木へんに堅いと書いて樫!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集

2023年3月26日

この世の中には、いろいろな人間がいます。秘密を知ると、しゃべりたくて仕方なく、黙っていられない人がいる反面、絶対に他に漏らさない人もいます。

こういう人を「口が堅い」なんて言いますね。

60爺

この「堅い」という文字ですが、木へんの漢字になるだろうかと疑問がわきました。

木へんに堅いと書いて樫。ちゃんと存在しています。多分、堅い木を指すんだろうと勝手に想像しちゃいました。

早々、木へんに堅いの「樫」、いつもやっている通り、この漢字について、その読み方や細かい意味及びその書き順・特徴、名付け(漢字的には疑問です)のポイントまで幅広く総特集していきます。

どうぞ、最後までご覧になってくださいますよう、お願い申し上げます。

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木へんに堅いといえば樫!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

まずは、「樫」の意味と読み方から見ていきます。

樫の読み方と意味

画数 :16画
音訓:(日本語だけ)かし
日本語だけの意味
かし。木の名。ブナ科コナラ属の常緑高木の総称。アカガシなど。実はどんぐり。材は硬く、器具をつくるのに用いる。

参考:上級漢和辞典 漢字源

何と、「樫」の音読みはないんですよ。しかも、訓読みも日本語だけの「かし」なんですね。

意味も日本語だけで、「かし」即ち「ブナ科コナラ属の常緑高木の総称」を指すんですよ!特定の品種を指すわけではないんですね。

次は、「樫」の書き順をみてみましょう。

木と堅の書き順そのままです。木の書き順は、何の問題もないと思います。堅の書き順は「臣」「又」「土」の順に書きます。

「臣」は、左の縦線(5)、上の横線(6)を書いてから、中の7から10までを書いて、最後に、下の横線(11)を書きます。「又」と「土」は大丈夫ですね。


もっと詳しく知ろう!樫の漢字としての由来や成り立ち

これは、以前記事にした「木へんに正」の「まさ」と同様に、日本語の「かし」を表記するために創作された国字※(和製漢字)なんですよ~。「堅(かたい)+木(き)」で、材質が堅い木を示します。

※国字
和字・倭字・皇朝造字・和製漢字などとも呼ばれる。会意に倣って作られることが多い。峠(とうげ)・榊(さかき)・畑/畠(はたけ)・辻(つじ)など古く作られたものと、西洋文明の影響で近代に作られた膵(スイ)・腺(セン)・腟 (チツ、本来はシツ)・瓩(キログラム)・粁(キロメートル)・竓(ミリリットル)などがある。

引用 wiki 国字

この国字ですが、以前、木へんに正の他にも、木へんに門、木へんに神、木へんに花の記事でも出てきました。

次の章では、樫はどんな植物なのか見ていきます。

樫ってどんな植物?

さてさて、漢字の意味では、「ブナ科コナラ属の常緑高木の総称」と言っていますが、まずは、辞書を引いてみましょうか。

かし【樫・橿・櫧】
(イカシ(厳し)の上略形か)ブナ科コナラ属の常緑高木の一群の総称。暖地に多く、日本では中部以南に約10種ある。同属の高木で常緑でないものをナラと総称。晩春から初夏に小花を密生した穂をつけ、雌花と雄花とがある。果実は「どんぐり」。材は堅く、器具材その他として重要。シラカシ・アラカシ・ウラジロガシなど。かしのき。

引用 広辞苑

広辞苑でも、樫は「ブナ科コナラ属の常緑高木の一群の総称」といっていますが、「wiki カシ」を見ると、少し、違った見方をしているようです。

カシ(樫、橿、櫧)とは、ブナ科の常緑高木の一群の総称である。狭義にはコナラ属 (Quercus) 中の常緑性の種をカシと呼ぶが、同じブナ科でマテバシイ属のシリブカガシもカシと呼ばれ、シイ属 (Castanopsis) も別名でクリガシ属と呼ばれる。なお、アカガシ亜属 (subgen. Cyclobalanopsis) をコナラ属から独立させアカガシ属 (Cyclobalanopsis)として扱う場合もある。またクスノキ科の一部にも葉の様子等が似ていることからカシと呼ばれるものがある。

引用 wiki カシ

漢字源や広辞苑で述べていた、「ブナ科コナラ属の常緑高木の総称」は狭義だと言い切ってますね。

見方によって、「樫」と呼ばれる種類は変わってくるようです。

日本に自生しているブナ科植物のうち、カシと呼ばれているものを一覧にしました。

亜科亜属樫と呼ばれる樹木
ブナ科コナラ亜科コナラ属コナラ亜属・・・ウバメガシ
アカガシ亜属アカガシ属アカガシ、イチイガシ、アラカシ、ハナガガシ、オキナワウラジロガシ、シラカシ、ツクバネガシ、ウラジロガシ
クリ亜科マテバシイ属・・・・・・シリブカガシ
クスノキ科・・・・・・・・・・・・アオガシ、イヌガシ

参考 wiki カシ

樫の木材の利用は次の通り、多岐にわたっています。

漢字で木偏に堅と書くことからも判るように、木材としての材質は非常に堅い。また粘りがあり強度も高く耐久性に優れている。その特性から道具類、建築用材に使われる。ただし、加工がしにくい、乾燥しにくいといった難点がある。

・建築では欄間、敷居に使われる。
・鉄道の枕木。初期の木製レール。
・橋
・ハンマー(掛矢)、スコップ、鍬、杵など道具類の柄。
・山車のかじ取りをするための梃子。
・木刀、ヌンチャクなどの武道用具。
・和太鼓の桴(ばち)。
・その他、杖、棺桶など

引用 wiki カシ

次の章では、「樫」を命名に使う場合のポイントを述べていきます。

名前に使われる際のポイントは

木へんに堅いと書く「樫」は、赤ちゃんへの名付けで、「かし」の訓読みのできる漢字です。

ただ、この「樫」は、字体も堅い感じがしますし、読みも「かし」一択ですので、使い方が限られてしまうこともあり、名前に使うことは断念したいと思います。

60爺

代りに、「樫」という名字と、「樫」に別の漢字を付けた苗字を見ていきましょう。

まずは、「樫」一文字の苗字があるか見てみましょう。

【名字】樫
【読み】かたぎ、かし
【全国順位】 12,790位
【全国人数】 およそ480人
参考資料 名字由来net

「樫」一文字の苗字がありました。読みが2種類あって、「かし」の他に「かたぎ」と読ませるんですね。全国の人数は480人で、順位は12,790位ですから、珍しい名字と言っていいでしょう。

都道府県別の人数のベスト5です。

都道府県人数
京都府およそ130人
大阪府およそ90人
埼玉県およそ90人
奈良県およそ50人
香川県およそ20人

参考資料 名字由来ne

ベスト5の府県で、480人中380人(8割弱)に達しています。後の42都道県で100人しかいないんですね。上記以外の地域には、「樫」さんは少数民族なんですな~。

今度は、樫に他の文字を付けた苗字を見てみましょうか。

白樫(しらかし)、富樫(とがし)、樫木(かしき、かたぎ、かしぎ、かしのき、かたき)、樫尾(かしお、かじお)、樫本(かしもと、かじもと、けんもと)、樫原(かしはら、かしばら、かしわら、かたぎはら)、八重樫(やえがし、やえかし、はえがし)、樫山(かしやま)、樫谷(かしだに、かしたに)、樫村(かしむら)、樫渕(かしぶち)、樫澤(かしざわ)、黒樫(くろがし)、樫沢(かしざわ)、樫埜(かしの)、樫津(かしづ)、樫東(かしひがし、かしとう)、樫ノ浦(かしのうら)、樫出(かしいで、かしで)

まだまだ、他にもたくさんありますが、一部を抜粋しています。

ほとんど「かし」と読むんですが、少数ですが、違う読みが目につきます。

富樫(とがし)の「がし」という濁点付き、樫木(・・・、かたぎ、・・・、・・・・、かたき)の「かた」、樫本(・・・、けんもと)の「けん」、樫原(・・・、かたぎはら)の「かたぎ」などです。

それでは、記事を終わる前に、上述した木へんの国字について見ておきましょう。

ところで木へんに○の国字は?

過去に記事にしている木へんに○の一覧です。当該記事である「木へんに堅」も入っています。

木へんに○読み備考
さかき神事の供え物をする木を寓意したものであり、日本語の「さかき」を表記するために創作された国字です。
くぬぎクヌギは、古くは「くのき」ともいい、上述の「門」の意のように「区の木」に当てた日本製の漢字即ち国字です。
もみじもともと、モミツという四段動詞があり、紅葉(黄葉)するの意であった。その連用形で名詞化したものがモミチであり、第三音節は清音であったが、平安時代に入ってモミヂと濁音化した。
まさき日本語の「まさ」を表記するために創作された国字(和製漢字)で、正(まさ)に木(き)を添えた漢字です。
かし日本語の「かし」を表記するために創作された国字(和製漢字)なんですよ~。「堅(かたい)+木(き)」で、材質が堅い木を示します。

木へんに神で榊

「榊」は、日本語だけの意味がたった一つです!

神棚のある家庭では、定期的にお供えしますのでご存知だと思います。もっと詳しいことを知りたい人は、次の記事を参照ください。

木へんに花で椛

「椛」は女の子の名づけに最適な漢字ですね。そんな内容を含んだ、次の記事を是非ご覧ください。

木へんに門で椚

昔は、この木はクワガタやカブトムシなど昆虫採集でお世話になった方も多いはずです。気になる方は、次の記事をご覧になってください。

木へんに正で柾

この漢字は意味を二つ持っています。ひとつは、植物のマサキです。もう一つは…。その答えが知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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最後に

木へんに堅いの樫について述べてきました。

この漢字、画数はかなり多いですが、堅いは「臣」「又」「土」に分解できるので、覚えやすいですよね。

その意味は、まさに堅い木であるカシでした。しかも、過去にいくつも出てきた国字でしたね。

樫は、特定の植物ではなく、ブナ科コナラ属の常緑高木の総称でした。ですので、日本にある種類を一覧にしてみてきました。

60爺

何か、国字に当たる割合が高いような気がしてます。

※気づけば木へんの記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

木へんの漢字

Posted by 60爺