木へんに南の漢字は「楠」!読み方・意味・名前や苗字を解説
「木へんに南」と書く漢字は「楠」です。
訓読みでは「くす」「くすのき」、音読みでは「ナン」と読みます。
日本では、香りのよい常緑高木であるクスノキを表す漢字として使われるほか、「楠」や「楠木」などの苗字、人の名前にも用いられています。
一方、中国と日本では「楠」が指す木に違いがあるため、意味を確認するときには注意が必要です。
この記事では、「楠」の読み方と意味から、漢字の由来や成り立ち、名前・苗字での読み方まで分かりやすく解説します。
木へんに南の漢字は「楠」!読み方と意味
「木へんに南」と書く漢字は「楠」です。
「楠」の読み方や画数、意味をまとめると次のようになります。
楠
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 木部(木へん) |
| 画数 | 13画 |
| 音読み | ナン |
| 訓読み | くす・くすのき |
| 日本での主な意味 | クスノキ科クスノキ属の常緑高木 |
| 中国での意味 | 南方に生えるクスノキ科の常緑高木 |
日常的には、訓読みの「くす」または「くすのき」がよく使われます。
音読みは「ナン」で、「楠木(ナンボク)」などの言葉に用いられます。
日本で「楠」といえば、一般にクスノキを指します。

クスノキは暖かい地域に生える常緑高木で、葉や枝には独特の香りがあります。
材から樟脳が採れることでも知られています。
一方、漢字本来の意味では、中国南部などに生えるクスノキ科の別の常緑高木(タブノキ)を表します。

つまり、「楠」は中国から伝わった漢字ですが、日本ではクスノキを表す字として独自に使われるようになりました。
「楠」の書き順
次に、楠の書き順を示しておきます。

木と南の書き順そのままです!
これら二つの漢字を間違えることはないですよね。
気になる方は、上記の書き順を今一度ご確認くださいませ~。
※「きへんに○の漢字一覧」で記事を書いています。「南」の他にも様々な漢字を用意しています。
※「木へんの難読漢字・難しいランキング30」に「楠」はランキングされました。
※クスノキの漢字には、この他にも、木へんに章の「樟」があります。
⇒ 木へんに章と書いて樟!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
次に、楠の由来と成り立ちを見ていきましょうか。
「楠」の由来と漢字の成り立ち
「楠」の由来を考えるときは、「クスノキ」という名前の由来と、「楠」という漢字の成り立ちを分けて見る必要があります。
「クスノキ」という名前の由来
「クスノキ」という名前の由来には諸説あり、はっきりとは分かっていません。
代表的なものとして挙げられるのが、「奇しき木」に由来するという説です。
「奇し(くすし)」には、不思議である、神秘的であるという意味があります。
クスノキは独特の香りを持ち、大きな木に成長することから、「奇しき木」が変化して「クスノキ」になったと考えられています。
このほか、クスノキから樟脳が採れることに関連して、「薬の木」が変化したとする説などもあります。
ただし、いずれも定説には至っていないため、「クスノキの語源には諸説ある」と捉えるのがよいでしょう。
「楠」の漢字の成り立ち
「楠」は、「木」と「南」を組み合わせた形声文字です。
左側の「木」が樹木であることを表し、右側の「南」が南方に生える木であることを示しています。
『本草綱目』にも、南方の木であるため「南」に従うという趣旨の説明があります。
つまり、「楠」は字の形から見ても、「南方に生える木」を表した漢字です。
ただし、中国で「楠」が表す木と、日本で「楠」と呼ばれるクスノキは同じではありません。
中国での「楠」は南方に生えるクスノキ科の木を指しますが、日本では「楠」をクスノキに当てて使うようになりました。
そのため、「楠」は中国から伝わった漢字でありながら、「くす」「くすのき」という読み方と意味は日本独自のものです。
「楠」と「樟」の違い
「楠」と「樟」は、どちらも日本では「くす」「くすのき」と読み、クスノキを表す漢字として使われます。
ただし、もともとの漢字の意味や、現在使われる場面には違いがあります。
両者の違いをまとめると、次のようになります。
| 漢字 | 読み方 | 日本での意味 | 主な使われ方 |
|---|---|---|---|
| 楠 | くす・くすのき・ナン | クスノキ | 植物名、苗字、名前など |
| 樟 | くす・くすのき・ショウ | クスノキ | 樟脳、樟材などの言葉 |
日本でクスノキそのものを表す場合は、「楠」が広く使われています。
「楠」は「楠の大木」のような植物名だけでなく、「楠」「楠木」「楠本」などの苗字や、人の名前にも用いられる漢字です。
一方の「樟」は、クスノキを表す本来の漢字です。
音読みは「ショウ」で、クスノキから採れる樟脳を表す「樟脳(しょうのう)」などの言葉に使われています。
したがって、「楠」と「樟」のどちらかが誤りというわけではありません。
日本ではどちらもクスノキを表しますが、通常の植物名や苗字・名前では「楠」、樟脳などの熟語では「樟」が使われることが多いと覚えると分かりやすいでしょう。
※「楠」は木へんに南と方角を指す漢字が付いています。
このブログには、木へんに、他の方角、東西北のつく漢字の記事もあります。
さらに全体をまとめた記事もあるので、よろしければ、ご覧ください。
「楠」は名前に使える?読み方や込められる願い
「楠」は人名用漢字なので、赤ちゃんの名前に使用できます。
名前では、音読みの「ナン」をもとにした「なん」や、読みの一部を取った「な」などの読み方で使われています。
「楠」を使った名前には、次のような例があります。
| 名前 | 読み方 |
|---|---|
| 楠斗 | なんと |
| 和楠 | かずな |
| 梨楠 | りな |
| 華楠 | かなん |
「楠」を「な」と読む名前は初見では読み方が伝わりにくい場合があるため、名付けの際には姓との組み合わせや読みやすさも確認しておきましょう。
楠は長い年月をかけて大木に成長し、一年を通して緑の葉を茂らせる丈夫な木です。
その特徴から、「楠」を使った名前には、次のような願いを込められます。
- 大きな木のように、健やかでたくましく育ってほしい
- 目標に向かって、粘り強く努力できる人になってほしい
- 周囲の人を包み込む、おおらかな人になってほしい
- 自分らしさを失わず、長く活躍できる人になってほしい
「楠」は自然の力強さや落ち着きを感じさせる漢字です。
一方で、名前に使うと読み方を推測しにくい場合があります。
漢字に込める願いだけでなく、読みやすさや呼びやすさも考えたうえで使用するとよいでしょう。
「楠」のつく苗字と読み方
「楠」は名前だけでなく、苗字にも使われている漢字です。
「楠」一文字の苗字は「くすのき」と読むのが代表的ですが、「くす」「くすき」「くすの」「なん」などの読み方もあります。
「楠」のつく主な苗字と読み方を見てみましょう。
| 苗字 | 主な読み方 |
|---|---|
| 楠 | くすのき・くす・くすき・くすの・なん |
| 楠木 | くすのき |
| 楠本 | くすもと |
| 楠田 | くすだ・くすた |
| 楠原 | くすはら |
| 楠瀬 | くすのせ |
| 小楠 | おぐす・こぐす |
| 大楠 | おおぐす |
同じ漢字で構成された苗字でも、家系や地域によって読み方が異なる場合があります。
特に「楠」一文字の苗字には複数の読み方があるため、実際の読み方は本人に確認するのが確実です。
また、「楠木」といえば、南北朝時代に後醍醐天皇を支えた武将の楠木正成がよく知られています。
まとめ
「木へんに南」と書く漢字は「楠」です。
訓読みでは「くす」「くすのき」、音読みでは「ナン」と読みます。
日本ではクスノキを表しますが、中国では日本のクスノキとは異なる南方の木を指すため、意味の違いに注意が必要です。
「楠」は南方に生える木を表した漢字で、日本では「樟」と同じくクスノキを表す字として使われています。
また、人名用漢字として名前に使用できるほか、「楠」「楠木」「楠本」などの苗字にも用いられています。
木へんに南を組み合わせた字を見かけたら、「楠(くす・くすのき)」と覚えておきましょう。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
※気づけば木へんの記事も増えてきました











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