木へんに北と書く漢字は存在しない!だからこそ想像しまくってみた

2023年4月9日

今まで、木へんの漢字について記事をアップしてきました。

60爺

その中には、木へんに季節である春夏秋冬と書く「椿」、「榎」、「楸」、「柊」の記事があります。

木へんに方角の東西南北と書く「棟」、「栖」、「楠」の記事も書きましたが、木へんに北の記事は、まだ書いておりません。

そこで、今回の記事では、方角の最後を飾る木へんに北と書く漢字について、今までやってきたように、読みから意味、そして名前を付ける際のポイントについて総特集してみます。

木へんに方角の最後を飾る記事なので、皆さんも是非ご一緒してください。

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木へんに北と書いて?

さて、それでは、木へんに北の漢字を見てみましょうか?

木へんに北と書いて?

木へんに北と書く漢字は存在しません!

何ということでしょう!

木へんに北と書く漢字は存在しないのですよ!方角シリーズ完結を飾る記事だったのに、これだけで記事は終了とは!

仕方ありません。ただ、これで終わりにしても面白くないですよね。

もし、木へんに北という漢字があったとしたらどんな言葉になるか。そこを想像することを楽しんでみようと思います。

60爺

その前に、北という漢字の読みと意味を見ておきましょうか?

北について

木へんに北がなかったので、「北」という漢字について、その読みや意味を見ておきましょうか。

栖の読み方と意味

画数 :5画
音訓:ホク きた に・げる そむ・く(日本語だけ)ペー (名付)きた た
意味
①きた。日が当たらず、寒くていつも背を向ける方角。五方の一つ。五行では水、五時では冬、五色では黒に当てる。②きた・する。きたの方へ行く。きたに向かってすすむ。③きたの方の。きたの方から。「北風」④きた・のかた。きたの方で。きやに向かって。⑤に・げる。敵に背を向けてにげる。「敗北」⑥そむ・く。相手に背を向ける。⑦姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(訓読み)ペー
(名付)きた た

①の中で言っている五方、五行、五時及び五色については次の通りです。

  • 五方 ごほう 五つの方角。中央と東西南北。転じて、中国および四方の異民族の国をいう。
  • 五行 ごぎょう 中国古来の哲理にいう、天地の間に循環流行して停息しない木・火・土・金・水の五つの元気。万物組成の元素とする。
  • 五時 ごじ 暦で、季節の五つのかわりめ、すなわち立春・立夏・大暑・立秋・立冬の総称。
  • 五色 ごしき 5種類の色。特に、青・黄・赤・白・黒の5種の色をいう。

北には、「に・げる。」とか「そむ・く。」の意味もあったんですね。これは、勉強になります。

60爺

日本語だけの意味・用法にある訓読みのぺーですが、麻雀の北(ペー)を思い浮かべました!

次の章では、木へんではなく、他の部首に北を書く漢字がないかみてみましょう。


他の部首に北を書く漢字は?

木へんに北の漢字はなかったのですが、その他に、例えば、にんべんに北とか、てへんに北、さんずいに北のように、皆さんが良く知っている部首に北を付けた漢字が見つかりません。

それでも、いくつかの漢字をかき集めてみました。

漢字部首音読み訓読み意味
肉 月 ⺼(にく・にくづき)ハイ
せい
そむ(く)
そむ(ける)
せ。せい。せなか。
後ろ。裏。裏側。
そむく。そむける。裏切る。見捨てる。
(日本だけ)せ。せい。せたけ。高さ。身長。
八(はち・はちがしら・は)こいねが(う)
こいねが(わくは)
こいねがう。そのようになってほしいと心で願う。
こいねがわくは。どうか。なにとぞ。
古代中国の九州のひとつ。冀州(キシュウ)。
河北省の別の名。
火 灬(ひ・ひへん・れっか・れんが)エンくつろ(ぐ)
さかもり
つばめ
くつろぐ。安んずる。安息する。
さかもり。酒を飲む。酒を酌み交わす。
つばめ。鳥の名。ツバメ科の鳥。渡り鳥の一種。
古代中国の国名。戦国時代の七雄の一つ。また、古代中国の地名。
軰※車 车(くるま・くるまへん)ハイともがら
やから
ならび。順序。
ならべる。つらねる。ならび続く。
やから。ともがら。仲間。同類。群れ。
丿(の・はらいぼう)カイそむ(く)
もと(る)
そむく。もとる。本来の道理からはずれる。
離れる。分かれる。
土(つち・つちへん・どへん)スイた(らす)
た(れる)
しだ(れる)
しで
なんなん(とする)
たらす。たれる。下にたれ下がる。
しだれる。枝などが長くたれ下がる。
与える。ほどこす。
なんなんとする。今にも~になろうとする。ほとんど~しかかっている。
(日本だけ)しで。しめなわや玉串(たまぐし)などつけてたれ下げる細長く切った紙。

参考 「北」を含む漢字

参考サイトを見ると、草冠にきたとか、金へんに北とかの漢字がありますが、上記表の「軰※」と同じく環境依存文字(=機種依存文字)です。

機種依存文字とは、電子的に扱う文字データのうち、利用するパソコンやスマートフォン等の環境によって文字化けや全く表示できなくなるものをいいます。

引用 機種依存文字について

上記の表を見ると、背、冀、乖などの漢字は、確かに見たことがあります。ただし、背はまだしも、冀や乖の中に北があるとは、示されて気づきました。

上記の参考サイトにも、嚥(エン)、乘(ジョウ)、剩(ジョウ)、嵊(ジョウ)他たくさんの漢字がありますが、なるほど、よく見ると北が隠れてるんですよ!

ヘエって感じです!

次の章は、木へんに東西南北の方角を付けた漢字を眺めます。

木へんに方角である東西南を足すと

木へんに北という漢字は存在しませんでしたが、その他の木へんに方角を示す東西南の「棟」「栖」「楠」は存在しますよ。

これらは既に記事にしておりますので、簡単な紹介のみとします。

木へんに東の「棟」ですが、音訓は、「トウ」「むね」「むなぎ」「かしら」です。日本語だけの意味として、家屋を数える「むね」があります。

この「棟」という名字は、大変珍しく、全国に110人しかおりません。この漢字に興味のある方は、次の記事をご覧ください。

木へんに西の「栖」ですが、こちらの漢字も「棟」と同様に植物を指してはいません。

何と「鳥の巣」の意味なんですよ。「西」という漢字は「分散する」という意味から、ざるのように隙間のある鳥の巣を示すですって。面白いでしょう!

「栖」の記事はこちらです。是非、ご覧ください。

最後は、木へんに南の「楠」です。方角を使った感じでは、唯一、植物を指しています。

60爺

この漢字は、以下の記事の冒頭でも述べましたが、人間が古いので、「太平記」に登場する武将「楠木正成」を思い出します。

この木は、元々、台湾、中国、朝鮮の済州島、ベトナムといった南方に分布し、それらの地域から日本に進出したと言われています。

まさに木へんに南の漢字の通りですね。どんな植物なのか知りたい方は、下記記事をご覧になってくださいませ。

木へんに北という文字があったら

この章では、上述したように、もし、木へんに北という文字が存在したら、何という読みになるかを想像してみたいと思います。

北方に分布・それらの地域から日本に進出した樹木

上述したように、木へんに東の棟と木へんに西の栖は植物でなかったのに対し、木へんに南の楠は植物だったので、木へんに北の漢字があるとすれば、それは植物であろうとの考えです。

即ち、木へんに東西は非植物、木へんに南北は植物という対比ですね。

60爺

木へんに南の楠では、「元々、台湾、中国、朝鮮の済州島、ベトナムといった南方に分布し、それらの地域から日本に進出」とあります。

木へんに北なら「北方に分布し、それらの地域から日本に進出」した樹木と考えてよいことになります。

北方に分布ということで、そういう樹木を探したんですが「カラマツ」がそれに当たることがわかりました(北方林を再認識する─永久凍土の上にも森林がある─)。

日本のカラマツは、日本の固有種ですが、ツンドラに生きるカラマツに「木へんに北」の漢字を当ててあげてもいいかと思います。

北側に植える樹木とは

木へんに北の漢字として別に考えられるのは、北側に植える樹木です。

樹木って日当たりの良いところを好むと思われますが、実は、そうでない樹木もあるんですね。北側は日陰なんですが、そういうところを好む樹木の中から、「木へんに北」の漢字を授ける樹木があるかもしれません。

日陰を好む樹木について調べましたが、候補として次のモノが上がりました。

  • シャクナゲ類(ツツジ科ツツジ属 常緑樹) 西日を避けた半日陰~日陰
  • カクレミノ(ウコギ科カクレミノ属 常緑樹) 半日陰~日陰
  • ハナイカダ(ミズキ科ハナイカダ属 落葉樹) 湿気のある日陰
  • フウリンウメモドキ(モチノキ科モチノキ属 落葉低木) 湿り気のある日陰
  • アオキ(アオキ科アオキ属 常緑樹) 半日陰~日陰
  • ヤツデ(ウコギ科ヤツデ属常緑樹) 日陰に強い代表的な樹木

木へんに北の漢字は、これらの日陰を好む植物の総称みたいな意味にしても良いのではないでしょうか。

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最後に

木へんに北の漢字を見に来たら、そんな漢字はなかったとの結論でしたね。肩透かしです!

そこで、北について、読み方と意味を見てみました。北には、中国の五方、五行、五時及び五色に、それぞれ充てられていることがわかりました。

意味の中には、「に・げる」だとか「そむ・ける」があることを知ったのは勉強になりましたね。

あとは、漢字の他の部首に北を付けた漢字を挙げましたが、「あー、本当だ、ここに北がある」っていう漢字がいくつも見つかって面白かったです。

これで、木へんに方角を示す東西南北を付けたシリーズは簡潔です!

※気づけば木へんの記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

木へんの漢字

Posted by 60爺