草冠に鬼の漢字は「蒐」!読み方・意味・成り立ちを解説
草冠に「鬼」と書く漢字は「蒐」です。
「蒐」は音読みで「シュウ」、訓読みで「あつめる」「あかね」「かり」などと読みます。
現在では「蒐集」という言葉で見かけることがありますが、本来は植物のアカネを表した漢字です。
この記事では、「蒐」の読み方と意味、漢字の成り立ち、蒐のつく言葉や名前に使えるかどうかまで分かりやすく解説します。
草冠に鬼の漢字「蒐」の読み方と意味
草冠に「鬼」を組み合わせた「蒐」の基本情報は、次のとおりです。
蒐
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 艹(くさかんむり) |
| 画数 | 13画 |
| 音読み | シュウ |
| 訓読み | あかね、あつ(める)、かく(す)、さが(す)、かり |
| 意味 | アカネ、集める、隠す、探し求める、狩り |
| 漢字の種類 | 会意文字・人名用漢字 |
「蒐」は複数の読み方と意味を持つ漢字ですが、現在、目にする機会が多いのは「シュウ」と「あつめる」です。
「蒐」の読み方
「蒐」の音読みは「シュウ」です。
訓読みには「あかね」「あつめる」「かくす」「さがす」「かり」があります。
「蒐集」では「しゅう」と読み、「蒐める」と書いた場合は「あつめる」と読みます。
また、植物のアカネや春の狩りを表す場合にも使われますが、現代ではこれらの読み方を目にする機会は多くありません。
「蒐」の意味
「蒐」が持つ主な意味は、植物のアカネ、物を集めること、隠すこと、探し求めること、狩りをすることです。
もともとは赤い根を持つ植物のアカネを表した漢字ですが、のちに「集める」という意味でも使われるようになりました。
代表的な言葉が「蒐集(しゅうしゅう)」です。
「蒐集」は、品物や資料などを集めることを意味し、一般には「収集」と書き換えられます。
なお、植物名としては「蒐」ではなく、通常は「茜」と書きます。
「蒐」の書き順

「蒐」は、上の草冠を書いてから、下の「鬼」を書きます。
全部で13画です。
「鬼」の部分は画数が多いため、書き順を確認しながら書くとよいでしょう。
「蒐」の由来と漢字の成り立ち
「蒐」は、「艸(くさ)」と「鬼」を組み合わせた会意文字です。
漢字源では、「艸」は草を表し、「鬼」はここでは死者や亡霊を表しています。
ここから、「蒐」は、アカネの根の赤色から人血を連想し、鬼(亡霊、死者)の血の化したものとい俗信から生じた図形なのです。
つまり、「蒐」が最初に表したのは、現在よく使われる「あつめる」ではなく、植物のアカネでした。
その後、「蒐」は本来の植物名から離れ、「あつめる」「さがし求める」「狩りをする」といった意味にも使われるようになりました。
現代では、物品や資料などを集める「蒐集」という言葉で目にすることがあります。
「蒐」が表すアカネとは
「蒐」が本来表していたアカネは、アカネ科アカネ属のつる性多年草です。
‘Uncle Carl’ (カールおじさん)., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
アカネ
日本をはじめ、中国や朝鮮半島などに分布し、山野や道端、林の縁などでほかの植物に絡みながら生育します。
茎には下向きの小さなとげがあり、夏から秋にかけて淡い黄緑色の小さな花を咲かせます。
アカネという名前は、根が赤みを帯びていることに由来し、「赤い根」が「あかね」になったといわれています。
この根は古くから赤色の染料として利用され、アカネで布などを染めることを「茜染め」といいます。
乾燥させた根は「茜草根(せんそうこん)」と呼ばれ、生薬としても利用されてきました。
現在、植物名を漢字で表す場合は、一般に「蒐」ではなく「茜」と書きます。
※草冠に〇で構成される漢字の記事の中で紹介しています。
「蒐」は名前に使える?
「蒐」は人名用漢字に含まれているため、子どもの名前に使用できます。
漢字源には、名付けで「あつむ」と読む用法が示されています。
「蒐」には「集める」という意味があるため、人や幸運、知識などが集まる姿を連想することもできるでしょう。
一方で、日常ではあまり使われず、初めて見た人には読み方が伝わりにくい漢字です。
また、文字の中に「鬼」が含まれるため、見た目から怖い印象を持つ人もいるかもしれません。
「蒐」は名前に使えない漢字ではありませんが、読みやすさや漢字から受ける印象を考えると、実際の名付けでは使われることの少ない漢字です。
「蒐」のつく苗字と読み方
「蒐」を使った苗字としては、「蒐場」があります。
非常に珍しい苗字なので、読み方を知らないと正しく読むのは難しいでしょう。
蒐場の読み方
「蒐場」は、主に「ぬたば」「きば」と読みます。
名字由来netによると、全国順位は約2万4,000位で、全国人数はおよそ160人です。
特に兵庫県で多く見られる珍しい苗字とされています。
なお、「蒐場」の「蒐」は、漢字本来の音読みである「シュウ」ではなく、苗字独自の読み方をしています。
苗字は地域や家系によって読み方が異なる場合があるため、実際には本人に確認するのが確実です。
「蒐」のつく言葉
「蒐」は日常的に使われる機会の少ない漢字ですが、「集める」や「狩りをする」という意味を持つ言葉に使われています。
代表的なものを見てみましょう。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 蒐集 | しゅうしゅう | 品物や資料などを、あちこちから集めること |
| 蒐索 | しゅうさく | 探し求めて集めること |
| 蒐田 | しゅうでん | 狩りをすること |
| 蒐猟 | しゅうりょう | 春の狩り。また、探して集めること |
この中で、現在でも比較的目にするのが「蒐集」です。
「蒐集」の読み方と意味
「蒐集」は「しゅうしゅう」と読み、品物や資料などを広く集めることを意味します。
特に、切手や古銭、美術品、書籍などを趣味として集める場面で使われることがあります。
ただし、現代では同じ意味を持つ「収集」と書くのが一般的です。
「蒐集」と「収集」に明確な意味の違いがあるわけではなく、「蒐集」は「収集」に書き換えることができます。
そのため、「蒐集家」と「収集家」は、どちらも品物などを集める人を表します。
まとめ
草冠に「鬼」と書く漢字は「蒐」です。
音読みでは「シュウ」、訓読みでは「あつめる」「あかね」「かり」などと読みます。
「蒐」は、もともと赤い根を持つ植物のアカネを表した漢字で、そこから「集める」「探し求める」「狩りをする」といった意味にも使われるようになりました。
現在では「蒐集」という言葉で見かけることがありますが、一般には「収集」と書きます。
「蒐」は人名用漢字なので名前にも使用でき、苗字では「蒐場」を「ぬたば」「きば」と読みます。
日常ではあまり使われない漢字ですが、植物のアカネから「あつめる」という意味へ広がった、興味深い成り立ちを持つ漢字です。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
蒐場|名字由来net
※気づけば草冠の漢字の記事も増えてきました










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