さんずいに軍と書いて渾!意味・読み方から苗字での使われ方まで総特集

2023年4月23日

ドラゴンクエストで戦闘の際、稀に「会心の一撃」が出ることがありますよね。これに似た言葉に「渾身の一撃」があります。

60爺

「渾身の一撃」って見たことありませんか?

この「渾身」ですが、類語には「全身(ぜんしん)」、「満身(まんしん)」、「総身(そうしん)」、「総身(そうみ)」などがあります。

意味については記事の中で説明しますが、この言葉の先頭にある「渾」の字が今回の主役です。現在、シリーズ化している「草冠に○○」に適合する漢字であります。

そうとなれば、渾身の力を振り絞って、草冠に軍の渾について、意味・読み方から名前での使い方まで総特集しちゃいます。

内容をシェアしますので、最後までご覧になってください。

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さんずいに軍といえば渾!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、渾の意味と読み方を明確にしましょう。

渾の読み方と意味

画数 :14画
音訓:コン にご・る すべ・て

①分化せずに全体が一つにとけ合っている。カオスの状態。②にご・る。にご・す。ごたまぜになっている。また、そのさま。③すべ・て。全く。全部。ひっくるめて。④姓の一つ。

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

音読みは「コン」です。冒頭で出てきた「渾身」の読みは「コンシン」です。

訓読みは4つあります。

  • ①例として、『渾沌(コントン):=混沌、物事の区別・なりゆきのはっきりしないさま。渾一(こんいつ):違ったものが、全くとけあって一つのものとなること。』が上がっています。
  • ②例として、『渾濁(コンダク):にごること。』が上がっています。
  • ③「渾欲不勝簪=渾て簪に勝へざらんと欲す」〔杜甫・春望〕
  • ④この姓は、中国北方の遊牧民族も用いるそうです。

それでは、次に、蔀の書き順をみてみましょう。

草冠に軍を順に書けばOKです。軍の書き方さえ間違えなければ大丈夫です。

60爺

気になる方は、上記書き順を要チェックですな。


もっと詳しく知ろう!渾の漢字としての由来や成り立ち

まず、字源をみてみましょう。

渾=「軍(グン)丸く取り巻く」+「水(みず)」(形声※1)。軍は「勹(取り囲む)+車(くるま)」(会意※2)で、戦車を円陣をなすように並べてまるくまとめる情景。「丸く取り巻く」「全体がまとまっている」というイメージを示す記号となる。渾は全体が丸くまとまり、とけあっている状態、全体が丸くまとまった状態を渾沌(カオス)という。混ときわめて近い。

引用 上級漢和辞典 漢字源 学研

形声※1
漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。

会意※2
会意文字とは、既成の象形文字または指事文字を組み合わせること。会意によって作られた漢字を会意文字(かいいもじ)という。

同源語として、渾・軍・運・揮・輝・暈があります。

渾のつく言葉

渾のつく言葉を紹介します。

渾のつく言葉読み意味
渾厚コンコウ大きくて、どっしりと、深みのあること。
渾殽コンコウもやもやと入りまじって、区別がつかない。《同義語》混。「賢不肖渾=賢と不肖と渾す」〔漢書・董仲舒〕
渾渾コンコン①濁った水が盛んにわき出るさま。《同義語》滾滾・混混。②みだれ、にごるさま。③奥深く、大きく、もやもやしたさま。《同義語》混混。
渾身コンシンからだ全体。全身。満身。
渾大コンタ゛イまるくて大きい。
渾天コンテン地をとりまく、まんまるい球形をした天。
渾天儀コンテンキ゛{渾儀(コンキ゛)}今日の地球儀のようなもので、昔、天(宇宙)の形をかたどって、日・月・星などの動きを測定するのに用いたもの。
渾名コンメイ・アタ゛ナ人の顔かたちやくせなどによって実名以外につける名。
渾淪コンリン・コンロン二つ以上のものがまだわかれずにもやもやとしていて、個々のものがはっきりしないさま。

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

60爺

知っているのは、冒頭で言った「渾身」くらいですかね。

あまり見たことのない言葉が多いのですが、アダナは変換で「渾名」も出てきますし、勉強不足かもしれませんな!

次は、名前に使われる際のポイントを見にいきましょう~。

苗字に使われる際のポイントは

この渾という漢字は、2017年9月25日から人名に使うことを許された漢字ですね。人名としては、かなり新しい表記と言っていいでしょう。

ただですね。私見ですが、この漢字、使いづらいのではないでしょうか。「コン」、「にご・る」「すべ・て」が音訓ですが、名前としてどうでしょうか?

60爺

古い人間なんで、キラキラネームになっちゃいそうで自分の子供には選びたくない漢字ですな。

以上の理由で、名付けのポイントは割愛とします。

そこで、蔀を持つ苗字を見ていきます。まず、「渾」一文字の苗字を探したのですが、この苗字はありませんでした。

そこで、渾に他の漢字を組み合わせた苗字を見ていくと、何と、渾大防(こんだいぼう)、渾川(にごりかわ)の二つしかヒットしないようです。

渾大防(こんだいぼう)

【名字】渾大防
【読み】こんだいぼう
【全国順位】 61,970位
【全国人数】 およそ20人
参考資料 名字由来net

この苗字は大変珍しいです!読みが「こんだいぼう」ですよ。全国におよそ20人しかいませんね。全国順位が61,970位です。

都道府県別に見てみましょう。

都道府県人数
兵庫県およそ10人
神奈川県およそ10人
福井県およそ10人

参考資料 名字由来net

3県が、それぞれ、およそ10人となっていますので、恐らく、この3県以外には「渾大防」姓は存在しない可能性がありますね。

渾川(にごりかわ)

【名字】渾川
【読み】にごりかわ,すべかわ,ひらかわ
【全国順位】 28,068位
【全国人数】 およそ120人
参考資料 名字由来net

読みが3つありますね。「にごり」「すべ」「ひら」ですが、最初のはいいんですけど、最後の一つはどこから出てきたのでしょうか?

この苗字も珍しいのでしょうが、渾大防(こんだいぼう)さんを見た後では人数多いじゃんという漢字ですなあ。

全国におよそ120人しかいないんですが、渾大防(こんだいぼう)さんの6倍もいるって‥。全国順位が28,068位で、渾大防(こんだいぼう)さんより3万以上も上です。

都道府県別に見てみましょう。

都道府県人数
新潟県およそ40人
埼玉県およそ30人
東京都およそ20人
神奈川県およそ10人
愛知県およそ10人

参考資料 名字由来net

この5都県で全国の人数の9割以上を占めています。他の道府県にはほとんど渾川さんはいないと考えればいいんですね。

最後に

さんずいに軍で渾ですが、この漢字も日常では余り見かけない気がしますね。

意味を見に行くと。渾沌とか渾濁とか混の字に置き換えられる言葉がいくつか出てきましたね。軍は「勹(取り囲む)+車(くるま)」で、戦車を円陣をなすように並べてまるくまとめる情景だそうで、そこから来ているとか。

60爺

今回、名付けについては、私の判断で取り止めとしました。無理矢理候補を挙げても良かったんですが、自分の付けたくない名前をあげることはしたくなかったので。

漢字は、それぞれ意外な意味を持っていたりするので面白いですね。次回もお楽しみに。

※気づけばさんずいの記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら