杜は名前に良くない?そんな杞憂を全身全霊で取っ払う大特集です

2023年12月31日

この世の中、次々と生まれる次代の担い手に対する名付けに悩む親御さんが尽きることはないでしょう。

一生付き合っていく名前だからこそ最良になるよう苦心しておるんですね。

60爺

名付けの漢字に対して心配する方々がたくさんおります。

名付けを始める際に、選択した文字が悪いモノでないようにチェックもなさるんですね。

名付けに対しては、父母や祖父母、はたまた、親戚やちょっとした知り合いなどにささやかれた言葉が気になってしまうんですな。

この記事では、「杜」という名付けには比較的目新しい漢字について、名前に良くないのかについて、皆さんの持つ杞憂を全身洗礼で取っ払う大特集にしたいと思います。

どうか、最後までお付き合いください。

スポンサーリンク

杜という漢字の基本情報

始めに、「杜」という漢字の基本情報を確認しておきます。

内容
画数7画
音読みト ズ
訓読みと・ざす と・じる
意味①木の名。マンシュウマメナシ。ホクシマメナシ。別名、棠(トウ)
②と・ざす。と・じる。出入り口をしめて中にこもる。また、そのようにする。
日本語だけもり。神社のもり。

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

この漢字、日本語だけの意なんですが次の内容を指します。

  • 神社の境内にある森林
  • 特別な意義を持つ木々が集まった空間

つまり、「森」という漢字の「自然の森」と異なり、以下の宗教的・文化的な要素が強いです。

  • そこで守られるもの
  • その場所を取り巻く厳かな雰囲気

「杜」は「神社(=神聖)のもり」の意を持ちます!

また、音読みの「と」は止め字として用いられ、キラキラネームとなる要素が全くありません。

そして、読みにくいかもしれませんが、逆に、そこから会話が始まるなど良い面が多いでしょう。

このように、「杜」は「もり。神社のもり」即ち神聖であることを示しますので、イメージがとても良いんです。


「杜」は名前に良くない?

さて、基本情報を見る限り、「杜」は名付けに使う上で、全く問題はありません。

しかし、否定的な意見が皆無ではありません。

そんな意見を見ていただきますが、そのような杞憂を全身全霊で取っ払っていきましょう。

以下に、「杜」に対する否定的な意見と、その60爺の寸評を述べていきます。

否定的意見60爺の寸評
1「杜」には、「と・ざす。と・じる。出入り口をしめて中にこもる」という意があるので良くない。これは、神社(=神様のおわす場所)と人が住む世界を分けるという意であり、全く見当違いの意見です。
2「杜撰」「杜弊」「杜諌」「杜絶」などの悪い意味がある。「杜撰」は「杜黙」という詩人がいい加減な詩を作る()ことから付けられた言葉であり、「杜」の意ではありません!
「杜弊:弊害を絶やす」、「杜諌:諌め止める」、「杜絶:悪いことを断ち切る」というように良い意味です。
3「杜」と組み合わせた名前は読めない場合が多い最近の名前は、その傾向が強いですので、気にしすぎは禁物です
4キラキラネームになるキラキラネームにならない使い方をすれば問題ありません
5見慣れないヘンな字で良くない「杜」が人名用漢字として使えるようになったのは1990年(平成2年)4月からです。親世代では見慣れないのを嫌う方がいるかもしれませんが、ヘンな字ではないです

5つの否定的意見が出てきましたが、勘違いや個人的な意見もあり、特に大きな問題はないと思います。

それぞれの意見について、もう少し細かく見ていきます。

「杜」は良くない漢字である

「杜」の意味に「と・ざす。と・じる。出入り口をしめて中にこもる」があるので良くないという意見です。

単純に、「と・ざす。と・じる」を捕まえて良くないという薄っぺらい意見ですね。

この意味は、上述したように「神社(=神様のおわす場所)と人が住む世界を分ける」を表しており、全く見当違いの意見なんですよ。

ですから、「杜」がよくない漢字であるというのは全くのお門違いであります。

「杜」のつく言葉に良くないモノがある

こちらは、「杜」単体でなく、「杜」のつく言葉に良くないモノがあるんで、そのもとになる「杜」が悪いという意見ですな。その例として、次の言葉を挙げてます。

  1. 杜撰(ずさん):物事の仕方がぞんざいで、手落ちが多いこと。
  2. 杜弊:弊害を絶やす。
  3. 杜諌:諌め止める。
  4. 杜絶(とぜつ):悪いことを断ち切る

2,3は日本語にない言葉ですが、それも含めて、それぞれ「意味が良くない」じゃないかと言っているわけです。

しかし、これらの言葉の本来の意味を見てください。

1.杜撰:「杜]+「撰」で構成されます。「杜]は中国にいた「杜黙」という詩人のことです。この人が作る詩(撰)がいい加減(合わすべき律が合っていない)なモノだったことから付いた言葉なんです。「杜」の意ではありません!
2.杜弊:害となる悪いことを絶つこと
3.杜諌:誤りや良くない点を改めるよう忠告し止めること
4.杜絶(とぜつ):ふさがり絶えること。とだえること

以上で、「杜」のつく言葉には問題のないことが分かりました。

「杜」と組み合わせた名前は読めない

たとえば、「淳杜」「篤杜」「厚杜」ですが、読みは全て「あつと」です。止め字として「斗」、「人」などの代りに用います。

また、「杜秀」「杜英」のように、「もりひで」と読ませます。こちらは読めるかな。

人名漢字としては比較的新しい感じのため、市民権を得るのに時間がいりますが、全く読めない漢字ではないでしょう。

時代に合わせて、考え方を変えられるようになりましょう。

キラキラネームになる

まあ、現在では、どの漢字を使ってもキラキラネームになる可能性がありますが、最近は役所でも余りにひどい場合は拒否するようになってきています。

寿杜子(すずこ)、珠杜葉(すずは)など女の子の名前も、ぱっと見わかりにくいですが、杜(ず)と読みますのでキラキラネームにはなりえません。

要は、漢字の持つ読みに沿っていれば問題ないのです。

自分の思い込みで命名せず、「杜」の読みを辞書で確認すれば完璧ですね。

見慣れないヘンな字で良くない

上述していますが、「杜」は1990年4月に人名漢字として登場したものですから、少し、歳の行っている方には見慣れない漢字でしょう。

そのため、「変な字」と言う方がいてもおかしくありませんが、「いいがかり」かなと考えます。

1990年即ち平成2年に登場した人名漢字が他にもありますが、それらについても同様、慣れない方はたくさんいらっしゃると思います。

ですので、全く問題ないとい漢字だと説明してあげましょう。是非、この記事を紹介してください。

こちらも、時代に合わせて、柔軟な思考を持ちたいですね。

■木へんの漢字が名前に良くないについて多数記事を書いています。

杜を名前に使う時のポイント

この章では、杜を名前に使う時のポイントを述べておきましょう。

この「杜」の字から受ける印象は基本情報の章で述べていますが、「鎮守の杜」から来る「神聖でおごそか」「清らか」などです。

ここから、名付けとして、次のような願いを込めることができます。

  • 清く美しい人になってほしい
  • 自然体で優しさ溢れる子になるように
  • 健やかに成長するように

あと、「杜」が読みにくいと気になる場合ですが、視点を変えると、珍しい名前なので一発で覚えてもらえたり、そこから話題が進んだりするするメリットがあります!

ただ、名前をきちんと呼んでもらえないとストレスになる可能性がありますので、お子様に、命名時の気持ちや願いなどを伝えておくなどの十分なフォローを実施しておきましょう。

いくつか名前の例を挙げておきます。

  • 男の子:海杜(かいと)、碧杜(あおと)、秀杜(ひでもり)
  • 女の子:弥杜季(みずき)、優杜音(ゆずね)、杜採(とあ)

なお、「杜」については、「木へんに土」で既に記事をアップしています。

前述した読み方から、詳細な意味、書き順なども解説していますので、ご覧になってください。

名前に「杜」のある有名人

最後に、名前に「杜」のある有名人を一覧にしてお届けします。

有名人読み職業
大津顕杜おおつけんと陸上競技選手
風間杜夫かざまもりお俳優
北杜夫きたもりお小説家
長尾謙杜ながおけんとアイドル(なにわ男子)
長谷川拳杜はせがわけんとアナウンサー(IBC岩手放送)
波多野杜夫はたのもりお小説家
平野修杜ひらのしゅうとタレント
前山亜杜武まえやまあとむ実業家
宮野杜志子みやのとしこタレント
森川杜園もりかわとえん彫刻家、歌人

60爺は、有名人に疎いので、風間杜夫、北杜夫くらいしか知りませんね。

アイドル好きの女性なら、なにわ男子の長尾拳杜をご存知だと思います。

スポンサーリンク

最後に

今回は、「杜」が名前に良くないと聞いて、その真偽を確かめてみました。

60爺

パソコンをやっている人は、「窓の杜」でおなじみの漢字ではないでしょうか。

名前ランキングで検索してみましたが、ランキング入りはしていませんでした。

ただ、上述したとおり、「と」と読めますので、止め字として「杜」を使う人が増えているとは聞いております。

名前に良くない理由を5つほど挙げて反論しましたが、理由の中身をみても「いいがかり」のような意見が多かったように思います。

似たような意見がある漢字を救っていければと思います。

※気づけば「〇名前良くない」の記事も増えてきました

スポンサーリンク
この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら