐せい【対生】
植物の葉序で、葉が同一の節に2枚向かい合ってつくこと。
ムクノキ
東アジアに分布する。単にムク(椋)、またはエノキに似るためムクエノキ(椋榎)とも言う。
引用 wiki ムクノキ
幹の直径は1 m以上になり、板根が発達する場合もある。
葉は互生し、長さ4 – 10 (cm) の卵形又は狭卵形で、葉縁は先端まで鋭い鋸歯があり、葉脚はくさび状、3行脈を持つ。葉の質は薄く、表面は細かい剛毛が生え、紙やすりのようにざらついている。
花期は4 – 5月ごろ。葉と展葉とともに葉の根元に淡緑色の小さな花を咲かせる。
果期は10月ごろで、熟すと黒紫色になり、乾燥して食用になり、味は非常に甘く美味である。
ムクノキの果実は、上述のように甘みがあるため、ムクドリなどの小鳥の好物であり、上述の通り、ムクドリが実を好むのでムクノキになったという説があるんです。
同じく上述したように、ざらついている葉は乾燥させると紙やすりのようになりため、古来から木材や象牙、べっ甲などを研磨する用途で使われていたようです。
また、ムクノキの幹は固く丈夫で加工しやすいので、古来から木材として、農具の柄の部分や餅つき用の杵、建築や造船等に使われてきました。
名前に使われる際のポイントは
木へんに京と書く「椋」ですが、木へんに土の「杜」と同様に、1990年から名前に使えるようになった漢字です。
その際も言ったのですが、比較的歴史の浅い人名漢字なんですね。
この漢字は、「りょう」という人気の響きを持ちますので、名付けで使いやすい漢字ですね。
「椋」の字から受ける印象は、木へんのどっしりとした印象と「京」の雅なイメージがあります。また、クマノミズキにしても、ムクノキにしても、早く大きく成長するのが特徴ですから、以下の思いを込められます。
- 素直で穏やかな性格で社会に貢献する
- 真っ直ぐな成長を願って
- すくすくと健康に育つこと
「椋」という文字も、子供にとっては、珍しい名前なので一発で覚えてもらえたり、そこから話題が進んだりするするメリットがあると思います!
しかし、名前をちゃんと読んでもらえないのはストレスになるかもしれないので、命名時の気持ちや願いなどをきちんと伝えておくなどの十分なフォローを忘れずに実施しましょう!
「椋」を使った名前
「椋」という漢字ですが、名付けでは、「りょう」「く」「くら」「むく」と読ますことができます。
まあ、「むく」は読み的に60爺はあまり好かんので、ベスト3に採用することはないですね。
60爺が勝手に決めたベスト3は次の通りです。男の子は、三つとも「りょう」になりました。女の子は、「くら」「りょう」「くら」を採用しています。
男の子の名前60爺ベスト3
- 椋星(りょうせい)
- 椋馬(りょうま)
- 椋太(りょうた)
女の子の名前60爺ベスト3
- 実椋(みくら)
- 椋那(りょうな)
- 椋羅(くらら)
この椋を名前に使うと良くないという噂を聞きましたので、その内容を確認して、60爺の見解を述べた記事を書いています。
木へんに京の苗字は?
椋のつく名前を見ましたが、それじゃ、木へんに京の椋は苗字として存在するでしょうか?
冒頭で、「小椋佳」を出していますので、当然、いろいろな苗字があると思いますので確認します。
始めに「椋」一文字で探してみます。
【名字】椋
【読み】むく,むくのき,もくのき,おぐら,むぐら
【全国順位】 12,103位
【全国人数】 およそ530人
参考:名字由来net
ありました。しかも、読みがいっぱい!5種類の読みがあるんですな。
順位は、12,000番台、人数は500人強いらっしゃいますね。
それでは、椋に他の漢字を付けた名字はどうでしょうか。
小椋(おぐら)、巨椋(おぐら)、椋倉(おぐら)、木椋(おぐら)、上椋(かみむく)、椋橋(くらはし)、高椋(たかむく)、椋井(むくい)、椋居(むくい)、椋浦(むくうら)、椋尾(むくお)、椋開地(むくがいち)、椋毛(むくげ)、椋沢(むくざわ)、椋澤(むくざわ)、椋下(むくした)、椋樹(むくじゅ)、椋園(むくぞの)、椋田(むくだ,むくた)、椋代(むくだい)、椋名(むくな)、椋梨(むくなし)椋埜(むくの)、椋野(むくの)、椋木(むくのき)、椋原(むくはら)、椋林(むくばやし)、椋平(むくひら)、椋棒(むくぼう)、椋村(むくむら)、椋目(むくめ)、椋元(むくもと)、椋本(むくもと)、椋山(むくやま)、椋立(むくりゅう)、椋竜(むくりゅう)、椋龍(むくりゅう)、椋露地(むくろじ)
参考:漢字書き順辞典
これまた、たくさん見つかりました。
冒頭に出した「小椋」さんを探してみます。
【名字】小椋
【読み】おぐら,こむく,おむら,こむら,おむく,おりょう,こぐら,こぐれ,こりょう
【全国順位】 786位
【全国人数】 およそ24,400人
参考:名字由来net
こちらは、なんと9種類の読みがあります。
次は、上記の苗字にはないですが、小に対して「大椋」さんはいないのでしょうか。
【名字】大椋
【読み】おおむく
【全国順位】 36,660位
【全国人数】 およそ70人
参考:名字由来net
いらっしゃいました!こちらは、「おおむく」一択の読みですね。
次は、「小椋」と同じ読みである「巨椋」さんはどうでしょうか。
【名字】巨椋
【読み】おぐら
【全国順位】 31,408位
【全国人数】 およそ100人
参考:名字由来net
こちらも、「おぐら」一択の読みでした。
巨椋といえば、昔、京都府に大きな池があったことをご存知ですか?
昔、この巨椋という名称を持った巨椋池(おぐらいけ)が京都府の南部にあったんです。
とても広い池で、現在、最大の池である湖山池よりも広かったそうです。
残念ながら、1933年(昭和8年)~1941年(昭和16年)の干拓事業によって634haの農地になってしまいました
苗字の最後に、上の一覧にはない「椋木」さんを見てみました。
【名字】椋木
【読み】むくのき,むくぎ,くらき,むくき,むれき,りょうき,くれき
【全国順位】 7,334位
【全国人数】 およそ1,200人
参考:名字由来net
椋木の読み方は7つありました。「椋」と「木」の読みを色々組み合わせていますね。
京がつくりにつく漢字で記事を2つ書いています。
最後に
木へんに京で椋ですが、この漢字について、それぞれ調べてみました。
最初に、椋の読み方と意味について述べてきました。今回の漢字は、木へんだけに樹木を指しましたね。そして、いつも通り、何故か2つの樹木クマノミズキとムクノキでした。
両者とも高木で、漢字の由来となる「木陰で凉を取る」のイメージにピッタリでしたね。
ムクノキの花言葉が見つけられませんでした!クマノミズキも見つかるには見つかったんですが、「耐久力」なぞという、およそ、花言葉には似合わないものでしたね~。
今回も、いろいろ勉強できて良かったです。次回も、頑張っていくゾ。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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